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11月27日 日記製本準備

11月27日


 なんでこういう時に限っておなかが痛くなるんだろうね?


 朝は何ともなかったのに、行きの電車にて猛烈な腹痛に襲われる。今日は例の奨学金の返還口座の登録&受付のクソババアが記憶に新しい印鑑変更手続きをしに銀行に行かねばならぬというのに。


 どうにも我慢ならなかったので【検閲済み】のトイレに。自動で流れるってちょうハイテク。あと、扉を出た瞬間おっかない人に睨みつけられた。


 あの人もおなかを壊していたのだろうか? もっと長く籠っていればよかったと今になって思う。トイレくらいお互い心地よく使いたいものだ。


 さて、銀行で恙なく手続きを終えた後に学校へ。到着はなんだかんだで1030すこし前くらいだったと思う。この時間なのに人が少なくてびっくり。青松に至っては私よりも遅かった。


 研究室に到着後は処理立てホヤホヤの書類のコピーを取り、一号館に提出しに行くことに。ちょうど羽鳥も夜間届をこもりんとともに提出しに行くとのことだったので(『頼むよ、一緒に来てよ~!』って頼まれた)三人で一号館へ向かう。


 こもりん、途中でまたまたよくわからん話をしだした。ここに書くのはアレなので、もし気になるなら羽鳥か私に【奨学金】、【女】、【昨日のニュース】と伝えてくれれば洗いざらい全部話してくれるはずだ。


 そんなこんなとしているうちに一号館に到着。さっそくレポートボックスにぶち込もうとしたら、【提出するのはコピーの方です】という注意書きが。持ってきたの、コピーじゃないほうなのに。


 さすがにショック。とぼとぼと歩きながら帰る。あと、途中で分かれたこもりん達に後ろから追いつかれた。『鈴付けているから一発で分かる』、『猫の鈴と一緒だな』等と言われた。


 つまり、鈴さえなければバレないということだろう。母上曰く私は気配が薄いらしいし、大きくなったら忍者や暗殺者になるのもいいかもしれない。


 念のため書いておくけど、研究室に戻ったら『やっぱ提出するのコピーの方じゃん!』って柳下に満面の笑みでドヤ顔された。あの時のあいつの鼻は間違いなく天高く伸びていたと思う。


 さて、校正直線も出たので銀さんに実験をしてもらおう……と思ったのに銀さんが来ない。今日は早く来て早く済ませて早く帰ると言っていたのに、だ。


 どうにもおかしいと思ったら、諸事情につき今日はお休みするという旨の連絡がきた。この時間から言っても中途半端になるからいっそ思い切って休むとのこと。その分こっちは進めようと意気込みを新たにする。


 とはいえ、もう大方の体裁は整えたので、大きくやることはそんなになかったりする。学会も卒論も中間発表もそのまま流用しようと思っているし(そもそも中間発表と卒論はそうするべきもの、そして学会は卒論発表会だから必然的にそうなる)、銀さんが休んでいるんだからこっちも休んでしまえと心の中の悪魔がささやいてきた。


 しかし、ただ休むのも気が引ける。というか、小心者の私には無理だ。


 そんなわけで、ここしばらくの日記の体裁を整えることにした。製本直送で千円くらいで本にしてくれるらしいというのをアレの関係で知っていたので、それのフォーマットを見ながらちょちょいとやってみることに。


 とりあえず、半角数字を処理し、誤字脱字を直し、上端に章題を、下端にページ番号を記入しておいた。


 この二つ、実はなかなかに面倒だった。ヘッダーとフッターで処理するんだけど、そもそもあれって全部共通で変わるから、ページ数は連続してうまく変わってくれるんだけど、【五月の日記】って章題をつけると【四月の日記】って書いておいたところも五月になってしまう。


 そんなわけでセクション区切りをすることでこれを解決した……のはよかったんだけど、新セクションになったせいでページ番号の連続性が失われた。【五月の日記】というセクションの一頁、二頁、三頁……と続いてしまう。


 しょうがないので、セクションの開始番号を指定することでこれを回避。ちょっとは気を利かせてほしいものだ。普通の文書でそうすることってほとんどなくない?


 夕方ごろ、衣笠先生が学部生室にやってきた。なんでも、新しいパソコンとかを仕入れに行くから、必要なもののリストアップと買い出しメンバーを選出しておけとのことだった。


 ちなみに、秋葉原に行くらしい。さりげなく行くのは初めてである。ちょっと楽しみ。


 結局、今日はほぼ日記の推敲しかしなかった。ついつい熱が入って1830ほどまで作業をしてしまう。そして恐ろしいことに、午後から作業を始めたというのに五月分までしか終えられなかった。今更ながら、どれだけ書いたのかと自分で自分に戦慄してしまう。


 なお、前期分だけで文字数にしておよそ十五万、ページ数にして二百八十ページほど。そこらのラノベよりも分厚くて読み応えのある代物だ。


 せっかくなので本にしてみようと思う。二冊ほど刷って一冊は手元に、もう一冊は研究室の秘密の書にしよう。きっと後輩の役に立つはず……ではあるが、先生に見られたり、日記の本当の目的を見抜かれるリスクがある。


 このそこはかとないドキドキ、なんかクセになりそう。グッバイ。

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