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しかし、邪神がどこにいるかわからなかった。
ただ、その時魔王の城で魔王を探して見つからなかったので、ついでに食べ物とか探っているうちに妙な所に着いていた。何しろ移動する度に色々壊れ、さらに限界だったのか床が抜け地下の部屋まで落ちたのだ。
中央を見ると邪神ぽい彫像とその足元に何かがっちりと床に固定された禍々しい箱があった。その箱は封印がしてあり絶対に開かないようにしてあるはずだった。だがこの男には関係なかった。
俺は何か箱があったので中に邪神の何か入ってないかと思って蓋を取ろうとした。あり得ない力に蓋は頑張っていたが他が壊れて魂みたいなものが溢れ出て邪神像に吸い込まれていった。
男が中身がなくて残念がっていると邪神像から黒い光が漏れ出していた。黒い光が部屋全体広がると、周りは黒い空間になっていた。そしてその中心に更に濃い闇の塊が集まると人型になり動き出した。
俺は黒いのが出てきた時、なんか始まったらしいことに気付いた。とりあえず待つことにしたが、ものすごい遅い。おれの感覚で90分(実質3分)流れるとやっと闇から人型になった。
「遅っ」いつ会話ができるのか余りの遅さに俺は本音が漏れた。
その時だった急に人型がビクッと動いた。
「お、お前、遅いと言ったのか」
そして少しスローだが聞き取れる言葉で返してきた。なんか思ったのと違う焦った女のような声だった。
だが、そんなことどうでも良かった。この状態になって会話ができたのなんていつぶりだろうか会話が通じるだけで俺はもう感激して涙が出ていた。だが、その涙でさえ突き抜けて何かを破壊していった。
「お、おぅわああ!って...な、なんじゃそりゃあああ!」
邪神は目から光線でも飛び出したのかと思ったら泣いていて更に混乱した。
若干の間が空き、邪神は咳払いすると思い出したようにビシッとしたポーズを決め急に雄大な感じの男らしい声で話した。
「わ、我は邪神である」
こっちをチラチラ見て何か待っているので俺は言いたいことを言うことにした。
「俺は強くなりすぎたので普通の生活ができる方法を探してるんだ」
「へ?はあ?」
邪神は呼び出されていい感じに出たのに想定外の事ばかりで混乱していた。
邪神は言葉に詰まっていたが、俺はこいつがいれば会話できると気付いた。
「というかやっと話が通じるやつに会えて嬉しい、俺と仲間になってくれ」
「な?へえ?」
邪神はやっと理解してガックリと肩を落とすと周りの黒い空間も消えていた。
「ふざけんなあ!邪神だぞ!もっとなんかあるだろ!こう!欲望丸出しのなんかその黒いやつがよ!!」
邪神は黒い外装が取れ炭を塗ったくったような綺麗な女性の姿で言い返してきた。声ももう女の声になっていた。
「特にない」俺は真面目に本心を答えた。
邪神は興味を失ったような顔でつぶやいた。
「てめえはもう死んだ」
そしてまた黒くなると軽く腕を出した。
ただ俺に当たると、その腕がグキっと折れ曲がった。
「うぎゃあああああああ」邪神は転げ回って痛がっている。
「い、痛くないからなあ!」邪神はなんとか手を治し埃をはたき落とした。
そして荒い息を整え一息つくと気付いた。
「あ、あれ?おかしいなあ、夢かもしれない...ってええええよクソが!」
邪神は思い切り捻りすぎた頬を抑えている。
「ま、まあいい!てめえは俺を怒らせた!これから俺の最大の攻撃が当たればお前は完全に消滅する!完全になあ!」邪神の身体中から禍々しく脈打つ黒いものが集まり俺の前で丸くなった。
「俺を怒らせたのが運の尽きだったな、じゃあな!」
邪心の高笑いとともに闇の塊が俺に向かってきたのだが俺にぶつかるとパンといい音がして弾けた。
「へ、は、...当たって...パ、パ...ぺ?」
邪神は黒くなくなると放心状態になってしまった。邪神は頭を抱え考えていた...あり得ないあれに触れたものは何も残らず消え去るはずなのに?攻撃したよな?夢じゃなかったよな?あれ?...答えが出なかった。
俺は元気よかった邪神が急に悩み出したので慰めることにした。
「元気を出せ!」と言いながら肩をポンと叩いた。
すると邪神の半身が吹き飛び死にそうになってしまった。
しばらくして荒い息を吐きながら、なんとか傷を治した邪神は地面に頭を擦り付け土下座していた。
「兄貴、俺あなたについていきます!」
こうして俺に仲間ができた。




