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*番外編-学園長2-

なんだろうこの雰囲気は。

学園長の様子から察するに、過去の自分と彼は“知り合い以上”な関係だったのだろう。


記憶を無くし、恐らく人格が変わってしまってもわかる。この行為はただの知り合いにしては距離が近過ぎる。


未だに抱きしめられた状態から、フィオナを放す気が無い学園長。

華奢な見た目からは全く想像出来なかったが、思った以上に力が強い。それに、頬で感じた彼の胸板は厚く筋肉質だ。着痩せするタイプなのだろう。…自力で抜け出す事は厳しそうだ。


ふっと肩の力を抜いて脱力したところ、それが彼にも伝わったらしい。


『あ、わりい。苦しくなかったか?』


不安に揺れる金眼がまたも間近に迫る。

きらきらと輝く瞳は神秘的で思わず見とれてしまいそうだ。だが、同時に彼の力が緩まった事がわかり距離を取った。

学園長の胸を押す形で、そっと離れる。


『…すまん。』


やっと抜け出せたと思ったら、今度は名残惜しそうに見つめられてしまう。妙な罪悪感を感じたフィオナは、視線を下に落とした。

そして問う。


『あなたのお名前を知りたいです。』


別に先程の罪滅ぼしでも何でもない。と言うより、この妙な雰囲気を一刻も早くなんとかしたい。

例え過去の関係が知り合い以上だったとしても、申し訳ないが今は違うのだ。


真っ直ぐに彼を見据えると、どうやら察してくれたらしい。目を瞑り肩を竦める。次に開かれた瞳には、不安な色はどこにも無かった。


『表向きは、アンガス・トゥアハ・デ・ダナーン。だが、フィオナにはリアンと呼んでほしい。

それが俺の本当の名だ。』


『リアン…。ありがとうございます。』


『もちろん、2人っきりの時だけだぜ?

生徒にまた変な噂を流されでもしたら、溜まったもんじゃねえ。』


既にこの学園に、数多くの逸話を残しているリアン。中には規格外な内容まであり、それだけ生徒からの注目の的なのだとみて取れた。


『あ、そうだ。

ゆっくり思い出して欲しいと言ったが、アイツらがいたな。』


『あいつら?』


『さっきの5人のことだよ。』


彼等とフィオナのやり取りを思い出したリアンは大袈裟に息を吐き出した。


『はぁーーったく!

あんな手が早い奴等とは思わなかったぜ。』 


油断も隙もねぇと小言を漏らすと、彼女の肩に手を置いた。また距離を詰められるのかと身構えたが、杞憂だったみたいだ。

先程の一件から、弁えたという事だろうか。とにかく内心で安堵した。


『お前を奴等になんか渡さない。

もちろんフィオナは無理はしないで欲しい。だから…。』


片端を上げてニヤリと笑う。

もう覚えたが、大抵彼のこういった笑みは良からぬ事の前兆だ。


『俺も参戦するからな。なるべく早くフィオナに思い出してもらうように。』


そう言うと弁えた筈の距離がグッと近くなる。

次に気付いた時には腰を抱かれていた。


『これからよろしくな、フィオナ。』





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