人生最悪の朝だな・・・
一二三「それでは、この世界についての説明とルールをお話します。まずこの世界は神達の観賞用として創られた世界だと言われています。現世を終えた人間が第2の人生ではどんな行動をするのかを神達はただの興味本位でこの世界を創りました。」
男性A「んじゃ、ここはただの暇つぶしで創られただけなのか。」
一二三「はい、ただの暇つぶしです。」
「ですが、ただの暇つぶしだと飽きてしまうので1人の神はこの観賞の世界を面白くするために現世にはないルールを付け加えて皆を飽きないようにしました。」
女性A「ルールってなんですか。」
一二三「はい、それでは説明します。」
一二三「まず、この世界での生活スタイルは現世と同じです。仕事をして、給料をもらい生活をします。皆さんは1度死亡しましたが、ここでは現世と同じ空腹もあれば欲もあります。ですが、1度は死んでいるので食べなくても死にわしません。もちろん病気などもありませんので病死もありません。なので実質この世界の人は永遠にここで生活ができます。」
男性B「それはいい。私は心臓麻痺で死んだんだ、もうあんな苦しい思いは無いんだな。」
一二三「はい、ここでは100年、200年この世界に住んでる人達も少なくありません。」
和樹「んじゃさ、わざわざ仕事する必要無くないですか。」
男性C「そうだな、食わなくても生きていけるなら働かなくても良いよな。」
一二三「確かにそうですね・・・ですがこの世界にはお金が必要なのです。実はお金によって又現世に生まれ変わることが出来るのです。しかも金額によっては顔や家柄、その後の未来も好きにカスタマイズができ、理想の人生が約束されます。たまにテレビで前世の記憶がある人がいるでしょあれはここの人がお金をだして生まれ変わったからです。」
女性B「どれくらいで生まれ変われるの。」
一二三「そうですね、値段はピンからキリまでですが、普通の人生で1億ぐらい、もし将来有名な人になるのなら10億はかかりますね。後で生まれ変わりのパンプレット配りますのでご覧ください。」
女性B「そんな大金たまるわけないじゃないですか。」
一二三「大丈夫。皆さんには時間がいくらでもあるのですから少しずつ貯めればいいのですよ。ちなみに皆さんが現世で貯めた財産はそのままこちらの世界に移行しますので後で銀行口座の手続きもお願いします。」
一二三「それでは、最後にもっとも大事なルールを説明します・・・それは、」
すると突然サイレンが鳴り出した。
サイレン「ア゛ぁ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
不気味な音が響き渡る。
和樹「うるせえな、なんだこのサイレンは・・・」
一二三「ちょうどいいですね。口で説明するより実際に見たほうがいい。皆さんついてきてください。」
一二三は和樹達をつれて周りを見渡せることができる屋上に案内した。和樹達が街のほうを視ると住人同士で殺し合っているのが視えた。それもそこだけではなく、見渡すとあちこちで人間同士が殺し合っていた。
女性A「キャーーーーーーーーーーーーー」
男性D「うっ、、、うぇーーーー。」
和樹達はその光景を見て叫び、嘔吐した。
一二三「最初は皆さんその反応しますが数をこなせばすぐに慣れますよ、私もそうでした。」
和樹「なんで住人同士が殺し合っているんだ。」
一二三は少しにやけて言った。
一二三「それは、皆さんがこの世界の住人なったからです。この世界には定員数があり、溢れた分は住人同士で減らしているんです。」
和樹「なんだよそれ・・・・」
一二三「私達はこれを「デリートタイム」と呼んでいます。月の最後に開催され現世で1ヶ月間で死んだ人の合計分削除されます。これが神達が飽きないために追加したルールです。」
一二三「皆さんも1ヶ月後にはこれに参加してもらいます。それまでにお金で武器を買い身を守って自分が削除されないように気をつけてください。」
その時和樹は神父の言葉を思い出した。
神父「第2の人生せいぜい気をつけなさい・・・。」
和樹 (これがあるから神父があんなこと言ったのか。こんなのだったら生きてた頃の方がずっと良かったよ。普通の人生なら1億で買えるんだったよな・・・)
サイレン「ア゛ぁ゛-------------------------」
一二三「今月分のデリートは終りましたね、これで説明会を終ります。いまから下で講座をを造り各自解散してください。」
和樹達はそう言われると下の受付で銀行の口座を造り解散した。死役所を恐る恐る出るとさっきまで殺し合っていたのがウソみたいに街は普通だった。
和樹 (絶対生き残って生まれ変わってやる。)
その夜、和樹はビジネスホテルに泊まり今後のことを考えながら眠りについた。
次の朝和樹はだるそうに体を起こしカーテンを開けて言った。
和樹「はぁ~人生最悪の朝だな。」
第3章 「人生最悪の朝だな」 終わり