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夏生詩集3

腫れもの

作者: 夏生

腫れています

中に熱と痛みとかなしみと

悔しさと幾ばかりかの退屈が

押し合いへし合いしています


ブッちゅりと

潰してしまいたい

さっさと清らかにして

忘れてしまいたい

思うほど腫れは大きくなって

モゴモゴと動くのです


ホラー映画に悪魔なんかに

身体をのっとられて

汚されるものがありました

あれはある意味本当です


悪魔ほどわかりやすくないから

お祓いするほどのものでもないから

うっかりそのままにしてしまって

気がついたらパンパンに

腫れ上がっていて


悔しさが勝るとき

かなしみが勝るとき

退屈が勝るとき

うねうね動いて

その度に

ああ、ブッちゅり潰してしまいたい

と叫ぶのです


以前に潰した跡が胸奥の側面にあります

やさしい洞窟の中で存分に潰していました


やさしい洞窟は消えてしまいました

腫れを抱えて今

白紙の海に向かって少しだけ

潰しています


人様の目に触れても構わないように

言葉を幾重にも包んで


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