別に寂しくは無いぞ
今日はギルの外出の日。
暇すぎて大量に作りすぎた薬を売り裁かなければならない。もう置く場所がないからだ。
「誰かきても、絶対開けちゃダメだよ。外にも危ないから出ないようにね。すぐに帰るよ、愛してるエリー。」
「分かったから、分かったから早く行きな。耳にタコができるよ。」
「やっぱり結界張っていいかな。」
「やめろと言っているだろ。しつこい。」
行ってきますと行ってからもう1時間程経っているんじゃないだろうか。
中々しぶとい。そろそろ鬱陶しいぞ。
「エリー、行ってらっしゃいのキスは?」
「はぁ…。」
ギルは、随分とワガママになってしまった。こいつの言うことは叶えてやらないと、また調合室の扉に結界魔法を使われる。最悪だ。
調合室に入れなくて、暇すぎて狂いそうだったほどだ。
調合ばっかりするなとかなんとかをその時に言われてしまった。
ギルが暇な生活にさせたくせにだ。
毎日コツコツと作り続けて、効率性も良くなった私は、薬の大量生産技術を編み出してしまった。
そのおかげで、ギルの外出日程が加算されて調合時間が増えるのは、とても良いことだった。
そして、帰ってきた頃にはまた調合された薬が増えているのだ。
本当に素晴らしいことだと思う。
仕方なく額に一瞬のキスをし、送り出した。
このまま1週間は帰って来ないだろう。