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6月12日 新たなる参戦者

6月12日


 顎下リンパ節の腫れがいまだに収まらない。痛みが消えてきたのもかえって不安になってくる。そろそろガチで病院に行った方がいいかもしれない。


 研究室の扉を開けたら真島さんと水瀬が二人仲良くこの日記を見ていた。見ても大して面白くもなかろうに。あと、『おねーさんの話ばかりでオッサンくさい』と言われた。


 五歳のガキでもおねーさんは好きだ。全ての男は須らくきれーなおねーさんが好きだということを、まるで理解していないと思う。


 午前中は解析を進めていく。結局接合面を二箇所想定するのはこの短時間では無理と判断し、影響力の大きい部材間だけを考慮して解析をすることにした。ただ、やっぱり杉野先輩の卒論のデータとあっちのプログラムに記述されていたデータがだいぶ違っていたので、その両方で材料定数ファイルを作ることにした。


 本当にどうして、値があんなにも違うのにプログラムに記述されている方がいい値を出すのか。まるでわけがわからない。というか、どうしてこの手の引継をちゃんとしてくれなかったのか。


 試しにいくつかで順解析をしたものの、なんかボルトが部材に埋まってしまう。値そのものはそれなりにはまともであるっぽいので、このまま進めるだけ進めていきたい。


 解析途中、ユーリさんから連絡が入る。なんと、件の研究室対抗運動大会に機力研の参戦が決定したそうな。意外な研究室の参戦に一瞬頭が白くなる。これがスマ●ラのPVだったら相当盛り上がっていたところだろう。来年以降、宣伝もかねてその手の動画を作るのも面白いかもしれない


 予想以上に物事が大きくなったため、柳下、銀さんを引き連れてユーリさんと食堂で軽く会議をする。城木先生は全員参加を望んでいるらしく、運動が苦手な人向けに百人一首やミ●四駆の試合を並列して行ってはどうかと提案しているとのこと。もはやスポーツの域すら飛び越えている。正直どこに向かってしまうのか想像すらできない。


 偶然にも内燃の田岡と遭遇したので、こちら側のスタンスと参考程度に前年の様子を伝える。内燃はほぼ毎日学校にいるから、予定さえきちんと伝えてくれればいつでもいいそうだ。


 とりあえず軽く打ち合わせし、次回の集合場所と時間を決める。それまでに種目志望をまとめておいてもらいたい。


 その後、機力研の代表に会いに機力研究室に。なぜかあそこだけ代表がM2の人だったから、パイプがまるでなかったんだよね。ただでさえあそこには直接的な知り合いが少ないし。


 相変わらずあそこは人の気配がなく、どこがそれなのか全然分からない。結局、たまたますれ違った島田(だっけ?)に機力研の中田コウキを呼び出してもらう。69番か70番かは不明。なし崩し的にそいつも引きこみ、例のM2の連絡先の渡りをつけてくれるように頼んだ。


 なんか、普通に話したり情報交換はするけど、名前がわからない奇妙な関係のやつが多いと思う。相手側もこっちの名前を知っているのか不明だ。少なくとも好感度はプラス方向だから悪い関係ではない。顔はわかるし挨拶はするんだけど、みんな名前で呼ばないから結局なあなあでずるずるここまで来ちゃったんだよね。


 でも、この奇妙な関係も悪くないと思う。むしろなんかいい感じ。城木先生はきっとこういう輪を増やしていきたいのだと思う。


 夕方近くになって柳下からクラクラを勧められる。ちょっとやってみたけどイマイチルールがわからん。操作の仕方は教えてくれるのに、ゲーム的な目的を教えてくれないのはマイナスポイント。


 あと、キャラクターデザインが気に食わない。どうもあの手のアメリカちっくな造詣が好きじゃない。きれーなおねーさんがいないのもいただけない。


 柳下には悪いが、帰りの電車で削除させてもらった。今度はこっちがメルストを普及していきたい。


 そうそう、南郷さんが【検閲済み】の件を伝えてきた。『おまえは学会があるからでなくて大丈夫だよ』と優しい言葉をかけてくれたものの、進捗状況を伝えると『うん、詰んでるね♪』と超いい笑顔で微笑んでくれた。今から気が重い。胃潰瘍になりそう。


 大北くんに機器分析室からのお便りを渡すも、特に挨拶も何もなしで持って行ってしまった。どうして心を開いてくれないのか。トラウマでもあるのだろうか。卒業までには挨拶くらいはしてもらえるようになりたい。


 帰るとき、外のカフェへの階段の扉付近で五歳くらいの双子の姉妹を見かけた。服装も一緒だし、歩調も仕草も全部シンクロしていてびっくりする。妙に親近感がわいた。あのまままっすぐ育ってほしいものだ。


 帰り際、ようやく柳下が率先して仕事をしてくれた。これが何日続くのだろうか。翌日は大雨に違いないと思ったら、ガチで雨が降ってビビった。


 文章量的に今日はいい感じにまとまったと思う。また何か思い出したら書き込もうと愚考する次第。

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