7月15日 灼熱研究室
7月15日
くどいようだがクソ暑い。この研究室で死人が出るんじゃあないかと思わずにいられない。
到着はいつも通り。すでに来ていた真島さんがエアコンをつけていてくれたものの、外の気温と大して変わらず。二台フル稼働な上扇風機まで回しているのに、入った瞬間にむわっとした空気が襲ってきた。
おかしいと思って左のエアコンを調べてみたら、冷房の設定のはずなのに温風が出ている。もう何も考えたくない。
とりあえず再起動してみたら冷風が出るようになったものの、依然として涼しくはならず。根本的な熱効率がどうしようもないことになっているらしい。
あまりにも暑すぎたため、私以外のすべての人間が退避した。真島さんは図書館に、その他の連中はカーペットルームに。あっちも扉がない都合上そこまで涼しくはならないらしいけど、こっちよりは断然マシだそうだ。
しかしながら、アソシスはあっちにはない。移動したくとも移動できない。クソ暑くてエアコンでうるさい部屋に一人取り残された。
そんな中、こもりんはエアコンをガンガン利かせたまま授業に行きやがった。前を通りかかっただけでひんやりとした空気が流れてくる。中はちょっと肌寒いくらい。
研究費をケチるくせに、こういう根本的なところがなっていない。無駄遣いもいいところだ。あそこの電気代をまともな程度まで抑えれば、年間いくら浮くのだろうか。少なくとも、社会人的な常識としてアレはあり得ない。
暑くてみんなやる気が出ないのか、あの世良さんまでもが漫画を読み始めていた。夏らしくサマーウ●ーズの前日譚。こないだ姐者から引き取って本棚にぶち込んでおいたやつ。
どうでもいいけど、なんでカ●マくんはウサギのアバターを使っているのだろうか。あと、ラブ●シーンのデザインは結構好き。あいつマジかっけぇ。
昼前に研究室対抗運動大会の件で集まる。種目、当日のスケジュールなどを決定した。かなり大幅な前進に少しだけ肩の荷が下りる。試合そのものの細かいルールはイザヨイに丸投げしたので進捗をちょくちょく確認しておくこと。
日付に関しては再検討となった。問題だったこもりんがどのみち参加できないということが分かったので、だったら会議のない日にやったほうがいいんじゃねってことになった。
あと、打ち上げの予算や景品については城木先生と相談することに。とりあえず、全体の参加人数をはっきりさせれば食堂に関してはクリアになるから、その辺を頭に入れておこう。景品については城木先生の懐次第だ。
研究は全然はかどらず。暑すぎて根本的なやる気が出ない。とりあえず【検閲済み】を一切考慮しない一体化型で厚さを変えたものの順解析を行い固有振動数を出しておいた。
正直厚さとか曲率とかやっても対して意味がないと思うんだけど、ちょうどいい時間つぶしにはなったと思う。中間報告会のスライドを作る気にはなれなかったし。学会もわけわかめだし。
おやつの時間くらいに日付の件についてこもりんのもとへ行く。サーボパルサーについて聞きたい柳下も同様。
ある意味予想通りわけのわからない話に脱線しまくり、『大きな会社の人間は石橋を叩いて叩いて叩きまくって結局石橋を渡らないことがあるんだよなぁ』とか言い出した。一日一回は自分の名言(笑)を言わないと気が済まないのだろうか。
まさか日付の確認だけで三十分近くも時間を取られるとは思わなかった。
その後、順解析結果を報告しろと言われたので報告……したかったんだけど、絶妙なタイミングで島●製作所の人がやってきた。件のサーボパルサーの調査に来たらしいんだけど、営業職なのか結局原因不明のまま終わり。来る意味なかったんじゃね?
で、それが終わった後に解析結果の報告。一応すべてのデータを出して質問にもちゃんと答えたつもりだけど、向こうが何を言いたかったのかよくわからん。あっちもわかっていないみたいで、『あとは実験で確かめていくしかないか……』とのこと。
あと、話し中にやたら電話がかかってきてた。なんだったんだろアレ?
時系列は多少前後するけど、午後はあまりに暑すぎたのでおひるねしてエネルギーの消耗を抑えた。井浦も隣でおひるねしてた。つーか、マジで横たわってないと死ぬんじゃないかってレベルで暑かったし。
そうそう、銀さんが加工センターの予約を取ってくれた。しかも、たまたま空いていたからと校正曲線作成用の丸棒の縦穴も加工してくれた。横穴はまだだけど、試しにボルトをぶち込んでみたらいい感じにハマる。
『穴一か所だけだったから、見てただけなんだけどね』って銀さんは言ってたけど、それでもすぐにやってくれたことに感謝の念を隠せない。ありがとうございます。
リト●ノアで新しいイベントが始まった。復刻とはいえ、参加する前の奴だから新鮮な気持ちで挑める。ボスはまさかのケツァルコアトル。アステカの神様。そのうちテスカトリポカとかも出てくるのだろうか。
ノアちゃんがめっちゃかわいかった。敵であるはずの謎の男といっしょにお弁当を分け合って食べてるし、冗談なんかも言い合ってるし。あの子意外なところで優しさを見せるから侮れない。
謎の男もおちゃめにノアちゃんを(真顔で)からかって遊んでいてちょっとビビる。まさかあいつがあんなにフレンドリーな態度をとるとは思わなかった。
あいつらいつの間にあんなに仲良くなったんだ? ストーカー疑惑も、強ち間違いではないのかもしれない。
こんなもんだろう。最近どんどん日記を書くのが遅れてきて困る。さっさと帰りたい。




