第22話 2023年 6月 築山のグランドカバーを更新しました
そこそこ雨が降って、『梅雨真っ盛り』なはずなんですけど、なんか今年は梅雨っぽくない感じがします。滅茶苦茶な勢いで降ったかと思えば、結構晴れる日も多いですし。
『梅雨』って言ったら、ずっとしとしと降ってるってイメージなんですが、これも温暖化の影響ですかね。関東は夏至の日にめっちゃ晴れてましたし。
そんなこんなですが、皆様は、いかがおすごしでしょうか。
1 築山に植栽をしました。
以前書きましたが、いろいろあって植栽がなくなってしまった築山に、新たにグランドカバーを植えました(遅い)。
この築山の植栽は、今までに相当の紆余曲折を辿っております。最初は元々植えてあったクラピアで覆う予定でした。
植えた当初
※上の黄緑の植物は、土留め用に植えたリュウノヒゲの一種のカグヤリュウ
しかし、この場所、隣家の建物との間隔が狭いため、日にあたる時間が短い。そうするとクラピアの特性上どうしても徒長してしまうため、すこぶる見映えが悪い。
しかたなく、日陰でも大丈夫そうなディコンドラ(60株+α:3,980円)を購入しました。そしてディコンドラだけでは覆いきれなそうでしたので、当時、匍匐茎を伸ばして増えまくっていたアジュガを株分けして植えてみました。
ディコンドラを植えてしばらく経ったころ
※中央に3株ある黄緑の植物は、フウチソウ
で、しばらく様子を見ていたんです。すると、ディコンドラがワサワサと周囲をのみ込んでいくようになりました。最初はアジュガも旺盛に繁茂していたんですが、アジュガは基本、春にしかランナーを伸ばしません。気付けば完全に負けて飲まれていきました。これで済めば、「そんなもんかな?」で終わったかもしれません。しかし、このディコンドラ、園路やコンクリ―上など、あらゆる所に拡大を始めました。さらに、こいつ、意外と葉と葉の隙間が大きく、雑草抑制効果もイマイチだということがわかりました。ですから、庭がのみ込まれる前にと、剥がしてしまうことにしました。
ディコンドラを剥がしているところ
『剥がす』というと、ちょっと奇異な表現に思われるかもしれませんが。ディコンドラは、既に『抜く』というより『剥がす』といった方が適切なレベルにまで成長していたのです。土が軟らかかったので、2時間程度(!)ですぐに剥がせましたが、硬い土の所に植えていたらと思うとゾッとします。
しかも、こいつら切れ端から再生する能力を持っていますので、半年以上経った今でも、時々新芽を出しています。これから植えようと思う方は、十分にお気を付けて!
ディコンドラを剥がした後に植えたのはアジュガでした。アジュガなら既に築山の半分を覆っていたという実績があります。広がりやすいですし、増えすぎた時に抜くのも簡単、花も葉も綺麗だし、お値段もそれほど張るわけではありません。ディコンドラを処分した秋、アジュガ(56株:8,120円)を新たに購入し、株分け分と併せて築山を覆うことにしました。
ところが、どうしたことか、アジュガの勢いが全く強くなりません。しかし、春になると伸びるのがアジュガの特性ですので、「春になったら広がるんだろう!」と高をくくっていたところ、春になり花を咲かせ、そして、ほとんどが溶けるように消えていきました。
この『アジュガがいきなり消える』という現象。植栽ガイドなんかには全く書かれていないんですが、実家の母や近所の親戚も経験済みだそうで、界隈ではよくある現象らしいです。
本やネットには『病気に強い』とか『めだった害虫がいない』とか『日陰でも平気』とか良いことがたくさん書いてあります。が、実態は、原因不明のまま、いきなり消えます。花も葉も綺麗なんですが、庭のメインに据えるにはリスキーな植物だと思います。
わが家の庭での実績もあり、期待していただけに、アジュガはショックでした。そのため、次の植物の選定には、慎重というか臆病になっていました。
そんな私がまず考えたのはタマリュウの仲間です。日陰でも日なたでも育ち、乾燥気味でも湿潤気味でも平気。背丈は5cmぐらいで、刈り込みしなくても必要以上に大きくならないし、めだった病害虫もない。条件としては最高です。ただ、こいつら成長が遅い。ですから、山全体を覆うにはざっと300株ぐらいは要りそうです。流石に¥30,000超は、ちょっと躊躇してしまいます。
また、前話を読んでくださった相互さんから、タピアン、セダム、ヒメツルソバはどうかと、御紹介いただきました。これらのうち、セダム、ヒメツルソバは既に別の場所に植栽した経験がありました。
セダムは8種類ぐらい植えてみたのですが、品種によって特性が違うようで、気に入っていた品種は、現状では消えるか細々と生き残る程度で、あんまり気に入っていなかった1つの品種だけが、勢いを保っている感じです。
また、日本自生のセダム、マンネングサは、雑草みたいな物で、庭のあちこちに勝手に生えてきます。見栄えも良いので抜かずに保護しているのですが、直径15cmぐらいのコロニーを作ることはあっても、それらが合体して広くグランドカバーするという感じではなく、生えたり消えたりを繰り返している状態です。山全体を覆ったうえで、ある程度の期間その状態を保てるかというと不安です。
また、ヒメツルソバは日陰でも元気で、被覆速度も速く、虫も付きませんでした。しかし、思った以上に高く立ち上がるのと、種を飛ばしてそこいら中から芽を出すので、一度植えてみたものの、全て抜いてしまったという過去があります。
唯一試したことのないのがタピアンです。こちらはサントリーが開発した植物で、地面を覆うスピードが速く綺麗な花も咲くことから、ホームセンターなどでは、イチオシのグランドカバーにしていることも多いようです。
私も惹かれたんですが、ネットで調べてみると『日陰では徒長する』『連作障害がありそう』という記述があり、そこが引っかかりました。
クラピアを剥がした理由が『日陰で徒長したこと』なんです。また、グランドカバーとして育てるからには、連作障害が発生してしまっては、最初から次に更新する植物を意識しておかねばなりません。
失敗続きの私としては、これら、細々(こまごま)とした欠点が目に付いてしまって、なかなか決定に踏み切れず、ダラダラと毎日を過ごすことになりました。
ところが、そんなことを言っていられない事態が発生しました。
台風2号の襲来です。
この台風は、各地に大雨の被害をもたらしたのは記憶に新しいところでしょう。わが街にも小規模ながら線状降水帯が発生し、道路の冠水被害が発生しました。
そんな大雨でしたので、久しぶりに庭の遊水池が活躍することとなりました。
大雨が降ると、普段は枯山水状態の庭が、透き通った池になる様は、なかなか風情があるものです。雨が一度治まった夕方、大雨の日だけ見られる庭の景色を堪能しようと、雨戸を開けた私は、予想外の光景に絶句しました。
メインの遊水池が泥沼のようになっていたのです。
裏庭のサブ遊水池は、いつもの澄んだ水でしたので、原因が、土がむき出しの、例の築山であることは一目瞭然でした。
流れ込んだ土で埋まった化粧砂利
突発的な豪雨ならまだしも、今は梅雨。このまま放置しておいては、砂利が敷いてあるところにどんどん土が流れ込み、見映えが悪くなるばかりか、後々は雑草の温床になってしまうことは明白です。可及的速やかに、築山のグランドカバーを済ませなければならない。私は決断を迫られることになりました。
条件は、日陰で大丈夫、立ち上がらない、乾燥に強い、湿り気も平気、被覆速度が速い、病害虫に強いetc……。
なかなかの無理ゲーです(笑)。でも、仕方がないので考えました。
頑張って考えた結果、1種類で対応するのは難しいと判断。山の上の方の水はけが良いところはクリーピングタイムを、山の下のエアコンの排水が流れ込んだり、雨が振ると水没したりする部分にはサギゴケを植えることにしました。
これらなら、それなりにリーズナブルに購入できます。また、既に庭での実績もありますので、いきなり枯れることはないでしょう。
と、いうことで、クリーピングタイム(計120株+α:7,760円)、サギゴケ(56株:8,700円)をネットで購入、翌週の土曜日に2時間かけて植え付けたのでした。
現在の築山。
2週間ほど経った現時点で、既にサギゴケはそれなりに広がり始めていますし、クリーピングタイムも根付いた感じです。これまでの経緯もありますので経過観察は必要ですが、今度こそ、しっかり育ってほしいものです。コントロールできる程度に(笑)
2 ご新規(花)
フェイジョア(フトモモ科)
2年ぶりにフェイジョアの花が咲きました。このフェイジョア、中南米原産の果樹です。実がなかなか美味らしいのですが、まだ食べたことがありません。その代わり、花は食べました。そう、この綺麗な花、なんと生食できるんです。しかも、『食べられる』レベルではありません。花びらの部分が甘酸っぱくて、めっちゃ美味しく、『食べたい』レベルの食品(?)なんです。
『花』なんで、残念(?)なことに、全く食いではありません。が、人工授粉をするために毟った花は、余すことなく私が美味しくいただいております(笑)。
一昨年咲いた時には、人工授粉に失敗して、花を一輪食っただけでしたので、今年こそは実を食べたいものです。
エキナセア(キク科)
エキナセアも咲きました。ご覧の通り、いっぱい咲いてます。中心部が盛り上がってるのもあり、そろそろ切り戻しが必要です。花期は11月ぐらいまでと、非常に長いので、今から楽しみです。
それでは、また来月お目にかかりましょう!(本当か?)
おまけ:クリスマスローズ。今年もまだ残ってます(笑)




