幕開け
令和元年、新しい時代の始まり。
それにともないこの世界では世代交代が行われる。
何の世代交代か、それは三大神のである。
この世界では空、地、海の神がいる。
それぞれの神は6人の使いをそれぞれ従えている。
6人の使いはそれぞれが特別な力を持つ。
使いはとても大きな力を持つが、三大神はより大きな力を持つ。
地の神は大地を司り、海の神は七海を司る。
そして空の神は大空を司る。
その中でも空の神は特別な力を持つとされている。
ここまではこの世界では初等部の教科書に書いてあるのでみんなが当たり前のように知っている。
でもその神たちが一般人の中から選ばれるというのが驚きである。
だが自分には関係のないことだ、誰もがそう思っているだろう。
あの時までは、俺もそう思っていた。
そう、あのことを知るまでは。
矢野春翔、18歳。
高校を卒業して絵の専門学校に入学して早三ヶ月がたとうとしている。毎日課題に追われて大変だが、友達もできて充実した毎日を送っていた。時代が変わり世代交代が話題になっている今日だが、誰が神に選ばれたのかというのは本人にしか分からない。神に選ばれた者は本人とその使い以外分からないようになっている。神や使いに選ばれたとしても当の本人達は今までと変わらない生活を送れるのだ。何百年かに一度、大きな災いが起きると言われていてその時に世界を守るため戦う、というのが神と使いの使命である。その為災いが起きない限り彼らは一般人と変わらない生活を送れるのだ。だからもしかしたら、目の前の友達が神だったり使いだったりしてもおかしくないのだが、まぁこいつはあり得ないだろうと俺は思う。学校に入学して初めて話した時から意気投合して仲良くなった、米内英二。お調子者で男女関係なく仲良くなれる社交的なやつで生徒会長をしている。人望のあるやつだが、世界がどうのとかそういった話は無縁であろうと思う。