表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/213

8月25日 戦いの中での成長(日記少しバレかけた)

8月25日


 なんかしらんがすごく涼しい。いい意味で中より外の方が気温が低い。窓を開けたら全力クーラーよりもはるかにグレートな冷風が吹き込んでくる。早すぎる秋の息吹にテンションの向上を隠せない。踊りだしたい気分。


 昨日はほぼ徹夜をしたため、今日は早くに家を出てマイバスで朝食を調達する。開店したばかりだったからかあまりめぼしいものは確認できず、無難にハム卵サンドイッチと焼鮭のおにぎりを食べた。ホントはチキンカツのサンドイッチの気分だったんだけど。


 朝食を済ませた後は昨日発覚したミスの分の遅れを取り戻すためにバリバリ逆解析を進めまくる。自分でも驚いたけれども、なんと、解析の最中に成長し続けるという少年漫画もビックリな展開に。最初の奴は純粋に逆解析だけで一時間くらいかかったのに、最後のワンセットは順解析も逆解析も併せてギリギリ一時間かからなかった。


 『こいつ……まさか戦いながら成長しているのか!?』という例のアレのシチュエーションをこんな形で体験できるとは思わなかった。


 そうそう、今日は珍しく是枝さんが学校に来ていた。なかなか楽しい夏休みをエンジョイしたらしく、いつにもましてテンションが高い。心なし、日焼けの跡が残っているように見えなくもない。先代たちと海とかにいってきたそうな。


 すごく関係ないけど、【検閲済み】科の先代の一人が交通事故で亡くなったらしい。バイク(?)を運転中、曲がりきれずに突っ込んだ自損事故だそうだ。


 最近人が死ぬ報せが多い気がする。地獄の窯の蓋が開きっぱなしになっているのだろうか。


 データはあらかた出し終えたため、午後は概要集……正確には概要集に載せるためのデータをグラフとして処理していく。通常の順解析値と逆解析値とかはそのままできるからいいにしても、例の一部の締付トルクを変えた際のデータをどうまとめるかがなかなか悩みどころ。


 とはいえ、寝ないで文章を考えておいただけに、思っていた以上に負担は少ない。時たま意識を眠りの淵に飛ばしつつ、ぼんやりゆっくり、かつきびきびと作業を進めていった。


 途中、明日のお泊りのために申請書を出しに行くことに。麻生さんと是枝さんに申請書の場所を聞いたら院生の机の引き出しにあるとのこと。すでに播磨さんの名前が代表者として印刷してあったけど、そのまま使っていいらしい。もちろん、衣笠先生の名前が職員欄に記入されているものを使用した。


 さて、衣笠先生と一緒にお泊り届を総務だか管理課だかに提出しに行ったら、受付のあんちゃんが『先生が一緒でないと受理できな……』と言いかける。直後、後ろにいたベテランっぽい人が『その人が衣笠さんだよ!』と鋭い言葉を発した。


 案の定、衣笠先生は学生と間違われてしまった。『職員証もってけばよかった……』ってボヤいていたのが印象的。若いってイイネ!


 ちょっと短めかもしれないけどここまでにしておく。そういえば、この日記をつけていることが衣笠先生にも知られてしまった。『よくそんなに続けられるね!』ってほめてくれた。


 中身見られたらちょっと危ないかもしれない。いや、衣笠先生なら信用できるとは思うけど……ねぇ?


 仮配が来たら適当に言いくるめて日記をつけさせようと思う。後々に役立てば幸いだ。


 果たして、これまでの、そしてこれからの日記を見て、私の本当に言いたいことが、本当の意味で役立てたいことがわかってしまう人は出るのだろうか? 楽しみであり不安でもある。


 わかる人が見たら一発でバレかねないしね。このスリル、ちょっとクセになりそう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ