9月1日 閃光
──なんか面白いことあった? 【日記の書き手】
9月1日
そこそこ涼しい。このまま秋に入るのだろうか。
研究室への到着はいつもと同じくらい。すでにあらかたの作業は終わり、あとは大海先生からの返却を待つだけ。ぶっちゃけると暇。これだけ暇なのもいつ振りだろうか。
もちろん、パワポのスライドを作らなきゃいけないけれど、そんな気分にもならず。めちゃくちゃダラダラしつつ、スマホでリト●ノアをしながら時間をつぶした。
意外なことに、割と早い時間に羽鳥、八柳、石垣らがやってきた。なんでも研究室旅行代を払いに来たらしい。金を払い終わった後はやることがなくなったのか、めっちゃぐうたらしながらスマホをいじっていた。で、そのまま昼前には帰って行った。
さて、ぼちぼち日記を書いたりしていたところ、突然視界の端に強烈な閃光を感じた。ピカッとかチカッとかそんなレベルじゃなくて、目の前が真っ白になるくらいの奴。
カメラのフラッシュか──と思った次の瞬間、轟音を超えた爆発音が体を揺さぶる。最近はやりの工場爆発か、それとも飛行機が墜落したか、いやいや空襲が始まったかしらん、と錯覚するレベル。
さすがにみんな驚きの声を上げる。いや、冗談抜きにすさまじい爆発音で、うまく言葉で形容ができない。空気が震え、地響きも聞こえるっていうおまけつき。耳がジンジンした。
信じがたいことに雷が落ちたらしかった。黒雲もなかったし、雨も決して強くはなかったというのに。
雷鳴すら聞こえず、前兆の一切がなかったのだ。空が光っている所を見ていなかったら、到底雷だとは信じられなかっただろう。その空だって、稲光(いつものジグザグの線)が見えなかったというから驚きである。
しかも、その一発が落ちた後はまるで何事もなかったように先ほどの状態に戻るというわけ分からん事態に。事後もその気配を残さないとかいったいどうなっているのか。大雨とかが降っていればまだわかるけど、本当に前触れなく突然落ちて、ぴたりとその気配を消したっていうね。
明らかに自然現象の範疇を超えている。ここまで不自然な雷をいまだかつて見たことがない。いや、雷と形容しているものの、本当に雷であった証拠などどこにもないのだ。
実はひそかに能力者同士が戦っていたんじゃないかと思っている。八百万の神がいるんだから能力者の一人や二人いてもいいだろう。いずれ、超常的な何かだろうと信じている。
さて、お昼近くに大海先生がやってきた……ものの、『先にご飯にしてからでいい?』というのでそういうことに。昼食のパンをもしゃもしゃと食し、ひたすら無心で時間をつぶす。
が、1400を過ぎても大海先生はランチから戻られない。フランス料理のフルコースでも食べていたのだろうか。
さすがに暇すぎたのでトランプタワーを作る。久しぶりすぎて腕が鈍っており、指先がアル中みたいに震えていた。耄碌したものだと思う。昔は五分で作れていたのに、倍……とまでは言わないものの、それなりの時間がかかってしまった。
また、真島さんが札束を持っていたのでちょっとリッチ&ゴージャスな写真を撮ってもらった。トランプタワーと合わせてふぉとらいぶらりにぶち込んでおいたので、気になったら参照しておくこと。
そうそう、石垣が遺していったピザポテトを南郷さんらと食した。あんまり食べたことなかったけどなかなかデリシャス。ちょっと喉が渇くのが難点と言えば難点だけど、おやつとしては最高。
1500くらいになってようやく大海先生からの呼び出しが。いろいろダメ出しがあったものの、概ね問題なし。文章表現をいくらか変え、うまく答えられなかった質問を衣笠先生に聞く。マニュアル通りに作業をしていた弊害がここで響いてきた。まぁしょうがないよね。
その後、手直しを加えた概要集と抄録を整え、学会のサイトにアップロードする。相変わらずクソわかりづらく、JST申し込み番号の記入が必要だと書かれていたのに、実際はJST(申し込み番号)となっていた。
なんで読む人のことを考えないのだろうか。普通記入例とか作らない? しかも、申し込み番号って受付番号のことだったし。表記を統一してほしいものだ。
とはいえ、これでようやく最初のヤマを越えることができた。肩の荷が一気に軽くなる。ここまで来るのにどれだけ苦労したことか。そして、最後の夏休みが泡となったことに心の中で涙する。
ざっくりしているがこんなもんだろう。久しぶりに書いたからかいつも以上に文章がぐちゃぐちゃだ。青松は明日が院入試らしい。うまくいくことを心から祈る。




