4月28日 呪詛
4月28日
到着はいつもと同じくらい。蒸し暑く、登ってくるだけでじんわりと汗をかいた。
到着後、珍しく大北くんを見かけた。元気そうで何より。あと、世良さんらと一緒に研究室の掃除を行う。去年に比べてマシとはいえ、相変わらず汚くて辟易する。ちりやほこりでいっぱいで体に悪そう。
ついでなので院生室の掃除もした。ただ、院生の人が気づいてくれたかどうかはわからない。あそこはあまり人の出入りがないからそもそも汚れないんだよね。あと、電子レンジの裏にでっかい炊飯器を見つけた。夢の研究室寄生生活がまた一歩近づく。
午前中は大学院の願書の一部を書く。どうしてなかなか面倒くさい。その後、アソシスのボリュームでまた頭を悩ませることに。連日の寝不足のせいで頭がクラクラしていたので、開き直って小一時間ほど居眠りしてやった。
そうそう、せっかくなので明日の新歓会の帳簿も付けておいた。大目に見積もっても三千円くらいあまりそう。ジュースは二十本近く必要だと思ってたけど、みんなそんな飲まないらしい。十二本ってことになった。
……会計係、私じゃないんだけど。いくら通達された業務に入っていないとはいえ、帳簿を付けないことに危機感を覚えないのだろうか? まったく、気が回りすぎる自分が怖いぜ。
午後は【検閲済み】研究所にひずみケージを注文することに。銀さんが電話してくれた。さすがに貫禄がある。やっぱリード線とかいらなくて、型番を頼むだけで大丈夫だった。今度【検閲済み】事務室のほうに見積もりのファックスが届くらしい。予定ではGW前に届くとのこと。
その後、是枝さんを捕まえてアソシス講座を頼む。やっぱり手順そのものはともかく、その内容がわけわかめ。でも、途中で衣笠先生が合流してくれたおかげでかなりの進捗があった。
番号とかはやっぱりあんま関係ないっぽい。肝心なのは挿入要素をピースに分割し、そのピースごとに材料定数を設定するということであって、それ以外はモデルとしての座標データがあればどうとでもなるようだ。
面倒くさいので作業の一部をエクセルでやることに。あっという間に終わってちょうべんり。圧力の分布なんかもきれいに出て感動。なんか思いっきり進んだって実感がわく。
ただ、要素を読み込ませる作業においていくらかの不具合が発生。エクセルで中身を書き換えた後、テキストファイルに変換する際に必要な空白を埋めて消してしまっているっぽい。さすがに手作業でスペースを加えるわけにはいかないので、明日衣笠先生とよく話し合っておこう。ついでに願書のやつも話をすり合わせておきたい。
衣笠先生にアソシスを見てもらっている最中、おそらく飽きたのであろう是枝さんがこのパソコンでなんかゴソゴソしてた。ゲームフォルダの位置が変わっていたのと、USBを持ち出した形跡、あとちらっと見えた楽しげな画面から【検閲済み】をプレイしていたのだと思われる。きっとあっちのパソコンにもってったんだろう。
羽鳥のところはようやく試験片の発注のGOサインが出たらしい。ホワイトボードでプレゼンし、その後もいろいろ粘ってようやくだそうだ。しかも、試験片が到着するのは二か月後だって。お疲れ様です。
……と、今まさに書いている瞬間、隣から悲鳴が。せっかく買えるとなったのに、肝心の試験片が売り切れになったとのこと。昨日売り切れたんだって。
羽鳥、水瀬が呪詛の言葉を吐き散らしている。『マジでクソみてえじゃねえか』、『クソみてえじゃなくてクソだ』とクソだけになかなかのキレ。さっきからクソクソ連呼している。あいつら呪われているんじゃああるまいか。
銀さんのスケジュール帳が超真っ黒。マジびっくり。お疲れ様です。ちゃんと日記に書きましたよ。見てるかどうかわからないけど。あと、もしかしてスーツの上忘れてませんか? とりあえずハンガーにかけておきました。
明日は(自分たちで企画した自分たちを迎える)新歓会。たぶん誰も研究をしないと思う。買い出し以外も遊んでウサ晴らしをしておきたい。