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序章-4 正体-

学園創立以来、学園長の姿を見る者は居なかった。長命の竜族さえも記憶が定かな者が数人居るかどうか。

既に亡くなってこの世に存在して居ないのでは?はたまた学園長とは名ばかりで、その座に見合う者が居ないだけでは?

創立から数百年を迎えた今では様々な噂が飛び交っていた。


けれどそれは、あくまで学園外での話。


実際に会った生徒は居ないのだが、今でも学園長は超が付く有名人なのだ。その原因は、館の最上階に位置する「学園長室」にある。


その室内には本人であろう自画像が飾られており、入学から卒業を含め、重要なイベントには必ずこの学園長室への入室が必要だ。

決して小さくは無い、寧ろ大きくて豪華な額縁の自画像は、嫌でも目に入る。さらに画中の人物は容姿端麗ときた。


肩まで伸びた銀と金が混在する髪に、銀色の瞳。透き通るような真っ白の肌は純白のローブに包まれて更に際立っており、例えるなら立体美で固められた彫刻像。性別の枠を超えたその美貌は現存する種族にはどれも当て嵌らず。

……そんな風だから噂は尾ひれはひれ。噂好きの生徒達の、格好のネタとなる訳だ。


「…のか。」


『ん?なんだ?』


「……天を裂く事が出来ると聞いたが、本当なのか。」


眉間に皺を寄せつつ、大真面目な表情で質問したのはクロード。


「あははははは!」


ロイはお腹を抱えて笑い転げた。


「え?なにクロード、あの噂信じてるのお!?」


ひいひいと言葉にならない笑い声を上げ、床を何度も叩く。

そんなロイの姿を見て、クロードの眉間は更にしわくちゃになった。


そう。学園長の噂の1つ、

「アトランディア学園の長は、天を割くほどの実力者らしい」。


出所は定かでは無いが、かれこれ数十年も前から出回っている。


なんとなく事情を察した妖精族の彼、もとい学園長は口端を吊り上げた。


『へえ、俺って有名人?

最後に様子を見に来てやったのが…えー100年前なのに?』


「いいえ、200年前です。」


『そんな細けーことはいいんだよ。』


クレアの突っ込みに舌打ちする。どうやら性格と口調はそのままのようで、その場に居る誰もが黙っていれば美丈夫なのにと、胸中で呟いた。

けれども流石学園長というべきか。ピリピリとした緊張感を肌で感じ取ったロイは、姿勢を正した。穏やかそうに見える銀眼は眼光鋭く、一見するだけで全てを把握してしまうような、圧倒的な威厳を携えている。


『さてっと。』


学園長は肩を竦めると、周囲を見渡した。

緊張感が更に増し、これから語り出そうとする内容が重要なものであると察したクロード、レオ、ロドフ、ロイの4人は揃って居住まいを正した。フェンはロドフとレオの間で支えられながら懸命に立ち、眠気を必死に堪えている。

その様子に若干眉を潜めた学園長だったが、口を開いた。


『俺がこの場に居るという事は何となく察しが付いただろうが、

200年振りに緊急の事態が起こった。

彼女…天族をこの学園で匿う事にした。』






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