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5月20日 大学院A日程院試面接

5月20日


 行きの満員電車で薄着のおねーさんと密着して朝から幸せだった。夏ってやっぱ最高だ。


 到着は0900過ぎ。今日は例の面接だからか、真島さんはともかくとして珍しく羽鳥までいた。あいつのネクタイは明るい紫でなかなか派手。ナウなヤングにバカウケしそうなセンスである。


 あと、完全装備で五階まで上がったのものだからめちゃくちゃ暑い。夏場にスーツは地獄だ。首元も苦しいしやんなっちゃう。


 なお、早く着きすぎたせいか、二人はこもりんに早朝からつかまったらしい。んで、今日の面接についていろいろありがたいお話を聞くことになったそうだ。軽く驚かされもしたとのこと。


 午前中はそんな感じでダラダラと過ごす。正直研究をやる心の余裕がない。雑談中、ズボンのチャックが全開だったことに気付く。下手すると家を出たときから全開だったかもしれない。その場の全員が腹抱えて笑っていた。


 柳下に至っては『そのネタで面接の時間稼いでよ』とかのたまった。あいつやっぱりス●ザリンがお似合いだと思う。


 拳●を三巻まで読み終えた。銀さんはス●ムダンクを制覇したらしい。あと、【検閲済み】系の企業の内定をもらったんだって。おめでとうございます。


 そうそう、途中でCFRPが届いたので青松たちに取りに行ってもらった。受け取り場所は守衛さんのところ。常温だと一日でおしゃかになるデリケートなものらしい。軍事兵器に使用されるから利用目的をはっきりさせろって問題になっていたのに、こんなヤワなものだとは思いもしなかった。


 昼飯を食べ終わった後からネクタイを締める。みんな締め方が違っててなかなか興味深い。羽鳥のネクタイの締め方が甘すぎたので締めてやった。あのまま面接に臨んでいたら大変なことになっていただろう。ネクタイの結びが甘い男は仕事でなめられるってどこかで聞いたことがある。


 その後、四人で面接会場の11C教室へ。電電の連中とかが非常にやかましい。やつらは面接に来ているとまるで思っていないようだ。クソうるせえと叫びたくなる衝動を何とか抑える。ただでさえピリピリしてるのにあいつらの奇声のせいでストレスがマッハ。


 しばらく待つとユーリさんたちが呼び出されて試験会場に連れて行かれた。会場は地下らしい。私たちも呼び出されて教室の前で座って待ってたんだけど、どこかのクソどもがぎゃあぎゃあ騒いでいるのが聞こえてブチ切れそうになった。縊り殺そうとしなかった私をほめてほしい。


 ちなみに、【検閲済み】の受験は十七名。受験番号順に6・6・5の三グループに分かれて面接を行う。一グループあたりおおよそ三十分。順番はおそらく【検閲済み】、【検閲済み】、【検閲済み】、【検閲済み】、【検閲済み】、【検閲済み】かと思われる。内燃と機力が第二グループに一人ずつ分けられちゃってちょっとかわいそうだった。私たちは四人とも一緒だったけど。


 そして面接。面接官は【検閲済み】の先生全員で、黒板の前に並んで座っていた。私たちはその前に並べられた椅子に横一列に座る。はないちもんめを彷彿とさせるレイアウトにわくわくを隠せない。最後にやったのいつだっけ?


 椅子の前に立った後、受験番号と名前を宣言する。研究室名も言えって黒板には書いてあったけれど、牧野先生はその二つしか言えって言わなかった。ちょっとラッキー。


 発表は番号順。発表内容は卒論テーマ、大学院志望動機、大学院でやること、経済支援状況の四つ。これらを二分程度にまとめろとのこと。


 発表前から深沢は寝ていやがった。マジでクズ過ぎて言葉が出ないあいつなんでいたの? あと、神保先生もうつらうつらしていた。


 最初の発表は【検閲済み】の早稲田だったんだけど、全部暗記して臨んだためか卒論テーマだけで五分を超えていた。なんで制限に合わせてアレンジしなかったのかいまだによくわからん。最近こういう人を良く見かけるが、これが時代の流れというやつなのだろうか。


 私の順番の時、ちょっと詰まったのが悔しい。最初の雰囲気にのまれたのがまずかった。


 ぼちぼち全員終わったところで先生からの質問タイム。文章にすると面倒なので箇条書きにしておく。



・城木先生の質問

早稲田(【検閲済み】) 志望動機をもっと具体的に

羽鳥(【検閲済み】)  【検閲済み】と日本の工業の違いというものをもっと具体的に

真島(【検閲済み】)  周方向と半径方向って違いがよくわかんなかった


・小森先生の質問

卒論を書くにあたって計画性が重要となってくるが、その重要性の認識を語ってくれ


・亀岩先生の質問

現在の卒論のテーマの見通しと仮説を教えてください


・牧野先生の質問

早稲田(【検閲済み】) ディーゼルと摩擦? の関係を具体的に

──(【検閲済み】) 【検閲済み】の固有振動数の【検閲済み】に寄与するのか?



 こもりんが質問するときめっちゃにやにやしていたのが印象的。あと、早稲田は全部の質問に答える羽目になっていた。柳下は個人的な質問は一切なし。ずるい。あと、牧野先生の質問ってそれ答えられたらほぼ研究終わりな気がする。


 最終的な終了時刻は1500過ぎ。長々書くと面倒なので面接はこのへんにしておく。思い出す分には十分だろう。衣笠先生に『亀岩先生の質問、六人ともまともに答えられていなくてうぉぉぉい! ってなった』と言われた。終わったことだししょうがない。みんな合格ならそれでよくね?


 あと、計画性の重要性の認識ってなんだろうか。『マジであれだけは意味不明だった』、『あいつの日本語マジヤバい』って後でみんなで盛り上がったっけ。


 あと、『周りがクソうるさかったとき、またお前がブチギレないかちょっと期待した。なんでキレなかったの? そしたら最高に面白かったのに』などと羽鳥から煽られる。私は善良で温厚な一般市民であるのに、あいつは一体何を言っているのだろうか。いみよくわかんない。


 面接後は研究室にて例の【検閲済み】の試験片について銀さんと話を詰める。衣笠先生と話した結果、お互い認識がずれていることが発覚。あの試験片、【検閲済み】が一体化しているだけで、【検閲済み】までは一体化させないんだって。単純に【検閲済み】の接触の影響を見たかっただけっぽい。


 とりあえず銀さんが設計図を書いてくれることになった。あと、【検閲済み】についても下でできるか聞かないとならない。私はその間に解析の準備の方を進めておこうと思う。


 あと、みんなでCFRPのカットをやった。私はCFRPの切れ端で平織と綾織りをやった。実にいい仕事をしたと自負している。


 だいぶ長くなったがこんなもんだろうか。すっきりささっと日記を付けられるようになりたい。面倒事が一つ減ったのが超うれしい。

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