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6月16日 お仕事☆柳下

6月16日


仕事しなくてすみませんでした。柳下


ハッピーバースデー。──


 朝、研究室についたらあの一文が日記に追加されていたので、後半の日記に移しておいた。まさか書き込まれることになるは思いもしなかったが、これもなかなか新鮮だ。


 到着後、水瀬、真島さん、世良さんから例の【検閲済み】として例のラムネをもらった。こないだ三人で遊びに行ったときに見つけたものらしい。あまりにも自然にそこにおいてあったため、一瞬気づかなかった。同じものをたまたま見つけたらしいけど、あれってどこにでも売ってるものだったっけ?


 その後はエンジンを付けるためにみんなでリ●ルノア。なんだかんだで柳下が結構ハマっている。絵柄が可愛いし、シナリオも一応あるし、なによりク●クラに比べて温かみがあるところが個人的に受ける。あっちに出てくるパートナー的な女の人って受け答えが全部機械的で味気ないんだよね。


 ゼミが迫りつつあるので、午前中は解析をバリバリ進めた。もうほとんどデータはそろったので、エクセルにて用途ごとにまとめる。やはり先輩が遺したプログラムに記入されている値は正しいとは言い難く、こちらの卒論のデータを用いたものの方が値としてはかなり近いものであった。


 もちろん、【検閲済み】を考慮していないのでその分のズレはあるものの、あちらよりも【検閲済み】の方が影響は大きく、また、【検閲済み】を効かせた場合固有振動数のグラフは上にシフトすると考えられるため、かなりまともな解析となっていると評価できる。


 午前中、柳下の試験片が届く。これで実験ができるものの、加工をせねばならないからゼミには間に合わないらしい。で、なんかよくわからんけど事務室にもっていくとのことだったので手伝った。


 半分ほど持ったけど、鉄の塊だけあってめちゃくちゃ重い。両手で持てる程度のサイズなのに圧倒的な重量感。おんぶお化けならぬだっこお化けに憑りつかれたかのよう。私のか弱い細腕が悲鳴を上げていた。


 【検閲済み】班も試験片を変えた場合、あれと同じくらいの重さになるのだろう。本格的に筋トレしてマッチョになっておいたほうがいいかもしれない。私も銀さんレベルのマッチョになれたらいいのになあ。


 午後もゼミの準備を進めてたんだけど、途中で南郷さんに出会う。学会の進捗とかを確認された。中間報告会もあるし、エアコンの設置や先生方の夏休みの都合もあるから、マジでさっさと進めないと概要集の提出に間に合わないとのこと。


 『あっちのoctaveなら少しはわかるから、ちょっとは手伝える』とのありがたいお言葉をいただく。あと、帰宅時間を遅くして作業にあてた方がいいとも言われた。とりあえずゼミが終わってから考えようと思う。


 おやつの時間が過ぎたころ、柳下がジュース(カ●ピスソーダかサイダーか選ばせてくれた)をくれた。例の【検閲済み】だとのこと。うれしすぎて泣きそうになった。


 あいつは忘れっぽいけど、あれで思いやりのあるいいヤツだと思う。記念に写真を撮りまくったのでふぉとらいぶらりを確認しておくこと。


 すっげぇどうでもいいけど、柳下っていつも炭酸を飲んでいる気がする。好きなのだろうか?


 そうそう、銀さんの努力により、ひずみケージの不具合の理由が判明したかもしれない。銀さん、なんと果敢にもあのこもりんに助けを求め、そして助言を引き出すことに成功したのだ。


 どうやら貼付の際にリード線が断線してしまっていたのが原因らしい。テスターにつないで確認してみたところ、電流が流れていなかったそうだ。今まで数回やって全部断線していたとはちょっと考えにくいと思うけど、とりあえず解決の糸口だけは見つかった。


 銀さんを信じて待とうと思う。繊細な作業だろうから、写真を撮るのはあきらめよう。 


 またまたどうでもいい話だけど、青松、石垣と誰だったかの応力解析学の中間試験の結果が三人合わせて百点くらいだったそうな。


 覚えている限りじゃこんなもんだろうか。最近いろんな人がこの日記を見ているらしいから、書けないことが増えて困る。日記ってのはもっと自由に赤裸々に書くべきだと個人的には思っている。


 最後に。


 ようやく柳下が自主的に【チェックシートに丸を付けるだけ】という簡単なお仕事をしてくれた。これは大いなる一歩だ。

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