表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

掃除屋の本家〜番外編〜

ガチャッ  バタンッ

「…今日は、冬にしてはとても暖かいですね」

そう凪がーーー私が言った。

(今日はいのり兄さんと本家に行く約束……ちゃんと時間通りに来てくれるでしょうか………いや、絶対に来ないですね。来たことないですし)

「とりあえず、いつも通り早めに行っておきましょう」

私は満神道を通って約束の場所に着いた。

(……えっっっ!?)

「いのり兄さん!?なんでこんなに早く…いつもなら五分くらいは絶対に遅れていたはずですが……」

そう、着いたらそこには祈流がいた。

「おはよ〜凪。そうなんだよね〜。いつもよりも早く来て驚かせようと思ってさ〜」

「…いつもその調子でいてくれませんか?」

「酷い!いつもの僕を否定するなんて!」

「もういいですから、早く行きましょう」

「今日、どうしたの?いつもとなんか違うよ?」

「気のせいじゃないですか?……違うと思うのであれば、いのり兄さんがおかしいがために私もおかしくなっているのかも知れませんね」

私は意地悪く笑った。

「ねぇ!だからいつもの僕を否定しないでって!!頑張ってるんだよ!この性格演じるの!!」

「確かに、演じていないいのり兄さんはとても怖くて近づきにくくて怖くて怖いですよね」

「怖いをそんなに言わなくていいよ!可愛こぶった方が得するんだよ!だから一旦黙れや!!」

「出てますよ、本当の性格。というか、早く行かないと、かよねぇに怒られてしまいます」

「……そうだね、早く行こう」

私は扉を開けた。

目を開けるとそこには一面真っ赤な世界。

綺麗な紅葉が沢山落ちていて、踏んでしまうのが痛ましい。

「…できるだけ紅葉を踏まないように進むようにしましょうか?」

「いつもそれで迷ってるよね〜」

「踏みたくないのですよ」

「でも、そんなことを言ったら歩けなくなるでしょ」

「…そうですね。できるだけ踏んでしまう時間が短くなるようにできるだけ早く行きましょう」

そう言って私は歩き始めた。少し遅れて祈流も歩く。

「そうだね〜。そういえばさ〜、凪って律輝から仕事、押し付けられた?」

「押し付けられた?……あぁ、なにか頼まれましたね。普段から色々やりすぎて言われるまで忘れてました」

「へ〜、良かったねー思い出せて」

「はい」

「……」

「……」

(……いつもこうです。どうしても話が続かない)

私たちはここから一言も話さずに本家に着いた。

ガラリッ

「七草さん〜、いらっしゃいますか〜」

「ようこそ、当主様、待ってる、早く、行く!」

「ごめんなさい、遅くなってしまって。今すぐ行きます」

「おっ!七草じゃん!久しぶりだね〜」

「時間、ない、早く、行く!!」

「ごめんなさい!早くいきます……いのり兄さん!早く行きますよ!!」


「かよねぇ、来ましたよ」

「おおっ、凪か。久しぶりじゃのう」

「僕も来てるよ」

「……その話し方、やめてくれんか?正直合ってないぞ」

祈流は少し考え込んだ。

「……まぁ、二人だからいいか」

「二人とも、最近来てくれんかったから寂しかったぞ」

「ごめんなさい、仕事が多くて……」

「……やはり、まだ解決しておらんのじゃな…本当に古いヤツらじゃのう。妾と同世代の子もそう言っておるのであろう?」

「そう、ですね。」

「本当にあやつらは…妾が直接差別をするなと申したのにまだやるか」

「そうじゃ、話は変わるが優という奴がこの前試験で合格したそうじゃのう。どんな感じじゃった?」

「そうですね、戦い慣れていましたね。ずっとあの山の中で半妖を倒していたからでしょうか」

「ほう、それは期待できるのう。きっと優はこの先、とんでもないくらいに大きな功績を残すじゃろう。妾の勘がそう言ってる」

「勘…かよねぇがそういうのであればきっと、そうなのでしょうね……」

「…時間が足りないのう。本当はもっと話がしたいが、祈流の話も聞きたいからのう」

「また来るので大丈夫ですよ」

「そうか!仕事が忙しいと思うが、約束じゃぞ」

「じゃあ、私は退出しますね。お二人の邪魔はしたくありませんので」

「別に、そんなこと気にしなくてもいいだろ」

「普通は気を使うところなのですよ、こういうのは」

(邪魔になるから絶対にここにはいたくないです)

「あっはっは!なら凪よ、朝から来てもらったが、もう家に帰っておれ。連日の仕事や学校で疲れておるじゃろう?」

「そうですね、なら、お言葉に甘えて帰らせて頂きます」

「では失礼します」

ガラリッ ガシャ

私は出た瞬間、早歩きでその部屋の近くから離れた。

「凪、早い、歩くの、なんで」

「早くあの部屋から離れたかったからです。気まずいので」

「そう、もう、帰る?」

「はい、家に帰りなさいと言われたので」

「わかった、じゃあ、またね」

「えぇ、さようなら」

私は本家を出て来た道を辿っていった。

「……少し、寄り道しましょう」

歩いてしばらくすると私は真っ赤な世界から色鮮やかな世界にとびだした。

そこには色々な花が咲いている。

「かよねぇが育てている花はやはり綺麗ですね」

(あれ?)

「先輩?どうしてここに?」

「あら、凪じゃない。久しぶりね」

「はい、お久しぶりです」

「……またその花を見ているのですか?」

「…えぇ。本当に、こんなに綺麗な花の名前を私に与えるなんて」

「かよねぇにも考えがあるのですよ、きっと」

「そうね…」

「……そういえば凪、あなたの暗号名はなんだったかしら?」

「私は……天竺牡丹てんじくぼたんです」

「天竺牡丹……そんな花、あったかしら?」

「あるらしいです」

「そうなのね」

「あの、私、帰らないといけないので……」

「あぁ、ごめんなさいね、話し込んじゃったわ」

「あと、私がここに来たのは……」

「秘密に、でしょ。わかってるわよ」

「ありがとうございます。では、さようなら」

「えぇ、さようなら」



私は扉を通り、満神道に戻った。

その時ちょうど昼前で、仕事に行くには良い時間帯だった。

(仕事に行きましょうか……いや、今日はかよねぇに帰れと言われましたし……)

私はしばらく考え続けた。

「……」

「……こんなに悩むなら、華夜ねぇの言うことに従っておきましょう」

私はゆっくりと階段をおりて行った。



皆さん、こんにちは!

怜です!

今回は番外編ということで、凪さんの目線から書かせて頂きました!!

祈流や律輝目線の番外編も書こうと思っているので、暫くお待ちください!!(恐らくストーリーをもう少し進めたあとに出てきます)

実は最近、リアル(現実)がとても忙しくて、小説を書く時間が少なくなってしまっています。ごめんなさい!!

時間があれば少しづつ書いていく予定です!

なので、応援よろしくお願いします!!

もしよろしければ、いいねやコメント、ブックマーク、誤字情報など、投稿して欲しいです!!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ