3/15
第三話 豊島の後継者
カタカタカタカタカタ
ある部屋の中に床を叩く指の音が響く
ここは武蔵国豊島郡石神井城城主の間
ここでは現在の豊島氏の当主豊島経祐が何かを今か、今かと待ちわびていた。
「お屋形様、そう慌てず、どっしりと待てば宜しいのですよ。」
「重中、既にお主は子が生まれているからそんな事を言うが、初めての私からしたら気が気でないのだぞ。」
そう、経祐は今、自分の初めての、男子であればこれからの豊島を継いでいく子供が生まれるのを待っていたのだ。
そんな会話を重中としている時ある人物が部屋の前にやってきた。
「お屋形、今宜しいでしょうか?」
「いいぞ、入れ」
この掛け声とともに1人の人物が部屋に入ってきた。
「お屋形様!御生れになりました!健康な男子です!」
この日、豊島を継いでいく事にやる、豊島泰経が生まれた。
ご意見ご感想お待ちしております!