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04

 あれから色々やって、とりあえず以下の様なステータスになった


 ----------------------------------------------------------

 アバター名:サン・ジェルマン

 H P:5000(+100)

 M P:2000(初期値)



 STR: 200(+150)

 INT:1000(+950)

 AGI: 200(+150)

 DEX: 200(+150)

 VIT: 200(+150)

 LUK: 200(+150)

 CON:1000(+950)


 残りボーナス:2250

 ----------------------------------------------------------


 念の為、再設定を使ってMPを初期値に戻し、INTによる増加分だけにした

 ボーナスの残りは四割強だが、これを追加で振る分には時間的制約は受けない


 他のステータスの影響力を考えるに、20倍になったINTとCONがあれば当分は大丈夫だろう

 身体能力で言えば俺はオリンピックレベルの超人だ・・・少なくともこの時代には俺に勝てる人間など居ないと思う

 

 さて・・・今度は目的だな


 俺がどの時代にいるかがわからなければ何をすると言っても・・・

 そう考えた所で、今度は左上の隅にエクスクラメーションマークのアイコンが点滅しだした


 押してみると、そこからメニューが現れた


 ----------------------------------------------------------

 ・位置情報

 ・時間情報

 ・設定資料

 ・特殊能力

 ----------------------------------------------------------


 なるほど、このメニューから自分の位置を知るのか


 とりあえず位置情報を押してみる


 『位置情報』

 :ヨーロッパ(ドイツ)


 随分とザックリしている

 次は時間情報を見よう


 『時間情報』

 :1944年5月


 ・・・第二次世界大戦真っ最中じゃねぇか!!

 この時代のこの辺りの情勢なんか知らないし・・・とにかくここから移動しないと流れ弾や不発弾で何時死ぬかわからん


 この場を打開するには・・・これか!?


 『特殊能力』

 ・時間移動

 ・空間移動

 ・認識齟齬

 ・事象干渉


 ・・・「事象干渉」?何だこの物騒なのは


 『時間移動』

 :ボーナス値を払うことで時間を1日単位で移動できます

 :使用したボーナス値はステータスの再設定で戻ってきますが、再設定はアバター内部の時計で計算されている為、短い間隔で何度も能力を使うのはお勧めしません


 つまり、365ポイントで1年移動できるわけか


 『空間移動』

 :ボーナス値を払うことで座標を1時単位で移動できます

 :使用したボーナス値はステータスの再設定で戻ってきますが、再設定はアバター内部の時計で計算されている為、短い間隔で何度も能力を使うのはお勧めしません


 つまり、緯度・経度を1時単位で移動ということか

 この場合の1時とは360/24で15度、約1700kmだから、この能力で日本に渡るのは非常に難しいことがわかるまた、自分の座標を正確に理解しないと正しい位置に行く事も難しい


 『認識齟齬』

 :人間だけでなくあらゆる存在から認識されにくくなる

 :ビデオカメラなどに映っても気が付きにくくなる


 なるほど、サン・ジェルマン伯爵の都市伝説にある「いつの間にかそこに居た」というのはこう言うことか


 そして最後にこれか・・・


 『事象干渉』

 :奇跡を起こす力

 :自分に不都合な天災を抑えることが出来る

 :ただし、長く止めれば他へ影響が出るため、速やかに事象範囲から離れる事を勧める


 なるほど・・物騒というか自衛の為の能力という事か


 これらの能力を効果的に使うとするなら、何か大きな天災に遭った場合時間移動なり空間移動なりでまず移動をしろということだろう

 使い方さえわかればどうとでもなるな


 まずは時間を移動するか・・・今からだと5年くらい遡れれば良いところか

 メニュー起動・・・特殊能力・・・時間移動・・発動!


 発動を選択した瞬間、移動日数のメニューが出た・・・カウンターを+に回すか-に回すかで移動する時間を設定するようだ

 とりあえず5年遡るから・・・-1800にしておくか


 決定を押すと、見る間に周りの様子が変わる・・・街は廃墟から正常な姿に戻り、少し大きめの都市であったことが伺えた

 時間情報を確認する・・・1939年6月になっていた


 1800日だと丸5年から約一ヶ月少ないので確かに1800日遡ったのだろう

 1939年6月といえばまだポーランド侵攻前・・・いくらでも世界情勢を書き換える事は出来そうだが止めておく

 戦争の流れ自体は時代が生んだ物だ、仮にこの侵攻を止めた所でまたどこかで紛争が生まれる

 ならばこんな所で貴重な能力を使うことは無いだろう


 とりあえず世界地図を入手・・・まずは中国の都市部と同じ緯度になる場所に移動しなくてはいけない

 更に言えば1700kmずつしか移動できないわけだから、微調整の分横にも移動する必要がある


 ・・・いかん、金が無い


 とりあえずここは大きな町のようだ、学校なり軍の施設なりがあってもおかしくは無い

 適当な大きな施設を探すと、おあつらえ向きの建物が見えた

 門にはご丁寧に門番というか衛兵のような・・・ぱっと見軍人とわかる男たちが立っている


 恐る恐る門の前に立ってみる・・・全く注意をされない

 徐々に徐々に門に近づく・・・何も気づいていないような反応だ


 運良く門も開いているようだし、思い切って中に入ってみた

 ・・・止められなかった


 誰も止められないのかと思っていると、中に入ろうとした犬は追い払われているし、中に視線を向けた人間は注意を受けている

 確かに認識齟齬は起きているようだ


 玄関扉を開けて中に入り、偉そうな人が居るであろう最奥部へと向かう

 いかつい扉を衛兵が守っている部屋が見えた・・恐らくここが一番偉い人の部屋だろう


 扉に手をかける・・全く注意を受けない

 扉を開けて中に入るが、中にいる人間は一切こちらに注意を向けない

 扉が開いた事にすら気付いていないようだ


 気分はぬらリひょんだな


 運良く中には大きめの地球儀があった、これで大体の緯度・経度がわかる

 くるくると地球儀を回す・・・北京が大体北緯39度54分東経116度23分

 同じ緯度でヨーロッパだと・・・うわぁ・・長靴の裏(南イタリア)かよ(汗


 いや、最短でいけるのがそこなだけだ・・・半島を避ければギリシャなどもある

 北に15度ずらして経度を15の倍数減らして・・・


 デンマークの・・・海だな、これ

 東経を15度足すか東西に数kmずれる前提で周囲のどこかから出発するか


 一応陸路で近くまでいけるか・・・60km西に行くか50km南にいくか・・・島に渡るかか

 東経を15度足すと地名も知らないような東欧の一角だ・・・交通手段が限られるので避けたいな


 いや、北京の辺りはある程度大きな町がある

 天津辺りを目標とすれば何とかドイツ国内で・・・うん、いける


 とりあえずバルト海側に行かないとな・・・やってみるか


 「すいません、ちょっとバルト海の方に行きたいのですがお金を貸してもらえませんか?」


 交渉能力とコネクション、そして認識齟齬による誤解

 つまり、相手は俺のことを知人、または上司と強力なコネのある何者かと勘違いをしているはずだ

 彼にとって無理のある提案でなければ割と楽に要求が通るはず・・・INTとCONに1000ずつ与えている結果がどう出るのかも試せるはずだ


 「おお、そうですか。では軍の物資輸送列車にご搭乗下さい、今許可証を発行しますので」


 許可証ときたか・・・もしかすると自由に鉄道にも乗れないか、または軍の列車の方がスムーズに行けるかどちらかという事だろうか?


 「助かります、それではこれで失礼させていただきます」


 多少言葉遣いがおかしくても、認識齟齬で勝手に脳内補完してくれるだろう・・ありがたいことだ












 許可証を受け取り館を出、駅に向かうとそこには物資輸送の為の列車が出発準備をしている所だった

 許可証を見せるまでもなく列車に乗り込み、俺は一路バルト海方面へ向かった










 ブレーゼン・・・近くの地図を開いて確認した地名はそう書かれていた

 列車はそんな所には止まらないので、最寄り駅で降りる事になった

 目的座標から西に数km離れたところに湖があったので、そこを目的地に送ってもらった


 ここからなら多少ずれても中国の都市部に着ける・・はずだ


 メニュー起動・・特殊能力・・空間移動・・発動!


 座標指定画面が出る・・Xとyで指定するようだ

 確かxは横軸、yは縦軸だったか・・・x:-1、y:+7・・決定!


 瞬間、実体の無い自分がその座標に跳んだ・・どうやら安全な位置に移動できるようだ

 俺は路地裏に入り込むと、その直後、アバターが実体化したのを感じた


 位置情報を確認する・・・天津の外れに出られたようだ


 とりあえずここで数日様子を見よう・・・最短でも再設定を使えるようになるのは明日の午後、日本に渡るのはその後だ












 翌日、再設定ボタンを押すとメニューボタンが点滅した

 メニューを起動してみると、特殊能力の項目が点滅していたので開く・・・新しい能力が追加されたらしい


 『時空移動』

 :時間と空間を同時に移動することが出来る

 :時間移動と空間移動を実行する事で開放

 :ペナルティとして、時間・空間共に1ポイント当たり100分の1しか移動できない


 ・・・このペナルティ、実はペナルティじゃないな


 1日の1/100は約14分、座標15度の1/100は約17km

 つまり、14分過去に遡る事で17km刻みで移動をする事が出来る事になるわけだ

 現在地から日本まで約1500km

 正確な距離さえ測れればかなり都心に近い所に行く事が出来る












 とにかく東京に行かなくちゃいけない

 戦争を止めようなんて殊勝な事は思って居ない、だが日本の立場を少しでも良くしたい

 昔から、もしタイムスリップしたらやりたい事の一つだった


 その為の方策はいくつか考えてある


 まずは真珠湾攻撃の阻止だ

 あれは時の大統領の陰謀だったという説もある

 暗号通信を傍受しておきながら一切の警告をすることなく攻撃を見過ごし、結果一般人に多大な被害を出したというこれまた都市伝説だ


 だが、奇襲をかけた日本も悪いが、それを利用して士気を高めようとしたアメリカは許せない

 人の命を何だと思っているのだろうか・・ましてや自国民の命を


 ではどうするべきか?


 まず軍内部の暴走を止める事が必要だろう

 日本軍は自国の体力の無さを自覚しながら、体力が切れる前に決着をつけようと暴走をしたと言われている

 まずはそこを正さなくてはいけない


 だが、日本は列強に因って経済封鎖を受けていたという事実もある・・・これをどうにかしなければいずれ無謀な会戦に踏み切るだろう

 どうすべきか・・・まずは現状を調べるべきだと考え資料を確認してみる事にする


 このシステムには現在の状況を知る為の「設定資料」を閲覧する機能がある

 これを使って、まずは日本の立ち位置を改善する方策を練ってみよう











 とりあえず、アメリカと中華民国の関係を悪くしてみた

 真珠湾攻撃の引き金はABCD包囲網であると言われている、その内容は資源の宝庫である中国を列強が独占したいが為に、日本を追い出そうと動いていたと言う物だ

 しかし、列強も単に日本を追い出すことは出来ない・・そこで、中国からの要請を受けたと言う低で日本を追い出したと言う話だと聞いている・・・史実がどうかはこの際どうでも良い


 まずは中国国内に「欧米は中国の資源が目当てだ、日本を追い出したら中国を分割統治するに違いない」と言う噂を流す

 次に「日本は欧米を避ける為の盾にはもってこいだ」と言う噂を流す


 これでまずは中国国内に欧米への不信感が生まれるだろう


 次に、イギリスにアメリカへの不信感を植え付ける

 「アメリカはドイツが疲弊するのを待ってヨーロッパに攻め込むつもりだ」

 「物量、技術力、共にアメリカは桁違いだ。大西洋などアメリカには無いも同然、大地の如き艦隊でいつでも攻めに来られるだろう」


 嘘ではない

 現実に日本に対してその物量を使い太平洋を越えてきたのだ・・・大西洋などどうと言う事も無い

 アメリカが日本を先に狙ったのは他でも無い・・アジアに魅力を感じていたからだ

 それはイギリスも判っているだろう・・・アメリカが本気を出せばアフリカの植民地などあっという間に奪われるのだ


 彼らはそれを理解している・・理解しているからこそ、こんな噂でも揺さぶれる

 だが唯の一市民が流した噂ではすぐにもみ消されるはず・・そこでコネクションが生きてくる


 俺は経済界の重鎮たちを利用して噂を流した

 実際に世界を動かす彼らだからこそ、噂は真実味を持ってゆく

 彼らを敵に回すと言う事は、世界を敵に回す事なのだ










 かくして、ABCD包囲網は実現しなかった

 日本はアメリカを無視してアジアを征服して行き・・・アメリカはドイツと敵対しつつ各国の持っていたアフリカの植民地を我が物にして行った


 歴史上「太平洋戦争」はなくなったが、代わりにドイツに原子爆弾が落とされることになった

 「原子爆弾の投下」と言う歴史は、アメリカと言う存在がある以上避けられる歴史ではなかったようだ


 その後、ソビエトが中国共産党をけしかけて内戦を始めようとしていることを知った俺は、アメリカと共謀してこれを阻止、中国共産党そのものを壊滅させることは失敗したが、その勢力を中国北部・・ソビエトとの国境付近に封じ込めることとなった

 これにより中華民国は民主主義国家として繁栄をする事になる


 次にソビエトが目をつけたのが朝鮮半島だった

 中国共産党が追い込まれたのが朝鮮とソビエトに挟まれた地域だった事もあり、共産主義の機運が高まっていた


 しかし俺はそこに水を注す・・注し捲くる


 まず朝鮮北部の農村部にこんな募集をかける


 『契約農家募集、農場の用意あり。一族で中国に移住しませんか?』


 特に制限を設けないで居たら、一千万人もの農民が中国に渡って来た

 移動手段をこちらで用意したのも大きかったようだ


 これに因って共産主義勢力の戦力は著しく落ちる事になった


 元々太平洋戦争がなかったこともあり、朝鮮は日本の統治下のままだった為、この活動は国境近くまで追いやられる事となる


 俺は朝鮮半島を独立させる事にした

 その際以下の条件を付け加えた


 一つ、独立以前に受けた損害に対しての賠償は、民間に至るまで未来永劫求めない。

 二つ、共産国家への転進は行わない

 三つ、いかなる国へも敵対行動を行わない


 この条件には以下の権利が付随する


 一つ、正常な経済活動が行えるようになるまで、日米から支援を受けられる

 二つ、民主主義国家として、対等条件での貿易が出来る

 三つ、自国を標的とした攻撃が行われた時、日米による防衛支援を受けられる


 これらを実現する為に、朝鮮半島内に防衛軍、及び貿易税関・貿易港の整備が日米の資本に因って行われることとなった


 ソビエトの脅威はいまだ止まらない

 俺の知る歴史では終戦のドサクサに行われた北方侵攻

 今更ながらそれが行われると言う情報を受け、俺は行動に移る


 まずソビエトとの不可侵条約を締結する

 しかしあの国はこんな物屁とも思わないだろう・・そこでアメリカの出番だ


 今度はアメリカを相手にこんな条件を出す


 オホーツク内の日本領海での操業権を餌に日本の防衛を依頼したのだ

 無論、こんな依頼をアメリカが受ける理由は無い


 だが「日本領海での操業権」と言うのがポイントだ

 これは「日本の領土」があればあるほど操業できるエリアが広がる

 更に言えば、唯でさえ敵対しているソビエトの喉元に「自国の漁船の護衛」を理由に軍艦を配備できる


 そして「日本の防衛」と言う理由を盾に日本にも黙認してもらえるのだ

 アメリカにとっては好条件だろう


 こうして、俺は自分が考えていた状態にまで日本の歴史を改変した・・・ここから日本はどうなるのだろうか?


 とりあえず再設定を使って10年ほど時間を進めてみよう













 1959年

 ちょっと行き過ぎた


 色々な条約が結ばれていた・・・歴史の改変により消えた条約、増えた見知らぬ条約


 そんな中、来年には日米安保が待って居る

 これは俺が関わったので確実に行われるはずだ


 約10年の間にソビエトは執拗に勢力を拡大しようとしていた・・・おいおい、もう樺太全部取られたのかよ

 どうやらあそこがソビエトの物になるのは変えられない流れだったようだ


 日本は帝政から民主制に切り替えられた

 海外からの圧力ではなく、軍部の暴走が目立った先の侵略戦争において天皇を蔑ろにしていると言う実態が発覚し、天皇による軍の制御が出来ない事から天皇はそのまま国家元首としておいた上で、議会制民主主義をとることになった

 また、日本は侵略した各国に自治権を持たせ、場合に因っては独立を支援した


 これは俺があずかり知らない事だったが、領地経営とか色々面倒だったのかもしれない

 しかし、日本の領地経営は非常に優秀だったらしく、どの国でも大体は感謝されていたようだ


 俺は安保の成立を見守ってからまた10年近く時間を勧めた














 1970年

 大阪万博か・・・無事この年にやったんだな~

 この時代はまだ反原発の動きは少ない

 今の内に潮力発電、風力発電、廃熱発電の理論をばら撒いてみる


 ちなみに廃熱発電とは熱源外部に低温で気化する液体を回す事で低温で高圧力の蒸気がタービンを動かす発電システムだ

 理論上は温泉排水の熱で発電ができると言う聞きかじり程度の知識だが、今ここで種をまけばあるいは・・・













 1980年

 そろそろ日本が浮かれ出すころだった


 俺は経済学者に実体の無い株価上昇などの危険性を考えるように働きかける

 俺は専門家ではない、半端な知識は混乱を招くだけだ

 今は種を撒くだけ・・それだけで良い












 1990年

 バブルの悲鳴が聞こえる

 どうやら忠告の為に撒いた種も、浮かれた俄か投資家の耳には届かないらしい


 中東では紛争が止まない

 石油を中東頼りにしている為、日本では石油の高騰が始まっている


 チェルノブイリ発電所の事故などもあり、日本では俺の撒いた発電案が本格的に実用化を目標に動き出していた

 もう元の時間に戻っても良いだろう


 そう思うと、ふっと意識が遠くなるのを感じた










 目が覚めるとそこには・・・


 「見知らぬ天井・・か」


 周りを見るとそこは病院だったようだ

 暫くすると看護士が来たので聞いてみる

 昨日の午前中・・・恐らく意識を失った直後に俺は病院に搬送されたらしい


 とりあえず会社に電話をかけてみると主任が出た・・・主任は俺の話の内容そのままならそろそろゲーム機が消えるころだろうとコントローラーを注視していたらしい

 しかし、中々消える様子が無いところに俺から電話を受けてびっくりしたのだと言う


 「で、どうですか?消えましたか?」


 まさか後は任せろと言っておいて、いきなり救急車で丸投げするとは思わなかった

 まあ、確実は確実だが万が一が無いとも限らなかったろうに










 結局俺の電話に気を取られた間に消えたらしい

 こうして、俺の都市伝説体験は幕を閉じたのだった

















 当然のことながら、世界は俺の知る歴史からは大きく変わった・・が、経済状況はあまり変わらなかったようだ


 後日、俺の手元にある建物の権利書が届いた

 それはとある山奥の一軒家・・・つい先日まで管理契約を請け負っていた会社に管理委託されていたのだが、その契約が先月切れたらしく、切れた後は俺に連絡が行くようになっていたらしい


 建物の地下には純金が1トン埋蔵されていた


 土地建物の名義は「サン・ジェルマン」

 俺がアバターを操っている時に、「もしかして」と思ってやった細工だった


 俺はその金を元手に何をしようかと悩むのだった

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