007 大魔導士に見つかった
「ワイはタイシや。これでも大魔導士なんやで。ヨロシクな」
ギルドに言われてた上の人との面会に来たら、大魔導士が現れた。
どうも、初めまして、サトルです。精霊使いです。大魔導士って何ですか?
「ん、ただの魔法使いや賢者よりも強そうやろ?」
あ、はい。自称ですか。強そうですね。
「実際、強いで。この国一の、いや世界一の大魔導士や」
そんな人が、一介の異世界人を面接するために、わざわざ出向いてくるなんて凄いな。そっちはドンと構えて、冒険者を呼び出せばいいんじゃないの?
「異世界人は癖が強いからなぁ。しかも戦闘力がS級と来たら、最初の接触は慎重にワイが自ら会いに行った方がええやろ。サトルは話が通じそうやな。ほな、精霊使いについて色々聞かせてもらおか」
らじゃ。こっちも魔法について色々教えてもらおうかな。とりあえず、精霊を見てもらうのが早いかな、メイお願い。
「出まして来ましてメイちゃんなの。すべてを燃やし尽くしてくれようなの」
「うぉっ、凄いな実体化? 人の姿になれんやな。いや、何か耳が違うしこれが精霊か」
すみません、それただのロボ耳のコスプレです。
「とりあえず、例の巨神とやらも見てみたいし、裏の訓練所行こうか」
訓練所に移動し、とりあえずガイアを呼ぶか。俺はメダルを地面に放り出して叫んだ。
「来い! 破壊の巨神、ガイアカイザー!」
メダルを中心に謎の魔法陣が浮かび上がり、そこから巨神が姿を現した。
「おおお!めちゃかっこいいやん。ええなあ。今の魔法陣なんなん?」
すみません、適当です。意味なんてありません。
「そんな適当でも動けるとは、精霊は凄いな。メイちゃんも何もない所から突然出てきたように見えたし、実体化する自由度は相当高いみたいやな」
そうですね、イメージ次第で大体なんにでもなれますね。
「その辺は魔法と一緒やな」
魔法についてはまだ良く分かってないんですが、一緒なんですか?
「せやな。魔法もイメージ次第で何でもできるな。魔力を万能のエネルギー源として、イメージで魔法を実現するって感じやな。精霊自体が桁違いな魔力を持っていて、そのエネルギーを使って、色んなことをしてるように見えるわ」
イメージ次第で何でもできるなら、麻痺とか睡眠とか状態異常にさせることもできますか?
「なんや麻痺とか睡眠とか犯罪臭いけど大丈夫か? 暴徒鎮圧? ならええか。できなくはないけど、練習せんで使うと加減ができんから危険やで。どうしても得意分野や苦手分野もあるし、うまくイメージできなかったらやめといた方がええ」
その他にも魔法について色々と聞けてラッキーだった。流石は国一番の大魔導士、魔法に詳しいし参考になったわ。
今度は精霊について、力を使ってるところも見たいと言われたので、メイに火球を出してもらうことにした。
「大きい火球でろーなの!」
直径三メートルぐらいの、人を丸ごと飲み込めそうな火球が出現した。
「ふむ、魔力量は凄いが密度が薄いな、それは大きさを変えたり、威力を変えたりはできるのか?」
言われて、大きさを自在に変えたり、もっと強い種類の炎に切り替えて見せるメイ。
「魔力操作に無駄が大きいな、同じ魔力量でも圧縮したり工夫次第で威力は変えれんで」
そう言って、メイの火球よりも少ない魔力量で作った火球を、小さく圧縮して見せ、さらには捻りを加えて凄い勢いで打ち出して、メイの火球を貫通させて見せた。
「ワイより確実に魔力量が多いようやし、鍛えればワイより強くなれるで」
「むー、細かい魔力操作は苦手なの。ご主人様手伝ってなの」
んー、魔力操作ってこんな感じか? そう言って俺は自分の魔力で作り出した手のひらサイズの火球を、圧縮して小さくしたり、細い針のように形状変化させたりして見せた。
「はあ?! サトルは魔力量は普通のくせに、魔力操作はごっつうまいな!」
だてに12000年修行はしていないのだよ。自分の魔力が増えない俺は、少ない魔力で色々工夫をしたもんだ。それでもあまりにも魔力が少なかったので、精霊の魔力を借りて練習するようになったのだ。メイこっちに来い。
「メイの魔力を使ってなの、ご主人様♪」
メイの火球を平ぺったい円盤状にして回転を加えて投げてみた。『気炎斬』
「うお! あぶな!」
そういって、とっさに相殺してきた。やっぱこの大魔導士強いな。
「はあー。なるほどな、これが精霊使いか。バカみたいな魔力量を持つ精霊を、チートじみた魔力操作ができるサトルが扱うんやな。あかん、これに勝つのは厳しいわ」
世界一の大魔導士に認めて貰えたなら、戦闘面では安心できるかな?
「少なくとも、隣国や魔族相手には心配はいらんやろ。十年前の魔族の侵略も、ワイが無双できる程度の相手しかおらんかったしな」
何か、最近は魔物の中にも転生者が現れるようになって、凄い強い魔物とかが生まれてるらしいっすよ。あと、魔族の転生者が頑張って主戦派を抑え込もうとしてるらしいです。
「何それ、詳しく教えてーな。ワイはこの国の王様とマブダチやし、魔族の情報はきっちり伝えとくで」
おお、これでマオの革命がうまく行ったら、和平交渉も夢じゃないかな? マオの話を詳しく伝えておこう。
さて、マオの話は一通り伝えれたかな。それにしても、王様とマブダチとか良い身分だな。やっぱ、魔法の力が強かったから?
「ワイはこの国の一般家庭に転生してな、ひたすら魔法の修行をしてたおかげ、というのはあるな」
やっぱり転生者だったんだ。
「ん、言ってなかったか、スマンスマン。異世界転生テンプレの勝ち組を想像してもらえれば、大体そんな感じだと思うわ」
魔法チートを持って転生して、ちょっとした事件でお姫様を助けて恋仲になり、国の危機の魔族の侵攻をしりぞける大活躍した功績で姫との結婚を認めてもらい(国に抱き込まれてね?)、魔道具の研究で生活の向上にも貢献していると。確かにすげー勝ち組だなー。いいなー。
「おう、だからワイのカミさんは元お姫様で、現国王の妹やな。現国王は王様になる前から遊んでた仲やし、ワイはこの国のために働くつもりや。その内、魔族は滅ぼしに行ったろうかと思ってたんやが、魔族側で改革される可能性があるなら、もうちっと様子見しといたるかな」
そうしてくれ。ちなみに今日来た目的は済んだのか? そもそも魔法研究って何やってるんだ?
「精霊について色々参考になったで。研究は、主に暮らしに役立つ魔道具の開発やな。精霊に手伝ってもらえたら色々便利そうやけど、魔道具として普及させるのはシンドイと思ったわ」
精霊は大量生産品には向かないかな。でも、一点物のオーダー品なら、長年使い続けた道具には精霊が宿る的な話は何かに使えるかもしれないな。
「なるほど、持ち主の愛用品や、先祖代々使っている道具とかがパワーアップする可能性はあるんやな」
多分精霊は、『命名』することで生まれ易くなって、共に過ごして仲良くなって、『長い時間を生きる』ことで力を増すんだと思う。
「ふむふむ、今後はその辺りのことも研究する価値があるかもやな。ちなみに参考に聞いときたいんやけどメイちゃんは何歳なの?」
「レディに歳を聞くのはマナー違反なの」
大体12000歳ぐらいですね。(暴露)
「いやー、ご主人様恥ずかしいの、それでも一万年と二千年前から愛してるなの!」
「……は? 12000歳? えっ? マジで?」
タイシさんは固まってた。生まれて一年ぐらいの精霊は力は弱いけど研究頑張ってくださいねっ!




