11月30日 炎上×ゼミ
11月30日
今日から新しい一週間が始まる。絶妙に寒いが特筆することはない。思えばもうずいぶんと長いこと日記を続けている。自分で自分をほめてあげたい。
ゼミがあったため、研究室への到着はいつもよりはやめ。到着後はいつもの日向ぼっこに最適な窓側の席でしばし微睡む。途中山岸が『印刷機の調子が悪い』ってボヤいていた。しかも、動いたと思ったら紙切れを起こすという始末。
今日の発表は山岸、【検閲済み】、福山。衣笠先生は福山の発表資料(前々日くらいに緒言から全部書き直しした奴)を見て思いっきり顔をしかめていた。指で机をトントンしているし、足もタンタンしていて見るからに機嫌が悪い。
で、『来年用にパソコン関係の機材を買いに行くから必要なものと同行メンバーをリストアップしておいて』というので柳下がその返答に行ったら、なんかめっちゃ怖い感じで対応されていた。言葉づかいそのものは普通なんだけど、雰囲気がすごく怖い。
この不機嫌な理由を、後に私たちは知ることになる。
さて、最初は福山の発表……の予定だったんだけど、こもりんの用事の都合で山岸から。一応は普通の発表だったけど、なぜかグラフの三角と丸のプロットを線でつなげているという奇妙な資料に驚く。
もちろん、そこはしっかり突っこまれ、プチ炎上。データ数が少ない的なことも言われていた。
次は【検閲済み】班。いつもどおり。書くことがない。【検閲済み】班もそんな感じ。浜崎が質問に答えまくっていたのが印象的。
ここまですべて三十分程度で終了。【検閲済み】班が荒れると予想されていた割にはいいタイム。
しかし、ここからが本日のハイライト。なんかよくわからんけど研究を根本的に見直しさせられ、わずか二日で(少なくとも見た目は)卒論概要集と遜色ない資料を引っさげた福山の発表。
ところが、どうもこれが全然ダメなものだったらしく、かなりぼろくそに言われてしまっていた。私の最後の学会発表練習を彷彿とするレベル。衣笠先生が機嫌悪かったのもその資料の出来の悪さに起因していたようで、実はゼミのかなり最初の方からずっと福山の資料に青ペンチェックを入れていた。
とりあえず、ゼミ終了後に福山を元気づけておいた。こっちもあれくらいのことを言われたと告げる。福山も小さくだけれども笑っていた。実際、学部生だし何とかなるだろう。
そうそう、ゼミ中にこもりんが『聞かぬは一瞬の恥、知らぬは一生の恥』とかまたわけわからんことを言い出した。『聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥』の間違いだろうと羽鳥と少し盛り上がる。
覚えたての言葉を使いたいのだろうが、せめて正しく覚えて正しく使ってほしいものである。
お昼の時間を過ぎたころ、衣笠先生が中間報告会のスケジュールを持ってきてくれた。一日目に院生と福山、【検閲済み】、二日目にそれ以外の発表。うちの班はまさかの最後から二つ目。さすがにあそこまで来るとダレてくる。やるならさっさとやってしまいたい。
午後は学会とかの資料作成の作業に入る。あとはもうほぼ実験結果を乗せるだけ。卒論と学会とでレイアウトが微妙に異なるけど、それは図の大きさなどを補正することで対処するつもりだ。
午後の時間、銀さんはとうとうひずみゲージを張り終えることに成功していた。校正直線も出してあるから、これであとは実際に振動実験を行うのみ。ここまで来るのに本当に長かったものである。
……必要とするひずみがいやに高く、締めきれない可能性があるけど、この際考えないことにする。きっとなんとかなるはずだ。
いくらか短く感じるがこんなものだろう。そろそろこのフレーズも飽きてきた……と思ったらこの『飽きてきた』というフレーズも何度か使っていることに気づき絶望する。なんかいい決まり文句でもあればいいのに。
最後に。
最近、『斎藤さん』が流行っているようだ。羽鳥が見ず知らずの人と結構長い間話していた。相手は変な人だったらしいけど、よくぞまあ変な人の話し相手などできたものだと思う。これがコミュ力というものなのだろうか。