11月11日 魘
11月11日
眠気が凄まじい。ついでに魘された。睡眠障害もここまで来ると最早天晴と言いたくなってくる。
朝の電車にて、うっかり【検閲済み】を寝過ごしそうになる。昨晩もやはり寝付けず、途中で何度も起きたうえ、よくわからん悪夢にうなされた。
何かとても恐ろしいものに追われ、全力を持って逃げるって夢なんだけど、やつらはどんな手段を用いても倒せず、そして逃げ切れない。姿も見えないのに恐ろしさだけが伝わってきて、心の休まる場所がない。動き続けなきゃ死よりも恐ろしい目に合う……と漠然とした不安だけが募るというものだった。
疲れているのだろうか。なんとなく例の悪夢の片鱗も感じるし、いよいよもって対策しないといけないのかもしれない。実に一年ぶりくらいだろうか。
二限に先行履修があったため、一限は英気を養うためにスヤスヤする。青松に『最近寝るの多くない?』と言われてしまった。言われてみれば、研究室で寝るときは変な悪夢を見たことがない。なぜだろう。現実の方が悪夢だからだろうか。
二限は化学反応特論に出席する。うっかりシャーペンを机に忘れてしまったために、消えるボールペンで書く羽目に。消えるとはいえ、消しゴムと同じ扱いができないので非常に厄介。なんで今日に限ってこんなヘマをしたのだろうか。
肝心の内容は二次反応の速度定数とかについて。ぶっちゃけ前回とほとんどかわらない。よくわからん式をこねくり回して達成感に浸る。正直あの授業ってすんげえつまらない。
お昼の時間、石垣がコンビニで買ったらしき大量のスター●ォーズのチョコエッグを広げていた。一つ二百円のものを十個近く大人買いしたようで、中の食玩のコンプリートを目指しているらしい。研究室のみんながワクワクした顔で開封作業に入る。
結果、主役級の奴らだけ当たらず、三種類が被るという事態に。ついでにチョコレートも余りまくるという燦燦たる状況。みんなおもちゃだけが目当てでチョコレートには興味ないらしい。石垣は気合で三つ分くらい食べていたけど、『これ以上は鼻血出る』って言ってた。
せっかくなので一個分のチョコレートをもらう。悪くはないけど、いっぱいは食べられないかんじ。昔のチョコエッグはもっとおいしいチョコを使っていたと思うけど気のせいだろうか。
ちなみに、チョコとは関係なしに守島さんが鼻血を出していた。いったいどうしてそうなったのかちょう気になる。
お昼の時間を過ぎても銀さんはこない。今日は連絡の一つも入らない。ちょう悲しくて泣きそうになる。またお酒に溺れたのだろうか。
しょうがないので、午後はアソシスのマニュアルの作成をすることに。その傍らでほかのテーマの仮配生が引継経過報告資料の説明を受けていた。ホントはウチの班も今日やる予定だったんだけど、庄内くんが学外の企業セミナーの予定を入れちゃってたんだよね。
しかしまあ、見事に予定があわないものだ。秋道くんは部活があるし、こっちは院生ゼミもあるし……。おまけに銀さんは結局来ないし……あんまりやることなかったとはいえ、サボり癖がつくのはよくない。
なお、マニュアルはボリュームの【作成】項目まで文章で書き終える。あとはこれに【操作】の説明を付け加え、全体的に図を挿入すればモデリング篇は終わりだろう。モデルさえ作れば後は解析を適当に説明するだけだし、ようやく半分くらい片付く……といったところだろうか。
なんかほかにもいっぱい書くことがあった気がするけど、やる気が出ないのでやめておくことにする。風邪の症状は相変わらずで、是枝さんにまで『風邪ひいているだろ?』と心配された。
これ、一回熱出してリセットした方がいいかもしれない。どのみちこのコンディションじゃ数日のうちには熱を出すことだろう。二十年以上も付き合った体だし、それくらいは感覚で分かる。耳の通りもなんか良くないし。
願わくば、発熱は土日になるように調整したい。とりあえず、オロナミンCとパブロンで週末まで乗り切ることにする。