9月21日 引張試験
9月21日
特にコメントに困る気候。ありていに言っていつも通り。研究室への到着もいつもと同じ。変わらない日常に安心感を覚えると同時に酷く虚しくなった。変わらないのなら、暖かで優しい日常が良かった。
研究室に到着後は銀さんを待ちがてら学会プレゼンの練習をする。前回の反省を活かしていくらかの調整を加えた結果、十分二十秒というそれなりのタイムに。あと数回ほど練習すれば、内容はともかく形にはなりそう。
銀さんが到着した後は例のトルクの校正試験片の進捗を聞く。実験そのものはできたものの、いくらか値にばらつきが出てきてあまり信用できないらしい。例の塑性変形云々の問題もあるから何度もやってみてもらったところ、明らかに失敗したものを除けば概ねそれっぽい数値にはなった。
いくらか強引ではあるものの、目視により近似直線を作成しようと思う。どうせ細かい数字なんて揃えられるわけがないし、バレなきゃイカサマじゃないって承太郎さんも言ってたから別にいいよね。
お昼の時間、青松がボロネーゼを食べていた。その関係からマイフェイバリットスパゲッティについて少しだけ盛り上がる。
銀さんはペペロンチーノが好きで、青松はタラコが好きらしい。柳下は無駄にシャレオツにペスカトーレとか答えやがった。ちなみに、私の大好きなカルボナーラが一番な人は確認されず。普通に食べるけど一番かと聞かれると疑問を抱かざるを得ないそうな。
午後はとうとう引張試験に挑戦してみることに。銀さんがいつの間にやらこもりんの許可をもらっておいてくれたおかげですぐに行動できるのがありがたい。
が、あの大海先生の部屋の前の引張試験機の使用方法を知っているのはきーたーのみ。そのきーたーは今日は休日故に来ていない。
しょうがないので連絡を取ってもらったら、使い方メモが画像で送られてきた……のはいいんだけど、きーたーもそこまで使ってないないからあまりアドヴァイスできないとのこと。もういろんな意味で泣きたくなってくる。
結局、きーたーメモとマニュアルを見ながら事に取り掛かる。なんとかかんとか設定を終え、引張試験機を動かした。思いのほか大きな音がしてたいそうビビる。銀さんも『ちょっと怖いから退避しとこうよ』っていうレベル。
なんだかんだでポジションの増加に伴い荷重も増えていってはいたんだけど、あまりにも時間がかかる&危なさそげなため席を外していたら、いつのまにやら荷重の値が下がっているという事態に。
どうやらチャックへの取付が甘く、滑りが生じたようだ。しかし、あまりに強く取り付けてしまうとねじ山が潰れて使い物にならなくなってしまう。なんでこうも問題ばかりが積み上がっていくのか。
とりあえず、今日は試験機の使い方と挙動を覚えたってことでお開きにすることに。あれ以上無理にやっても効率が悪いのは歴然。人間、引き際を見誤らないことが重要だと思う。
そうそう、真島さんところも試験をミスったらしい。八回やってデータ採れたのが一回だけだったそうな。どこも大変なんだと実感する。
ざっくりしているがこんなもんだろう。諸事情のため二日遅れて……正確には、今この文章を書いている時点で20??0924の0001を回っている。日記とは本来こうした深夜に書くものだと思うとどことなく感慨深い。
さっさと翌日分の日記も書いてしまおう。忙しいと日記を書く暇もないから困る。