艶やかな水
しっとり実ったあの人を
そっと挟めば
こぼれる
艶やかな水が
あたたかく
こぼれ落ちるたびに
細かな飛沫
ぬぐいきれない
渇いた心を潤してくれる
艶やか水を求め
私はあの人の実に干上がった心を埋める
めぐりゆく艶やかな水の音は
懐かしい鼓動に似ていた
いつかの安らぎがよみがえる
煌めく水の流れはゆるやかで
ゆっくり染み渡ってゆく
あの人は少し疲れた笑みを
浮かべた
私はまた渇く、渇くたびに
あの人の実に心埋める
私がいつか誰かのために
艶やかな水を流せるように
なるまで