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俺は邪神の登場シーンを思い出すと普通になる方法を聞いてみた。
「最初にゆっくり登場してたってことは、人間と普通に会話できるのか」
邪神は一瞬は?という顔をすると、予想して答えた。
「そりゃあもう邪神ですし、とりあえず会話できないと、やってけませんからね」
「その方法はどうやるんだ?」俺は期待しながら答えをまった。
「そりゃあ、気合いです!」
邪神は腰に手を置くと自信満々だった。なんか俺の思ってたのと全然違っていた。
俺は神も我慢してたんだなあ感心しながら言った。
「ってことは普通に我慢してゆっくり話してたのか?」
「そうです!あれ大変なんですよ!」邪神は褒められて嬉しそうだ。
俺は立って寝る方法を身につけていたが、会話ができなかった。
それなのに気合いであんなゆっくりとした動きをしていたかと思うと尊敬してしまった。
「お前すごいやつだったんだな」
「時間はありましたからね、おじいちゃんも言ってました。石の上にも1万年と」
邪神は腕を組んで頷きながら続きを話した。
「そして習得したのが、あの黒い気合の空間です。遅く喋る必要がありますが、喋っただけで吹っ飛んだりしないから便利でいいんです」
邪神は身振り手振りしながら説明をさらに続けた。
「でも昔、他の神はいい感じで人と喋ってて、羨ましいっておじいちゃんに言ったら、よそはよそうちは気合って言ってましたから。うりゃあああ!」邪神はそう言って気合を込めた。元気がよかった。
俺は神様にも家族がいるのを聞いて、なんか想像できなかった。
「しかしおじいちゃんて、お前家族いるのか?」
邪神は、頭を傾げまくりながら怪しい記憶を呼び出した。
「ん?...父、母、兄、俺とおじいちゃんとおばあちゃんがいました。...ただ、なぜか兄貴は人間みたいに弱かったから死んじゃったって聞きましたね。...けど子供の頃は父、母は適当だったから、ほぼ、じいちゃんとばあちゃんといましたね」
「そうか、悪いこと聞いたな」俺は頭を下げた。
「いいですよ!だって新しい兄貴でがきましたから」
邪神もそう言ってくれたので俺は嬉しくなった。
「しかし、気合いで1万年は流石に無理そうだな、他の神って会えるのか?そいつらに聞けないかな」
俺は基本、楽なことが好きだったし、1万年というと想像がつかなかった。
「じゃあ他の異世界に行ってみましょう。会いたくないやつが多いですけど...まずは、おじさんの死神が出張してる異世界に行ってみますか」
邪神は近所に買い物でも出かけるような感じで言った。
「死神って、そういうのが得意なのか?」
俺は邪神がこれだと、死神は辛抱とか言い出すんじゃないかと想像していた。
「私より長いことやってますし、なんかコツがあるんじゃないかと思いますねえ」
邪神は思い出そうとしたが何も思いつかなかった。そもそも名前なんだったかなあと思っていたら気がついた。
「そういえば兄貴って名前なんなんですか」
「俺か?名前は好きなように呼べばいい。もう忘れてしまった」
俺は結構長い間生きてきたが、名前を呼ばれた時の記憶すら思い出せないぐらいだった。
「じゃあアニキで」邪神は考えるのは苦手だった。
男はどうでもよかったので頷いた。
俺は名前をつけてもらい、久しぶりに名前で呼び合えると思うと嬉しくなったが、こいつの名前知らんかった。
「お前は、名前あるのか?」
「邪神です、邪神になる前はゴンタでした」邪神はにっこりと笑った。
「ゴンタってお前男なのか?」
俺は見た目が墨を塗ったくった若い女性に見えているので、不思議だった。
「神は見た目なんて変えれますって!これも気合いです!人間の欲望もらうためにいい感じの奴になればいいんですよ。最近の流行りが若い女性系なんですよ。だから最近は、おじいちゃんにはゴンタ子って呼ばれてますねえ」
俺はじゃあこいつは女装した男なんだなあとか思いながら適当に言った。
「じゃあゴンタコだな」




