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6月9日 顎下リンパ節の経過観察

6月9日


 顎下リンパ節が妙に腫れている。ギリギリ視認できるくらいには大きい。おそらく1cm以上の大きさがあるだろう。触ると痛く、首を動かしても痛い。


 痛みがある以上、腫瘍である可能性は限りなく低いものの、風邪の諸症状も確認できないのがちょっと不思議。細菌性の炎症だろうか? しばらく経過を観察しておこう。


 電車内にて、手首より上が真っ白で手だけが真っ黒に日焼けしたおねーさんを見かける。いったいどうやったらあんなふうに日焼けできるんだろうか? もしかしたらスキューバダイビングでも楽しんでいたのかもしれない。


 研究室への到着はいつも通りだったような気がする。雨が降った割にはなかなかいいタイム。早めに家を出たのが功を奏したのだろう。なお、しばらく後にニュースを確認したら十九件くらいの遅延情報が入っていてビビった。夕方には京浜線だかで刃物男が暴れて大変なことになったし。昨今の電車はどうしてこんなにも危険なのだろう。


 到着後、真島さんにノートを渡す。材力特論と複合の二教科もあるから写すのがなかなか面倒そう。あと、桐野を見かけたので例のリュックについて報告した。桐野もリュックを新しくしており、なかなかにおしゃれだった。六千円もする高級品らしい。青い色がカッコ良かった。青ってなんだかんだで一番しっくりくる。


 台所にて、見慣れぬマグカップを発見。モノクロの花柄というシックでありながらもかわいらしいデザイン。世良さんのだろうと真島さんと話していたら、意外にも青松のだった。ちょうびっくり。


 週明けなのにもかかわらず、珍しく柳下が早めの到着。休日中に例の試験片の材料の注文とかを済ませ、最終確認の段階に入ったらしい。手書きの非常にアナログな感じのファックスを見せてくれた。


 しかし、ここで問題が発生。いきなりこもりんに呼び出され、なにやら説教ちっくなものを食らっていた。なんと、学校側にも届いていたそのファックスをこもりんも見てしまい、『大きな材料を購入して自分で加工した方が安上がりだ!』とよくわからんことを言われたそうだ。衣笠先生がお金出すっていうのに。柳下自身、『何を言いたかったのか全然わからなかった』って言ってた。


 なお、『先生側でのやり取りが全然できてなかった』とこもりんが衣笠先生に言ってた。微妙に火花が散っているように見えたのは気のせいではないはずだ。


 午前中は例の学会の件の作業を進める。とりあえず5kNまで全部の圧力分布を出しておいた。これでできるところまでは終わったので、あとで衣笠先生に次の作業工程を聞いておこうと思う。


 お昼に青松がカレーハンバーグドリアを食べていた。なかなかにおいしそうな匂いに思わずハンバーグが食べたくなる。そういや、姐上が【検閲済み】に行ってから家でハンバーグが出なくなった。そろそろあの肉汁が恋しくなってくる。


 羽鳥も昼飯はカレーうどんだった。カレーが流行っているのだろうか。あと、石垣あたりがぺヤング食べてた。


 昼食中に蝶っぽい虫が迷い込んできた。止り方から察するに蝶だけど、色合い的には蛾みたい。輪ゴムで撃ち落とそうと思ったけど輪ゴムは見つからず。そのうちどこかに行ってしまった。


 銀さんにひずみケージを任せつつ、午後はゆったりと作業を進める。逆解析の準備とデータの整理をやった。ふと周りを見れば、朝から燃え尽きた柳下をはじめとしてみんながぐーたらとしている。『今日はみんな研究してないなー』と漏らしたら、ずっとノートを写していた真島さんに『一緒にしないでくれ』と怒られた。なぜか青松にも怒られた。超理不尽。


 そうそう、水瀬がサモンズボードを始めていた。まだきれいなおねーさんを仲間にしていないらしい。なんであの手のゲームってきれいなおねーさんが強いんだろうか。まぁ、強かろうが弱かろうがきれいなおねーさんなら集めちゃうけど。


 ぐーたらしていたらエアコンの人が来た。軽く部屋の寸法と写真を撮ってどこかへと行く。工事の日取りが決まったら教えてほしい。


 三時過ぎくらいに銀さんの進捗を確認。残念ながら今回も失敗しちゃったらしい。はんだの件はうまくいったものの、やっぱり測定値がどんどん上昇し続ける謎の現象が起きている。衣笠先生に軽く聞いてみたら、『この研究室に幽霊でもいるんじゃない?』と返された。


 九字を切るだけで払いきれるだろうか。九字反閇もやり方はわかるが、とっさにあのステップをできるかどうか微妙。図書館からあの本を借りておくべきかもしれない。そういや、三号館のどっかの扉に角大師が張ってあったっけ。


 なお、ひずみケージに関しては大海先生と南郷さんの助言により値がある程度安定化するところまでは持って行けた。が、やはり根本の解決には至らず。どうやらリード線がどこか別の部分に触れているらしいことがわかった。


 残りのひずみケージは四枚(二回分)しかないので、どうでもいいひずみケージで練習してから本番をやることになった。せめて精一杯祈っておこうと思う。


 実験終了時刻になっても機械工学実験に来ていた三年生が帰らない。どうしたのかと思ったら、こもりんがまた『社会に出たら~』とわけわからん演説を始めていた。おかげで帰り道がふさがれて帰るに帰れない。


 なお、柳下、山岸、青松は定時よりも早い時間にダッシュを決めたので巻き込まれず。青松は歯医者だって言ってたけど、はたして本当だろうか。


 あと、山縣は『今日はちゃんと丸付けていくね!』とか言いながらもやっぱりやらずに帰ってしまった。なんか泣きたくなってくる。どうすればちゃんと仕事をしてもらえるようになるのだろうか。


 無駄に長くなってしまった。最近、前日分の日記をつけるだけで三十分近くかかる。もっとコンパクトにまとめたいものだ。

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