9月29日 しゅーみんの悲しきすれ違い
9月29日
研究室への到着はいつもと同じくらい。最近眠れないせいか、非常に上瞼と下瞼の仲が良い。人の顔面でなにイチャついてんだと思ったけど、よく考えたら己が体の一部であった。
二限に授業が入っていたため、研究室に到着後はダラダラとする。羽鳥に『仮配歓迎会のための食堂押さえに行こうぜ!』と誘われるも、時間がないのでパスしておいた。なお、羽鳥は福山を引き連れて食堂に向かっていた。
さて、そんなこんなしていると柳下から着信が。昨日のグランドの件で受付まで赴いたのはいいものの、コートが一面しか空いていないからどうしようって話だった。
とりあえず、試合のコマ数の確保が最優先だったため、一面でもいいから押さえてくれとお願いする。時間は1500~1700の間。これで当初の予定から三コマロストに抑えられたので、適当に試合を組みなおせばなんとかなりそうになった。
なお、お値段は千円前後で結構リーズナブル。来年やるとしたら、最初っからここを押さえた方がいいのかもしれない。
二限は城木先生の授業に出る。いつもと同じような感じで進み、話題はすっかり仮配の抽選に移って行った。
なんでも、しゅーみんは現三年生の倉石さんって人に熱烈なラブコールを送っていたらしい。『佐渡先生、六笠から浮気しやがった』とは城木先生の談。
で、しゅーみんは倉石さんに『うちくるよな? な?』、周りにも『うち倉石欲しいんですよねー』……みたいな感じで牽制をかけまくっていたそうな。
ところが、城木先生がなんだったかの機会に倉石さんと話をすると、『表面じゃなくて基材研のつもりですけど』と衝撃発言が。城木先生自身も倉石さんとしゅーみんは相思相愛だと思っていたため、しゅーみんの発言に疑問を覚えたそうだ。
さて、いざ成績優先のリストが発表されると、倉石さんの名前は表面研ではなく基材研にあることが発覚。しゅーみん、城木先生に『え? え? なにどういうこと? えっ、先生何かしたの?』……と、しつこく絡んできたそうな。もちろん城木先生はなにもしていない。
ちなみに、そうでなくともしゅーみんは仮配の抽選会の時にいろいろと干渉してくるらしい。ほしい生徒の囲い込みはもちろん、『君はウチよりも基材研のほうがあっている』などとヤバい奴を押し付けてくることもあるそうだ。
去年の仮配のときは城木先生は出張だかで出席できなかったため、その介入もかなりひどかったとか。お手伝いの学生は相手が相手なだけに口答えできないし、しゅーみんのほうもかなり強気で来ていたとのこと。
『だから抽選会での俺の仕事は佐渡先生の介入をブロックすることなんだよな!』って城木先生はゲラゲラ笑いながら良い笑顔で言い切っていた。
あと、かつて【検閲済み】学科に研究室が多数あったころ、人気のドベを基材研と何とか研で争い合っていたらしい。かつてもやはり抽選会のようなものがあり、アンケート的なものを回収袋に入れて投票する形式だったらしいんだけど、ここで何としてでも勝ちたかった城木先生は可愛い女の子に票の回収係をやらせたそうだ。
で、普段は第一志望者数ゼロ、第二志望でようやく一人二人くるかな……程度の基材研なのに、なんといきなり五人近くもの票が集まったらしい。もちろん、全員アホ面晒した男だったそうな。
なお、その回収係を務めた可愛い女の子は、新歓会での顔合わせ、自己紹介の時に『実はM2でもうすぐ卒業です♪』と公表したとのこと。『あのときの連中の表情はマジで笑えたね!』って城木先生は腹を抱えてゲラゲラ笑っていた。私もぜひ見たかったものである。
午後は先行履修の用紙を書き上げる。時間ないので詳しくは省くがいろいろアレだった。羽鳥は先生の名前を覚えていなかった。自分の直属なのに。
あと、研究室対抗運動大会についても話をした。なんとか時間がとれたこと、景品についてなどを話す。なんとも太っ腹なことに城木先生が予算を三万円も増やしてくれたので、それなりに贅沢ができそう。景品はどのチームにもつけることが確定した。
どうでもいいけど、柳下と先行履修に行くとき、奇妙なチェックシャツの集団に遭遇した。なんだったんだあれ。
さて、ここから本日のハイライトである仮配抽選会の結果……と行きたいところだけど、時間がないからここで済ませておく。かなり強烈に残る記憶だから、忘れることもないだろう。忘れたらその程度だったということだ。
とりあえず、月野はこっちにきた。安川はあれだけ警告したのに抽選で漏れて流体に島流しにされたらしい。あいつの無事を強く祈る。
中途半端だがこの辺にしておこう。さすがに仕事が多すぎる。