11月6日 悪い子
11月6日
最近眠れないからか、日中の眠気が凄まじい。泣きっ面にハチとばかりに、風邪の症状も一向に良くならない。全く面白くなってきやがった。
母上が所用で家を空けていたため、朝食は近くのコンビニで調達することに。こないだの揚げ鳥サンドの味が忘れられず、ワクワクしながら支給された千円札を握りしめて行ったものの、売り場には揚げ鳥サンドの影も形もなかった。ちょう悲しい。
どうやらあれ、期間限定かなにかだったっぽい。失意の感情に押しつぶされそうになったものの、とりあえずミックスサンドとツナマヨおにぎりをチョイス。
さらに、どうせあの人もぜいたくしているからと、自分へのご褒美として生まれて初めて極プリン(108円。しかも人のお金)を買ってしまった。今度から悪い子になるって決めたから別にいいよね。
あと、健康も考えてオロ●ミンCも購入。お値段合計601円。一回の食費としてはなかなかに高額だけど、たまにはこういうのもいいだろう。ホント、揚げ鳥サンドがあれば最高だったのに。
研究室に到着したのはいつもよりちょっと遅め。到着後はミックスサンドを楽しみ、オロ●ミンCで持参したパブ●ンを流し込む。その様子を見た柳下に『栄養ドリンクで薬飲むの? 水にした方がいいんじゃない?』と言われた。
おなかに入ればみんな一緒って小さいころから教わったから今更変えようがない。こうすりゃ一発って母上も言ってた。うすうすオカシイことだとはこちらも感づいているが、もうどうしようもないことなのだ。諦めるほかあるまい。
さて、進捗のおさらいだけど、昨晩銀さんから3 kNまでは実験を終わらせたって連絡があった。締め直すたびにひずみゲージが切れる鬼畜仕様らしく、配線をぶわってする係を手伝ってくれた青松も『あれはひどい』と強く主張するレベル。
で、苦戦しつつもなんとか実験を進めたんだけど、途中でひずみ測定器かなにかの電池が切れて実験が進められなくなった……というのが現在の状況。
一晩中実験をしてくれていたからか、銀さんはすごく気持ちよさそうにスヤスヤしていた。本当にお疲れ様です。
さて、あとはこっちでゼミ資料をできるところまで書こうと思ったら、なんとそれも銀さんが大枠を作ってくれていた。あとは軽く修正し、実験値を載せるだけ。
『前回苦労を掛けたからね』って言ってくれたけど、さすがにここまでやってもらえるとなんか申し訳なくなってくる。銀さんの本気に驚愕を隠せない。
午前中はそんな感じでゼミ資料の細かい修正を施す。【検閲済み】の記述を消し、実験条件とかの詳細を整えた。南郷さんから電池の件を聞くまでぶっちゃけ暇だったともいう。
で、南郷さんが到着したところで電池について聞く。衣笠先生が知ってるはずとのこと。先生の授業が終わり次第聞いたところ、あの機械のバラし方と電池の型を教えてもらった。電池、普通の単三とかじゃなくて四角いお高いやつだった。
【検閲済み】班とかのクッキングシートは雑費で落としているため、銀さんにもそのような形でお金を工面するように頼んだ……のはいいんだけど、電池がなんと1300円近くもした。さすがに雑費で落とすのには大きすぎる額。
それでもなんだかんだ『しょうがねーなー』って雑費で落とすことを了承してくれたみんなに感謝の念を隠せない。もしアソシスで解析が必要になったら喜んでモデル作りをしてあげようと思う。
午後は銀さんが実験を進める。こちらもそれを見学する傍ら、一体型の解析を進めた。
が、データが出そろったところで驚愕の事実が判明。解析値と実験値で【検閲済み】の値にかなりの差がある。低締付力のときなんて1000近く、高締付力の時でさえも500ほど。
【検閲済み】にひずみの理論値を使っているとはいえ、さすがに大きすぎる。これだけズレているとそもそもの【検閲済み】という目的が果たせない。それに、先代たちは誤差はせいぜいが±10 Hzほどだった。
さすがにこれには動揺を隠せない。誤差要因なら考察できるにしても、ここまで来ると解析か実験が間違っているとしか思えない。が、一体型の実験値と解析値はいい感じになっていたので、少なくとも実験において失敗したって感じではなさそげ。
そうなるともう解析になるけど、心当たりがそれなりに多くて困る。【検閲済み】パラメータはそもそも信用ならないし、衣笠先生プログラムもブラックボックスと化しているから思い通りに使いこなせているとは言い難い。
さりとて、少なくとも悪いところは見つからない。学会でのモデルでその有効性は検証されているし、あれと同じ座標、同じ厚さの直交異方性弾性体要素を用いている。となると、純粋にモデルそのものがおかしい可能性が強い。
でも、それは一体型の解析値と実験値の比較で問題ないことが証明されているわけで……ホントどうしてこうもうまくいかないのか。
ストレスのせいか、夕方ごろに風邪の症状が悪化する。衣笠先生も心配してくれた。研究室に有り余っているらいじんを柳下に唆されて飲む。ちょびっとだけ元気になった。
あと、いつのまにやら研究室旅行の写真とかがHPにアップされていた。うちほどアクティブにHPの更新をする研究室はないと思う。渡した覚えのない導流堤の写真まであったのがちょっと気になったけど。
結局、2100近くまで考察に頭を悩ませることに。割とヘボい内容を考えた後で、実験の時に中空を模擬したスポンジが【検閲済み】、および【検閲済み】を何らかの形で阻害している可能性を思い至る。
去年までのモデルは【検閲済み】が中央のみでスポンジ付近にはなかったから、そこで問題が起こったんじゃねーかって思ったの。モロに【検閲済み】がスポンジに乗ってるし、これもう来たんじゃねってなったね。
早速解析してみる。両端のみを固定するという、やり方も教わっていない初めてのことなのに、エクセレントにジーニアスでハイテンションになってたもんだから一発でその条件を付与することに成功。
しかも、実験値とほぼドンピシャの結果が返ってきた。マジで奇声をあげそうになった。
が、【検閲済み】になるほど値がずれていくことが判明。それでも500程度だから、両端自由の時よりかはいい感じ。なんて考察すればいいのかわからないし、その理由も不明だったから予備資料として持っておくことにした。
まさかこの判断が後の悲劇に繋がるとはだれが思ったことだろう。
長くなったがだいたいこんなもんだろう。二日前だしテンションがおかしいから文章にまとまりがない気がする。が、気にしない。