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人喰い魔女の拾い物  作者: sino.
2/8

その笑顔は卑怯だと思う

「どうしてエリーは、井戸水を使うの?魔法って便利なんでしょ。」

「魔力は自然と湧き出るものではない。食べ物から少しずつ摂取しているんだ。」

「どうしてエリーは、歳をとらないの?」

「魔力が蓄積されている限り、不老の呪いがかかっているんだよ。」

「どうしてエリーは、人間を食べるの?」

「人間はこの世界でなによりも魔力を含んでいるからね。たくさん魔力を摂取できるんだ。」

「どうしてエリーは…」

「ギル。疑問を持つのはいいことだが、少し休ませておくれ。」

毎日、ギルの疑問は途切れない。

それだけ無知だったのだ。だが、文字は教えたので本は読めるはずであるのに、よく質問をしてくる。

嫌がらせとしか思えない。

ギルは、大きくなった。10歳になったばかりだ。

拾ったあの日から、もう四年近く経っているのに、一向に美味しそうにならない。

「エリー。ご飯できたよ。」

私のする事なす事に興味を持ち、すぐに色んなことを覚えていった。私のいろんな仕事を、ギルは取り上げてしまうのだ。

それも、完璧な形で。

「今日も…おいしいよ…。」

別に悔しくなんかない。楽ができているんだ。私より美味しい食事だって作れるし、掃除だってうまい。何度も言うが、悔しくはない。

「よかった。今日はエリーの好きなシチューだもんね。たくさん作ったからね。」

ギルは、どうやら私を太らせたいらしい。おかしい。私がギルを太らせるはずだったのに。

しかし、にこにこと嬉しそうに、平らげたばかりの皿を奪い取って大盛りにシチューを注いでいるところをみると、何も言えなくなってしまう。

「はい、たくさん食べてね、エリー。」

ギルの笑顔は、魔力があると思う。

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