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8月17日 家族旅行絶望的。我心臓有不快感。叫多数罵声。

8月17日


 最近、妙に心臓付近がゴロゴロする。ちょっとしたことで動悸のようなものが起こり、眩暈……ではないが、ふらっとすることが多い。脈拍もいつもよりいくらか多めのようだ。疲れているのだろうか。


 研究室への到着はいつもと同じくらい。すでに誰か来ていると思ったら業者の人だった。改装工事の人なのか、はたまたエアコンの人なのかはわからなかったものの、窓を開けておいてくれたらしく暑い空気はいくらか抜けていた。


 ところで、あの人たちはいったいどうやってここの鍵を開けたのだろうか。先生方もいなかったところを考えると、一抹の不安を隠せない。


 なお、本日は雨が降っていたため、気温こそいつもより低めであったものの、非常にジメジメムシムシしていたことをここに記しておく。


 午前中は例の要素番号の問題に取り掛かる。いろいろ調べてみた結果、要素そのものは接合面(直交異方性弾性体要素)と違うものの、接合面エリアは同じものを指していることが判明。しかも、要素番号も節点番号も共通のものだった。


 どうやら、meanpressの方は挿入要素のすぐ上の要素の下面について計算しているらしい。もともとのモデルが微妙に違うことと(尤も、番号が共通だった以上さして変わりはないはずだが)、圧力のかけ方の定義がその理由なのだろう。そりゃ番号も違うわけだ。


 さっそく問題が解決したので例の係数について計算してみる。ある程度の分布があるものの、ボルト付近では概ね一定値を取ることが判明した。ボルトから離れるほど値がブレていくのはいつも通り。


 が、これが結果として問題ないのか先生に聞こうとするも、先生がいない。今週は来る的なことを言っていたのに。なんかもう泣きそう。ふぇぇ。


 結局、それ以降の作業がさっぱりだったため(そもそも高木さんでさえこんな作業はしていない。もうどうしろというのだ)、午後は学会の概要集をこさえることにした。テンプレが非常にわかりづらく扱いにくくてキレそうになる。


 とはいえ、大筋はそこまで変わらないので高木さんや先生の論文をベースに肉をつけたり削いだりして形を作った。が、テンプレのワードファイル形式が古すぎたため、数式が挿入できず、図として認識されるという事態に。


 もはや人をバカにしているとしか思えない。数式が認識できないってどういうことだよ。おちょくるのもいい加減にしろや。


 また、あのよくわからん数式の枠と挿入した表の挙動が不安定すぎてイライラを隠せない。何度舌打ちしたのかよく覚えていない。『クソが』とつぶやいたのも下手したら三ケタに入っていただろう。


 そうそう、南郷さんがお昼頃からやってきた。で、『今からここでお昼食べるから、見て見ぬふりしてね』というのでそのときだけ忘れっぽい性格になった。ついでに私もピザパンとウィンナーパンをむしゃむしゃしてやった。やっぱりまるごとソーセージは最高だと思う。


 腹立つことをもう一つ思い出した。あのクソ学会、あんだけ採択通知を出すのが遅れたくせに(驚くべきことに二週間以上も、である)、概要集の締切だけは変更なしだった。


 これもう旅行いくの絶望的じゃね? 春から計画してたんだけど。超久しぶりの家族旅行で、これまた久しぶりに姐者に会う機会だったんだけど。


 しかもこれ、一人でお留守番パターンじゃね? それも、こんな望んでもいない、やらなくてもいい作業のためだけに。


 本当に、私が一体何をしたというのか。神がいるならぶん殴ってやりたい。昔からこうだ。面倒臭いことや尻拭いばっかしてきたし、しかもだいたいが評価されないっていうね。あの時のことは絶対に忘れねえぞクソが。


 よかったことを一つだけ思い出した。学校に来る途中、【検閲済み】の駅前のなだらかな坂道の所できれいで大きなおねーさんが電車に乗ろうと全力疾走していた。何がとは言わないが、上下左右にものすごく荒ぶっていたことをここに記しておく。


 形も感触も見た目でわからせるってマジすごい。僕は改めてそう思った。

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