胃に激痛が走りました
クロエ視点2
この方は一体何を隠していらっしゃるの?
「殿下、もしかして、なんですけど…
彼女を嵌めようとしていらっしゃいます…?
」
我が意を得たりという顔で笑った殿下の顔は怖かった。
クロエは背筋に冷たいものが通ったように体が強張った。
「あら?
どうしてわかったの?」
いや、もう分かるようにしか言いませんでしたよね⁈
さすがにあの腹黒双子に雇われた身なので、それ分からなかったら、首から上が冗談じゃなく、飛んでいきますから!
「そ、それで私は何をすれば…?」
「簡単よ。
彼女は必ず私を庭園に誘い、ピクニックしましょうと言うわ。
貴女はそれに賛同し、頭痛を誘発させる薬を入れたサンドウィッチを持ってくるの」
どこが簡単なのでしょうか、殿下!
そもそも、薬を入れるなんてことがあの双子にバレれば、私は首を切られるだけでなく、存在そのものを消されてしまいますっ!!!
「そ、それを私が、ですか…
そんな大役私が務まるのでしょうか」
「ええ、当然じゃない
お兄様たちの監視役、でしょう?」
……もうバレバレですよ、双子殿下
私は悪くありませんからね!
「わかりました…
その代わり、兄殿下方に近くで待機してもらっても?」
「それも貴女に任せるわ。
取り敢えず、あの殺意の目に耐えられなくなっただけだもの。ついでに彼女を脅して誰が主なのか突き止めたいわね
楽しそうだわ」
それは、何に楽しみを求めているのでしょうか、殿下…
侍女クロエの胃には激痛が走った。
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あの時の私、頑張ったな。
じっとミリアナ様を見つめながら回想していたので殿下方に睨まれている事にも気づかなかった。
「ううーん」
「「ミリーっ」」
「おにーさまたち?
私、寝てたの?」
「ああ、目を覚まして良かった。3時間も眠っていたのだよ」
「そうだぞ、ミリー
あまり心配させるな」
「ごめんなさい」
シュンとした姿を見せるミリアナ様。
デレデレとした顔を見せる殿下方。
ミリアナ様と目が合った瞬間、何か意味深な視線を寄越されたのですけど、気のせいですよね…?
侍女クロエの胃に再び激痛が襲ったのだった
。
2ヶ月空きました(ー ー;)
次こそは…