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第38話 2025年 8月 収穫

 8月も終わりに近づきましたが、暑い日が続いています。東京で「猛暑日の連続記録を更新した~」とか「猛暑日の最多記録を更新した~」とか、聞くだけでだるくなるようなニュースも報道されていました。


 その上、ここ南関東では、空梅雨からつゆのまま梅雨明けしたため、そこら中カサカサです。夕立すらほとんどないため、日々の散水が欠かせません。元々砂浜の植物のせいか、クラピアだけは元気ですが、刈り込みをする(私の)気力が出てきません。


 助かるのは、この暑さの中、まともに草抜きをしなくても済んでいることぐらいです。まさか、雑草すらまともに成育できないとは(笑)


 こんな状況ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?



 さて、前回はラストで「次回は色々収穫できるかも!?」なんて趣旨のことを書きましたが、その結果をお知らせします。


①フェイジョア

挿絵(By みてみん)




 今年の結実はゼロでした(ノД`)


 あまり開花しなかった去年も1つ結実していましたし、今年は去年より開花数は多かったので、期待していたのですが……。


 開花期に、隣家の敷地内にはみ出した枝を剪定したのがマズかったのか? それとも、垣根に使っているので、樹間が混みすぎているせいか?


 いずれにしても、ちょっと対策を考える必要がありそうです。





なつめ

挿絵(By みてみん)


 4月に庭に定植した棗の木。今年もたくさん開花し、ポツポツと小さな実ができはじめ、今年も収穫が期待できる。そう思っていました……。


 今年の結実は2個(●●)(ノД`)


 昨年は、まともな果実でも10個以上、カメムシ(?)にやられて変形したのを含めると30個以上は食べることが出来たのに!



 原因は水不足と、害虫です。棗自体は乾燥地帯の植物ですので、比較的乾燥には強いはずなのですが、鉢植えから地植えに変えたばかりのうちの木に、今年の暑さと乾燥具合は幾分きつかったようです。


 さらに、雨が降らないことでハダニが発生、その上、変形した実が赤くなってきたのでもいだら、中から青虫が出てきたのです(※調べてみたら、ナツメコナガの幼虫らしい)。


 ガイドブックに『目立った害虫は付かない』って書いてあったのに!



 そんなわけで、現在は酢酸系統の殺虫剤をかけて様子見中です。




③ポポー

挿絵(By みてみん)



 前回「10個以上結実してる」と書きましたが、結果は……。



 合計22個収穫できました!

挿絵(By みてみん)

※一部です。


 ただ、私には「ポポーって、9月頃に収穫する果物だ」っていう認識がありまして。


 ですから、「大きくなってきたな~」なんて、毎日様子を見つつ、収穫期を待ってたんです。そしたら、8月某日、朝、水撒きをしようと庭に出てみると……。

挿絵(By みてみん)


 お、落ちとるやんけ!

挿絵(By みてみん)


 昨日の夕方までは、確かに木についていました。どうやら、夜の間に落果したようです。

 幸い下にはグランドカバーの芝桜が植えてありましたので、クッションになったのか、実の方に目立った傷は付いていませんでした。


 虫も付いていませんし、贈答用でも販売用でもありませんから、土や細かい埃を洗い流し、冷蔵庫で冷やしてから食べてみることにします。



 うん、甘い!


 ただ、種の周りをこそぐように食べると、なんか渋みがあって、後味がイマイチでした。


 家には『ウィルソン』と『NC-1』という2種類が植えてあるのですが、今回拾ってきたのは『ウィルソン』の実です。記憶では『NC-1』の方が味に関しては好意的な記述がなされていたように覚えています。もしかして、この後味の悪さは品種のせいでしょうか?


 ネットで調べてみると(遅い!)、『落果したものは完熟しているので甘いが、独特の“えぐみ”が出る。一番美味しいのは黄色く色づき始めた落果直前の果実を、木からもいで、冷蔵庫で追熟させたものだ』と書いてあるではありませんか!


 慌てて庭に戻って、よく見ると、残った果実のうち1/3ぐらいは、既に薄黄色く色づいています。


 慌てて木からもいで、冷蔵庫に入れて……。




 うん、旨い!


 種の周りの“えぐみ”が無くなったわけではありませんが、落果したものと比べると、そのあたいは段違いです。



 なお、ネットで調べたオススメの食べ方の中に、『アイスクリームと一緒に』というものがあります。


 実は、以前にネットで実を購入した際に試したことがあるのですが、正直なところ『アイスクリームの嵩増かさましをしている』だけにしか感じませんでした。


 確かにポポーには甘みが補われますが、それはアイスクリームから持ってきただけです。「『お腹を壊さずにアイスクリームをたくさん食べる裏技』的なものか……」当時はこう考えて納得したものです。



 今回、完熟ポポーを口にして、初めてその意味が分かりました。


 完熟ポポーの甘さは、アイスクリームの足を引っ張らないだけのレベルですし、アイスクリームによって落果ポポーのえぐみを中和することができます。オススメされるのも納得です。



 ただ、残念なことに、今回、木で完熟させたポポーに出会える可能性は非常に低いことも分かりました。


 最初に落果しているのを見つけてから、実が全て色づき、収穫を終えるまでにかかった日数はたったの5日間。しかも、毎日様子を見ていたにも関わらず、この5日の間に全部で8個(※写真の4個を含む)落果されてしまいました。


 落果しても食べられはするのですが、前述のとおり“えぐみ”が出ますし、皮も色ツヤが悪くなり、ハリも落ちてしまいますので、売り物にするには厳しいです。


 青いうちに収穫して冷蔵庫で追熟させることも可能なようですが、そうすると、木で完熟させたものに比べて甘味が落ちるようです。


 しかも、冷蔵庫に入れておくと皮が黒ずんでしまい、見た目は最悪です。



 育てやすく、樹木は必要以上に大きくならず、実はかなりの甘さがあり、その上、虫も付かない。


 明治時代に渡来し、このような利点があったにもかかわらず、現在に至るまで要果樹になっていない。その理由を、今年身をもって体験することが出来ました。



 本作を読んでポポーが気になったという方、ポポーは市場にはまず出回りませんし、直売所等で購入できたとしても、そのポテンシャルを100%味わえるかは、甚だ疑問です。


 ベランダでも良いので、スペースがあるようなら、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。ほとんど虫も付かないですし、果樹としては小さめです(※大きめの鉢でも栽培できるようです)。南国の植物に見えて、原産地は北米ですから、栽培難易度は低いと思います。



 さて、せっかくですから、オススメの食べ方をば。

挿絵(By みてみん)


 1 ヘタの周りの皮をきます。

挿絵(By みてみん)


 2 そこにスプーンを突っ込んでほじくります。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 以上!(笑)



 キウイフルーツみたいに半分に割っても良いのですが、ポポーは収穫の際、完熟していればしているほどヘタの部分が木に残ってしまいます。それに、存在感があって堅い種が大量にありますので、思ったところに包丁が入るか外見からは分からないんです。


 幸い、果肉はキウイより随分柔らかいので、普通のスプーンでも難なく掘れます。


 もし、食べる機会に巡り会いましたら、『森のカスタード』の異名を持つ、その果肉を、存分に堪能していただければと思います。


ごちそうさまでした。

挿絵(By みてみん)







※今回、全部で11枚写真を付けてますが、9枚目以降は、一度目では表示されないかもしれません。果肉にスプーンを突っ込んでる写真が表示されていない場合、一度ブラウザバックしてから戻ってきてください。そうすれば、全部表示されるはずです。


 さて、3年半にわたり連載を続けてきた『その後の庭づくり』ですが、これをもちまして一旦『完結』といたします。


 本作は、『庭づくり』と称しながら、ここ1~2年は、ほぼ『季節の花便り』になっていました。前回、前々回のように、植樹をしたり用具を買ったりした際は問題無いのですが、碌に世話もしていない花が咲いたことを報告する(※わが家の庭は世話をしなくても毎年生えてくる植物を中心に植えてあります)のは、どう考えても『庭づくり』ではないなと思いまして……。


 何か工事とかする時まで『連載中』のまま放置しておくことも考えたのですが、それも意図的にエタらせているようで、私の心情的に何か嫌でした。


 今後、急に思い立って連載を再開するかもしれませんし、『庭の歳時記』とかのタイトルで新連載を始めるかもしれません。いずれにしても、しばらくのお別れです。


 ではまた!

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― 新着の感想 ―
完結お疲れ様です。 フェイジョアと棗は残念でしたね。果実というとほとんどが鳥などの野生生物にやられるイメージだったのですが、それでなくても安定して収穫するのは大変なんですね。お店に並んでいることのあり…
更新&完結?お疲れ様です。 ポポー、想像以上の大量結実だったんですね。やはり亜熱帯系の植物は暑い方が元気なんでしょうか? 棗は案外虫が付きます。なので、当方は写真にあった色ぐらいで収穫→蒸し上げる→…
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