主人公、叩き折ったかと思ったフラグが自然修復されていることに畏怖の念を抱く
「ですか今日から我が校の生徒となるみなさんには……」
時は流れて入学式。
成る可く目立たないような行動を心掛け、平穏に校長先生の挨拶を終えることができそうである。
感無量だ。
道中工事中の箇所が数十箇所あったり上から花瓶が落ちてきたり少女がストリートファイトに勤しんでいたりしたが、それら全てを命懸けで回避して遂にここまでありつけた。
ある意味既に奇跡である。
というか逆に心が折れそうだ。
「次は、新入生挨拶です。
新入生代表、1年A組玉野蔵波さん」
そう呼ばれた生徒が壇上に上がる。
整った顔立ちの男子生徒で、腕には俺が嵌めている物と同じ物が嵌っていた。
……あいつも苦労してんのかねぇ。
俺は同情したように目を細めて彼を見る。
「やべっ」
目なんて合った瞬間にフラグ建設が完了されてしまうので俺は慌てて目を離した。
その後数分ビクビクと震えていたものの、入学式は滞りなく進んで各自のクラスへ移動する時間となった。
担任に連れられて、ぞろぞろと俺のクラス、7組の生徒達はこれから自分達の居場所となる教室へ向かう。
今更ではあるがこの学校の名前は、県立只野高校。
クラスは全部で1から10組まであり、特徴としてはその校則の緩さにある。
授業と授業の合間の外出が許されている。
標準服は着用必須ではあるもののいくら着崩していても文句は言われない。
など、自由な校風が評判を集めている。
とまぁこんなことを考えている内に教室に着いたようだ。
がらがらと扉を開けて担任がそれぞれの席へ座るように指示を出し、クラスの皆が座っていくのに続いて俺も自分の席に着席した。
緊張のファーストコンタクト。
それぞれ隣の人や後ろの席の人などに声をかけて自分がぼっちにならないように必死だ。
全く、俺はそんなこと気にしている場合じゃないというのに……
「あの、よろしくね?
私、米高 美涼って言うんだ」
女子に話しかけろや……
俺は自分に話しかけてきた《今朝投げ飛ばした少女》に向かって内心で悪態をついた。
あ、ども育深です……
こんな酔った勢いで書き連ねた駄文を読んでくださって本当に感謝してます。
ありがとうございます。
……ポイント評価とかってここでせがむの別に感じ悪いとかないですよね。
いやまああれですよ、せがんでませんよ?
そんなね、こと私がするわけね、あるんですよ。
あるんです、はい。
はい(目力