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8月26日 ボロボロシャワー

8月26日


 ビックリするほど涼しい。ファッションの選択肢に長袖が候補に挙がったといえば、この気持ちを正確にわかってもらえるだろう。人によっては寒いとすらいえるようなかんじだ。ついでに雨風が強い。


 研究室への到着はいつもより一時間ほど遅かった。雨が降って混雑していたってのと、単純にお泊りするからあえて遅く出たってのもある。意外なことにすでに真島さんがいて、研究室にエアコンをつけておいてくれていた。


 午前中は概要集について進めていく。異なる締付トルクの順解析結果についてまとめていけばオシマイ……と思っていたんだけど、衣笠先生のアドバイスにより実験結果と考察の部分を大幅に改定することに。


 なんでも、この程度の概要集なら同じデータを用いた図をあえて二度も使う必要はないらしい。無駄なものは極力省いた方がスマートだとのこと。


 そんなわけで指示通りに削りつつ肉をつけつつやっていったんだけど、二枚と四分の三ほど埋めたところで行き詰る。どうしようかと悩んでいたら、『だったら二枚にまとめなさい』と天の声が。


 そこからはもう、ひたすらに無駄なところを削いでいく。途中、逆解析についての記述の所でなんかアヤシイ部分を見つけてしまった。なんで圧力の算出なのに面積が考慮されていないのだろうか。高木さんのあれ、もしかして間違ってね?


 夕方ごろ、シャワーを浴びに行く。さりげなく初めて。幸い(?)なことに人っ子一人いなく、それなりに解放感にあふれていた。


 が、お世辞にもきれいとは言い難い。ロッカーはボロボロで小さいし、鍵が壊れているのか扉がきちんと閉まらない。どうせ人もいなかったので贅沢に二つも使ってやった。


 まぁ、汚いって言いきれるほどではなかったのは僥倖。これで汚かったらさすがに泣けてくる。


 シャワールームのほうも結構貧相。持ってきたボディソープのボトル等を置く台とかもないし、本当にシャワーがくっついているってだけ。おまけに、お湯を出すにはレバー的なものを押し込まなきゃいけないんだけど、こいつが自動で止まるタイプな上、やたらと止まるまでの時間が短い。十秒も持っていなかったと思う。


 で、悪戦苦闘しながらも体を清めていたら、いきなり電気が消えた。警備の人が消したようで、『もう終わりの時間ですよ』との声が。頭を洗っている途中だったので、ちょっぱやで切り上げた。


 なんでも、休日は1700、平日は2000が終了時間らしい。休日って言っても部活の人とかいるだろうに、なぜあんなにも早い時間で閉めてしまうのか。ホント、この学校の管理課の体制には疑問を覚えざるを得ない。あいつら学生のことなんも考えてないじゃねーか。


 シャワーの後は概要集を進めていく。構成そのものはほぼ完成し、あとは図の差し替えと結論を書くだけまでにもっていけた。考察とかヘボいかもしれないけどもうしったこっちゃない。


 夕飯は青松とともにコンビニで調達。ピリ辛チキンとそぼろご飯弁当をチョイス。ピリ辛というにはパンチが効きすぎているきらいがあったけど、なかなかにデリシャス。が、コンビニ弁当の宿命というべきボソボソしたご飯となよっとしたナポリタンはいただけない。


 特にナポリタンに関しては、量も少ないことだし別のものに差し替えてもいいと思う。ピリ辛チキンで赤味はあったし、色合い的にも問題ないはずだ。無難にポテトサラダあたりを入れておけば、辛味に辛くなったところでマイルドな優しいイモの甘みが効いてきていい感じになると思う。


 夜は図の作成に。もう物理的に入りそうにない感じだったので、上板だけをピックアップしてそこに半ば強引にボルト位置を書き込んだ。製図法をガン無視しているけど、ダメならダメでまた何か指示がくるだろう。少なくとも、記入しないよりかはマシなはずだ。


 なんだかんだで2200前には完成し、衣笠先生にメールで送ることに成功する。青松はその後旅行やら院試やらの準備をして、つい先ほど……2300過ぎに帰って行った。


 そうそう、青松からお土産にもらったというくまもんのクッキーを二枚ももらえて超ハッピー。頭からパックリむしゃむしゃしてやった。あと、コンビニにてショッピング風景を無音カメラで撮られてしまった。まさか気配すら感じさせないとはなかなかやりおる。もっと精進しなくては。


 ほかにもいろいろあった気がするがこんなもんだろう。これから一人で研究室にお泊りだ。おトイレ行くのが超怖い。無事に明日を迎えられることを心から祈る。グッナイ。

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