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11月19日 叔父バカなイケメンたち

11月19日


 先日の要請に基づき、家からDVDプレイヤーを持っていくことに。タダで研究室に寄付するんだけど、そのあと誰かが『借りて』いく分にはこっちは一切関与しない。なぜか羽鳥が高級オレンジーナとレモンジーナとグラスのセットとポテトチップをくれたけど、運が良かった。もちろんポテチはデリシャスだった。


 本日は曇天。今にも雨が降りそうで、実際地面もかなり湿っている。夕方ごろにも降り出すのは疑いようがなく、DVDプレイヤーを持って満員電車に翻弄されるのはなかなか骨だった。


 が、ここで珍しくいいことが。【検閲済み】線にて座っていたら、隣に座ってきた女子高生がすぐにうとうとと舟を漕ぎ、こちらにもたれかかってきた。それも左腕が動かせないレベルでガチで体重がかかっている。


 いやもう、一瞬で目が覚めたね。なんか呼吸音みたいなのが聞こえるなーと思って起きて隣を見たら、すぐ目の前に頭があるんだもん。


 部活の道具っぽいのを持っていたし、疲れていたのだろうか。多少こっちが動いてなお目覚めず、むしろ体重をかけてきたくらいだし、周りのことなどまるで見えていなかったのだろう。


 しばし至福の時間を過ごすも、【検閲済み】が近づいてきたあたりで問題が。間違いなく、こっちが席を立ったらあの子は顔面を椅子に打ち付けることになる。さりとて、あげに安らかにスヤスヤしているのを見ると起こすのも忍びない。


 そして、左腕が動かせないため、肩を叩こうにも叩けない。リュックとプレイヤーを抱えて座っていたから、右腕じゃ届かない。


 結局、気合で肩を叩いて声をかけた。なんとか起きてくれたものの、頭が醒めきっていないのかとろんとした表情でこっちを見てくる。たぶん、状況わかっていなかったと思う。とりあえず扉が閉まる前に電車から降りておいた。


 院生ゼミがあったため、研究室に到着したのはちょっと早め。柳下は加工が入っていたため、教室のプロジェクターの準備を一手に引き受けることに。


 今日のゼミは播磨さん。いつもとちょっとちがう前置きをこもりんがしてから始まる。英語発表だったため、配られた資料はまるで読むことが出来なかった。タダでさえ別分野だししょうがないよね。


 内容も正直よくわからなかった。ので、その辺の記述をごっそり省くことにする。特筆するべきことと言えば、1100くらいには終わったってことくらい。


 研究室に戻ったら、桐野と浜崎がなにやら大きな声で激しく口論していた。互いにスマホを見せ合いながら、『俺の甥っ子超かわいいから!』、『いや、ウチの姪っ子の方がかわいいから!』と言い合っている。幸せそうで何よりだ。


 で、話を聞いていたら、甥姪にいくらお年玉を渡すかで悩んでいるらしい。たしか浜崎のほうはいとこの子(だっけ?)だったような気がするけど、これがもうとにかくかわいくてたまらないんだそうだ。『いくらまで上げていいのかすっげぇ悩むの!』って言ってた気がする。


 二人ともかなりデレデレしながら自慢し合っていたんだけど(あれは紛うことなき叔父馬鹿である)、桐野がとうとう『あの子は生まれてくる世界を間違えた。あの子は天上界の天使なんだよ。超かわいいんだよ』、『将来さ、「【検閲済み】おじさんけっこんしてー♪」とか言ってくれないかな!?』と言い出したときは末期だと思った。しかも、『でも、すぐに反抗期とか来ちゃったりするんだよな……』と直後に落ち込みだす始末。


 浜崎は『その点うちは男の子だからいつまでも友達感覚で付き合えるもんね!』と自慢げであった。研究室のイケメンどもがこの有様とは、もうなんてコメントすればいいのだろうか。


 残念ながら、私がそのように甥や姪を自慢できる日は来ないだろう。姐者にいい人がいるなど聞いたことないし(そもそもあれを恋人にする物好きがいるとは思えない)、おまけに我が家、我が血族はこと恋愛、結婚に関しては呪われていると言っていいほどの因縁があるのだ。


 親に孫の顔を見せられそうにないことは非常に申し訳ないが、まあ、あの環境でそれを望ませるというのも結構酷な話だと、客観的に考えるとそう思うんだよね。


 午後は例のサーボパルサーの結果をまとめにかかる。つまるところ何が良くて何が悪いのかよくわからない。もうどうしようもないのであとで衣笠先生にまとめて聞こうってことにした。


 おやつの時間頃、スター●ォーズのチョコエッグを買いに行くことに。あれから何個か買ったものの、結局ヨー●とシークレットだけ出てきていないらしい。


 だから、石垣が『数の暴力で仕留めようぜ!』とみんなを巻き込んだわけだ。まさかあの人数でチョコエッグを買うためだけに【検閲済み】に行くとはだれが思っただろうか。


 で、山積みされたチョコエッグを贅沢に箱買いで十個ほど購入する。たしか、柳下と福山が二個ずつ、山岸、私、石垣、井浦、銀さん、羽鳥で一個ずつだったと思う。


 みんなでチョコをむさぼり、ワクワクしながらカプセルを開ける。その結果、十個中三個が白いモブ、三個が変な人(ハン●ソロ)、二個がチュー●ッカ、一個がダース●ール、一個が変なやつだった。


 もちろん、全部カブっている。ヨ●ダも取れなかった。無駄にお金を使ったようなもん。箱買いのはずなのにここまでカブるとかどうなってんだろうか。


 だいたいこんなもんだろう。そうそう、帰り際、世良さんから高級チョコレートをもらった。あれマジ美味しいから好き。口に入れた瞬間のほろ苦さとチョコの蠱惑的な甘み、そして溺れるようにとろりと溶けていく食感が最高にデリシャス。


 これに限らずちょくちょくお菓子くれるけど、今度まとめてお返しでもするべきだろうか? 世良さんホント優しいよね。

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