生意気な奴だ
「エリー、たくさん薬が売れたよ。エリーの外出って、街に薬を売りに行っていたんだね。これからは僕に任せてね。」
私は、ギルのせいで全く外に出なくなってしまった。
狩だって、庭の野菜だって、薬売りの仕事だって、全てギルがやってしまう。
料理だって、掃除だってギルがやる。
私は暇すぎて、薬の調合に精を出しているのだ。
「また、私の仕事が…ギル、調合だけは教えてやらんぞ。わかったな!」
「はいはい。大丈夫だよ。調合室の危険物は全部取り払ったからね。一番安全なところだ。むしろ調合室にこもってくれてもいいよ。」
「はいはい、なんて返事をするように育てた覚えはないぞ!」
「(育てられた覚えもないよ)」
「なんだ、その生暖かい目は!生意気だ。」
あれから10年。いや、15年だったかな。
ギルはすっかり大きくなった。私の身長をとっくに越してしまって、可愛げのかけらもない。
いや、10歳の頃にはもうすでに越されていたような気もするが、そのときはまだ可愛かったのだ。
いまでは、ギルは逞しくなってしまった。すっかり壁みたいにでかくなった。
「筋肉なんか、美味しくないんだぞ!肉をつけろと言っただろ。筋肉じゃない、肉だ。」
いつになったら、ギルを喰える日が来るんだ。