第六話 この世界になれ始める
生まれて半年がたった。
やることがないからと言うのもあるだろうが時の流れが生まれる変わる前よりも長く、長く感じる。
生まれ変わった年齢が年齢だから、こんなことを言ってはおかしいかもしれないが、歳をとると時間の流れが早くなる、と言うのは本当らしい。
この半年で解ったことは、多分、豊島泰経に生まれ変わったであろう、と言うことだ。
なぜ解ったか。
それは自分がどこの国の、どの武将の一族に生まれ変わったかを判断した時と、似た理由にはなってしまうが、やはり会話に出てくる人物だ。
そしてはっきり言って豊島泰経に生まれ変わったと言うことは知りたくは無かった。
だって、俺の知る豊島氏はこの泰経の代で太田道灌に負けて滅びてしまうからだ。
豊島氏は様々な縁から、長尾景春の乱の時には長尾景春側として挙兵、初期の頃は自分たちの城をうまく使い江戸城、川越城の連携を断つなど奮戦したものの、江古田沼袋の戦いで負け、弟の泰明は討ち死、泰経も行方不明となってしまっている。
これからの時間は江古田沼袋の戦いでいかに太田道灌に勝つかを考える時間に使って行くかなぁ
次回、時をかなり進めさせていただきます。
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