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【書籍版】若返りの錬金術師~史上最高の錬金術師が転生したのは、錬金術が衰退した世界でした~  作者: えぞぎんぎつね
一巻 アース・スターから発売中!

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19 ゴブリン退治

 討伐対象は街道に出没したゴブリンである。

 滅多に使われない街道を進んでいた商人がゴブリンに襲われたのだそうだ。

 ちなみに荷馬車から荷物を捨てながら逃亡したおかげで、商人は生き延びたらしい。


「そうだな。徒歩で三日ってところか」

「りゃあ~?」


 目的地はかなり遠い。そして方角は王都から南である。

 俺が目覚めた場所に比較的近いと言っていい位置だ。

 つまり、旧魔王城跡地に近い。


「普通に歩くとしんどいな。時間もかかりすぎる」


 俺は王都を出ると歩きながら、錬金薬を調合する。


 作るのは体内の魔力を活性化させ、身体能力を強化する薬だ。


 材料はケルミ草とレルミ草。

 魔法での身体強化と効果は同じ。だが錬金薬の方が持続時間が長いのだ。

 今回のように長距離を移動する場合、薬の方がずっと良い。


「トマソンたちにも、この薬をあげようかな」


 トマソンたちは鍛錬をしているし、剣の腕も良い。

 だが、身体強化の魔法が苦手なのだ。


 この薬を使えば、相当な底上げができる。

 きっと人食い魔熊ぐらいなら、軽く倒せるぐらいにはなるだろう。


「あとで、冒険者ギルドでも売ろうかな」


 ギルドにいた冒険者たちも身体強化の魔法が苦手なように見えた。

 もしかしたら、千年間で身体強化の技術自体が衰退したのかもしれない。


「魔法も錬金術も衰退し、身体強化の魔法も衰退したのか……」


 人類がいつ滅んでもおかしくない。そんな気がした。



「ま、後で考えよう」


 身体強化のポーションは余分に作った。

 自分で飲んで、余った分は昨日買った瓶に入れて、魔法の鞄に入れておく。


 それから目的地にむかって一気に走る。


「やはり同じ薬を使っても百八歳のころより、身体が軽いな」

「りゃっりゃ!」


 リアも楽しそうに羽をバサバサさせている。


 久々に走ると、気持ちが良かった。


 百八歳のころは、いくら魔法で強化しても、ひざや腰が痛かった。

 痛みを緩和するポーションを飲んでいたが、それでも完全に痛みが消えるわけではない。

 戦闘時に短い距離を高速移動する以外で走ることはなかったのだ。




 俺は馬よりも速く走り続けて五時間で目的地に到着する。

 街道という話だが、人とすれ違うことは全くなかった。


 元々さびれた街道という話だった。

 加えて、南方は魔王軍の勢力エリアに近い。


 それゆえ人族はほとんど逃げ出しているのだろう。

 商人もヨナのように高い志がなければ、危険すぎるため近づかないのだ。


「さて、リア。ゴブリン退治をさっさと済ませて、薬草採集をしようか」

「りゃあ!」


 俺はスカウトではないので、足跡や痕跡を調べることは得意ではない。

 それゆえ、周囲を探索魔法で調べていく。


「りゃ!」

「そうだね、ゴブリンだね」


 そしてゴブリンを見つけ次第退治していった。

 全部で十五体を倒し、魔石を回収した。


「ゴブリンは魔石以外に価値のある戦利品を取れないからおいしくないな」

 死骸をしっかり燃やしてから、俺は周囲の探索に入る。


「やっぱり、ケルミ草もレルミ草も手つかずだな……」


 俺は順調に採集を続ける。

 ゴブリン退治は楽しくないが、採集はとても楽しい。


「材料が徐々に集まってくると、今度は賢者の石を作りたくなるな……」

「りゃあ?」

「賢者の石っていうのは、錬金術の触媒だよ。それがあれば錬金術の行使が圧倒的に楽になるんだ」

「りゃ~~」

「だが、賢者の石を作るには素材も足りないし……。時間も設備も足りないな……」


 実は賢者の石の素材は、ものすごくレアというわけではない。

 だが、素材の種類が多いうえに、素材の品質も非常に高くなければならない。

 少しずつ集めていくしかないだろう。


「設備は少しずつ整えていくしかないよな」


 広めの家を買って工房に作り替えるのがいい。

 素材集めにも設備投資にも、お金がかかる。

 頑張ってお金を稼ぐのが一番の近道だ。


 そんなことを考えながら採集を続けていると、

「おや?」「りゃ?」

 遠くに大きな魔猪がみえた。


 体重は普通の牛の三倍ぐらいありそうだ。

 まだかなり遠くにいるので、魔猪は俺たちに気づいていない。


「リア、お腹空いた? 俺はかなり空腹だ」


 俺とリアは朝ご飯を食べている。

 だが俺は、五時間走り続けてゴブリン退治をしたのだ。


 それからは何も食べずに薬草採集をしていた。


 リアも俺の肩の上で羽をバサバサさせていた。

 きっと、お腹が空いているに違いない。


「……りゃあ」


 リアは自分のお腹を両手で抑える。

 そのとき、リアのお腹が「ぐぅーっ」と鳴った。


 リアは赤ちゃんなので、食事の必要回数は多いはずだ。


「配慮が足りなかったな、ごめんな」

「りゃあ」

「じゃあ、あの魔猪を狩って食べよう」

「りゃあ!」

 リアは嬉しそうに鳴いて尻尾を振った。


「……冒険に必要なものを買い揃えたつもりだったが、非常食も買い忘れていた」

「りゃあ?」

「うっかりが過ぎるな……」


 千年前の俺は自分で店に行って、冒険の道具を買い集めたりはしなかった。

 必要な物をもって商人から俺の家にやってきていたのだ。

 百歳を超えていた俺を気遣ってのことだ。


「……俺は随分甘えていたんだな」

「りゃ」

 王都に帰ったら、もう一度装備を点検し、必要なものをしっかり揃えるべきだろう。


 そして、俺は静かに魔猪との距離を詰めていく。

「リア。静かにするんだよ」

「…………」


 俺は【形態変化】を使って氷の槍を作り出し【物質移動】で魔猪の額に撃ち込んだ。


「よし、苦しませずにやれたな」

「りゃ?」

「倒せるなら、一撃で。それが狩りの獲物に対する礼儀だからな」


 赤ちゃん竜のリアに狩りの心得を語りながら小走りで魔猪のもとへと向かった

【読者の皆様へ 作者からのお願い!】


この作品を読んで、少しでも


「面白そう」

「続きが気になる」

など思っていただけましたら、


発売中の書籍を買っていただけるとうれしいです。

1巻は発売中! 2巻は3月に発売になります!



ついでに、ブックマーク、並びに、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします!

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