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6月3日 ある雨の日の日常

6月3日


 雨が降っていたため、到着が少し遅れる。だいたい0920ごろ。駆け込み乗車をする人間が扉に挟まり、開いたところでまた駆け込み乗車が行われるという悪循環が酷い。ああいうクズ共は一度轢かれた方がいいと思う。


 でも、薄着のおねーさんに挟まれたのはラッキーだった。夏はやっぱり素晴らしい。最近そういう意味では運がいいような気がする。汗だくのおっさんに挟まれることも多いけど。


 午前中はなんかやたらと眠かったので、少しスヤスヤすることにした。午後から本気出す……というか、少し頭の中身を整理しておかないとどうしようもない。


 寝ていたところ、福山がやってきた。試験片を作り終えてちょっと時間が出来たらしい。寝ていたから詳しいことはわからないけど、なんか面接練習が始まった。


 まず、ノックが二回であることが非常に気にかかる。それはトイレの合図として広まっているNGな行動だ。とりあえず三回にしとけってマナー講座で何回か教わっている。


 個人的には何回でもいいんだけど、最近はマナーの意味をはき違えて金儲けの道具としか考えていないやつが多くて困る。互いが気持ちよく過ごせればそれでいいだろうに。あの講座のババアはどうも好きになれなかった。


 まじめくさって福山をおちょくっていた石垣がはしゃぎすぎて椅子から落ちた。尻から突っ込む見事なダイブ。人が椅子から落ちるのを久しぶりに見る。倒れたって言った方が正しいかもしれない。


 午後はぼちぼちアソシスを弄る。相変わらずボリュームの実態がつかめない。が、なんとか問題のエリアを特定することはできた。操作方法さえ熟知できればなんとかなりそうだけど、それが出来るのなら私はこの二か月苦労はしていない。ままならないものだ。


 午後の中途半端な時間、羽鳥がお散歩に。雨の中を歩くのが好きなのかもしれない。


 なんとなくやる気が起きなかったので、研究室旅行の話をすることに。今のところ京都と広島の二つが有力。伏見稲荷とかちょっと見てみたい。広島は厳島神社だろうか。個人的には美ら海水族館や旭川動物園にも行きたい。最悪江の島や鎌倉でも可。海外じゃなければどこでもいいや。


 音楽の話もする。真島さんのバイオリンは買ったときは七十五万だったらしい。今は値上がりして二百五十万はするのだとか。


 売って回らないお寿司をみんなで食べに行きたい。弓も百万もするものがあるんだって。


 あと、羽鳥が三味線をやりたいとか言ってた。世良さんがフルートで真島さんがヴァイオリンで、そして私はオカリナである。【検閲済み】で合奏会が出来そうだ。


 青松にはサンポーニャでも担当してもらうべきだろうか。マジでやってみたいものである。


 和やかに談笑していたところ、こもりんが襲来。単純に言い間違えたんだろうけど、【検閲済み】の【検閲済み】が【検閲済み】。それだけならまだしも、『【検閲済み】は【検閲済み】だから【検閲済み】!』と【検閲済み】を【検閲済み】。


 【検閲済み】ってレベルじゃない。【検閲済み】のセンスがよくわからないし、【検閲済み】で【検閲済み】とするその神経を疑う。社会的常識や超えてはいけないラインというものを知らないのだろうか。だいたい、【検閲済み】って【検閲済み】とか【検閲済み】とか【検閲済み】とか、【検閲済み】のことを言うのに。


 この前のゼミの時だって『航空班が早く終わるかどうか……それは希望か、願望か、それとも当たり前なのか』とかわけわからんこと言ってた。話を振られたので『じゃあ希望で』といったところ、『パンドラの箱だな』とわけわからんことを延々と語り出す。覚えたての言葉を使いたかっただけじゃないのか?


 話の流れにて、水瀬のお父さんが出てくる。なんかの副会長らしくてちょくちょく話をする機会があるそうだ。で、『お父さんはビールを飲むのに、息子が飲まないと嘆いてらっしゃる』とかまた変に飛び火する。


 水瀬は『父は先生がお酒を飲まないことを気にしていらっしゃいましたよ』とごくごく自然に返す。こもりん、『体を壊してから飲まなくなった』と若干目を泳がせながら答えた。思わず吹き出しそうになる。笑いをこらえるのがつらかった。


 てめえが飲めないのは【やらかした】からだろうが。大海先生に禁じられているからだろうが。知らないとでも思っていたのか?


 脅威が去った後、南郷さんから祭りの件について聞かされる。M0は強制参加で神輿を担がないといけないらしい。しかも、交代制とはいえ朝から夕方までだ。


 なお、青松は神輿アレルギー、私は肩を壊し、羽鳥は風邪をひくから無理ということに。柳下は健康体だから頑張ってもらおうということになった。


 暇ではないけど暇だったため、真島さんリクエストによるドスシ●ギィをお絵かきすることに。お手本を見ながら描くものの、なんか微妙に肉付きが違うし、模様や迫力もイマイチ。鉛筆一本だったから明暗を全然描き分けられなかったのが原因だと思う。体の構造はそれなりにまともだったのが救いだろう。


 柳下は今日も定時ダッシュを決め込む算段らしい。一日中図面とにらめっこしていたから疲れたのだろう。あと、山岸と一緒に加工センターに行ったらしいんだけど、余計なことを言ったせいで無駄に長引いたそうな。


 『黒縁眼鏡のマッチョな先生はヤバい』とのこと。気を付けておこう。あと、山岸をタクシー代わりにするそうだ。


 今日はほとんど研究が進んでいない。明日こそちゃんとやらなくては。

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