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12月9日 ブラックコンボ

12月9日


ぼけつぶす

彼氏電話でかんちがい

やなしたおこってる

やなしたあいさつしない

やなしたわがまま

やなしたじてんしゃにかみをはる

やなしたかぜぎみ

やなしたあつぎ

やなした

やなした

しん


 例によって例のごとく、翌日にこの日記を書いているわけだけれども、日記メモに↑のようなことが追加されていた。詳しいことは翌日の日記に記述するつもりだけれど、謎の柳下推しに困惑を隠せない。あと、未来の日記も追加されていた。


 研究室に到着したのはいつもと同じ0930ごろ。最近朝に井浦を見かけることが多くなった。前期の時はそうでもなかったのに、M0と世良さんと同じレベルの登校時間を維持している。ずっと概要集の作成をしているようだけど、やはりひずみゲージを使う実験だからか、進捗は芳しくないらしい。


 到着後は英気を養い、二限の先行履修の化学反応特論に出席する。今日は宿題の提出日だからか、いつもの1.5倍くらいの人数がいた。宿題の時だけ出席するとか、大学院生としてどうなってんだろうか。あまり人のことは言えないけれど、学生としてどうしようもないやつがあんなにも多いことに驚きを隠せない。


 内容は濃度のうんたらかんたらってやつ。今日は面倒な計算はやらない……なんて言いながらやっぱり計算ばかり。相変わらずあの先生の授業は面白みがない。あと、ノートを間違えて持ってきてしまったため、たいそう手こずることになってしまった。


 午後はバリバリ解析を進めていく。昨日庄内くんがやりきれなかった順解析を行い、ついでに【検閲済み】曲線も作成しておいた。


 『今日は珍しく解析やってるね』って柳下に言われる。いつもやっているけどあいつが見ていないだけである。


 いつもならここで水瀬もおちょくってくるんだけど、あいつはなぜか今日は欠席。夕方ごろに電話をかけてやろうとも思ったけど、優しい私はやめておくことにした。だってマジでシャレにならないし。


 午後の作業中、八柳が『文化祭の売り上げって何に使う?』と話を振ってきた。なんでも一万円くらい余ったようで、飲み会費に回すにも中途半端な金額でちょっと困っているらしい。


 さっそく羽鳥が土鍋、たこ焼き器、その他調理器具を挙げる。私や柳下も前々からほしいと思っていたIHクッキングヒーターを推した。みんな調理用品ばかりをあげることにこの研究室の闇が垣間見えるような気がしなくもないが、ともかくなかなか楽しい時間ではあった。


 結局どうなったのかはわからない。意見がまとまりきらず、なあなあで研究に戻ったように思える。まあ、必要となったらそのうち再び話題に上がることだろう。


 そうそう、柳下は人に物事を押し付けるとき、『~ってどうなっているっけ?』からの『じゃあ悪いけど、それよろしく!』ってコンボを使うことが話に上がった。羽鳥曰く、『あいつは都会っこで一人っ子だからだ』とのこと。


 言われてみれば、今までに何度も同じ手口で仕事を頼まれたことがある。連絡を回すときも、先生からの依頼で買い出しリストを作るときも、いつだってあいつはそういう風にしてナチュラルに仕事を受け流していた。柳下って本当にブラックだと思う。


 話は変わるけど、順解析をやっていたらなぜかアソシスでエラーが吐き出された。マテリアルファイルを読み込ませるところまではうまくいくものの、解析を実行しても【実行中】のままうんともすんとも言わなくなり、ついにはアソシスそのものの応答が消えてしまうという全く新しいタイプ。


 まさか十二月になってまでこんなエラーに相見えるとは思わなかった。どこまで人をおちょくれば気が済むのだろうか。新手のスタンド攻撃と言われても信じてしまうレベル。本当にアソシスは呪われているんじゃあないだろうか。


 おやつの時間頃、こもりんのところに打ち上げの件について報告に誰が行くか……で浜崎と羽鳥と柳下が争いを繰り広げていた。みんなして責任を擦り付け合う様に人の汚い部分を見る。まあ、状況が状況だし気持ちはわかるけど。


 結局、浜崎がジュースをおごってくれると言ってくれたので私が行くことに。何事もなく、十秒ほどで報告は終わる。チョロい仕事だ。


 が、浜崎は20XX12101751現在、いまだにジュースをおごってくれない。どうやらきれいさっぱり忘れ去ってしまっているらしい。ジュースをもらえると知った私の喜びを返してほしい。純粋な心を裏切るとか惨すぎる。私の気持ちを弄んだあいつは、柳下とは違うベクトルのブラックだ。


 今日はこんなもんにしておこう。そうそう、前述のメモだけど、どうも青松が記入したらしいので詳しいことはあいつに聞いておくこと。


 【彼氏電話勘違い】に関してだけ説明を加えると、お泊りした羽鳥&青松が朝餉を調達しにコンビニ行っんだけど、研究室まで戻ってきたら中から真島さんが話しかけてきたため、羽鳥が思わず返事をしちゃったんだそうな。


 が、実際は中で彼氏と思しき人物と電話をしていたらしく、『羽鳥くんじゃない』と言われたとのこと。こういうのって後で思い出して恥ずかしくなるよね。


 なんかイマイチ文章が読みづらい気がする。初期のキレのいい文章に回帰したい。グダグダ長く書くのは私の悪い癖のようだ。

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