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「ゴンタコお前の気持ちはありがたい。...だが一人で十分だ帰ってゆっくり休め」
俺はゴンタコに笑顔で言った。
「俺暇だからいいよ!」
ゴンタコは笑顔で即答した。昨日までは楽だったな...いい天気なのにな...
「これは、俺一人でやった方が修行になるんだ!わかるな」
俺は真剣に言ったが全く何もわかってなさそうな顔だな...引きつった笑みになる。
「じゃあ俺も修行する。うりゃああああああああああ」
ゴンタコは嬉しそうに気合を入れた。うるせえし、全然話聞かねえ!
メーナーはまだ気絶していて、家はほぼ瓦礫の山と化していた。
しかし仕事が終わったと言って帰ると普通の生活で怠ける計画が終わる。このままではゴンタコが帰ってくれないがどうする?
「アニキ、見た目...少し若返ったね、なんで?」
ゴンタコは首を傾げながらこちらをニコニコと見ていた。
それはお前から逃げるためだと言えないので適当に考える。
「そ、それは、見、見た目を変える練習してたんだ」
俺は、そこで閃いた。この星の魔王を探しているということにしようと。これなら適当に900年暮らしてから、どっかで見つけて倒したと嘘言って帰ればOKだし、こいつも途中で飽きて帰るかもしれん。
「ああ!こ、この星には魔王がいたが隠れてるらしいんだ。だからこの星に慣れる為に今は普通の生活してるんだ」
俺は真剣な表情で言葉に出そうとしたが、ニヤけていたかもしれない。
「アニキ、俺も手伝うよ!うりゃあああああああああ」
ゴンタコが雄叫びを上げながらパンチを連発で虚空に繰り出し俺の家の瓦礫がさらに舞い散っていった。しかし話終えた後に何かしないと死ぬのか、こいつは?
「それなら、お前もまず封印して普通にするからな」
俺はそういうと自分とゴンタコを封印して普通並みにした。
「俺封印できてるの?...アニキすげええ!気合の空間が無くても壊れないよ!」
ゴンタコは瓦礫から棒を掴んで確認すると俺の頭を叩きだした。俺で試すな!
「それは俺の買った家だったんだよ...っていい加減に、やめろぉお!」
いつまでも叩きまくるので、俺が怒鳴るとやっとやめた。馬鹿が棒持つと危険なので捨てさせた。
そんな時メーナーが起きたので、ゴンタコにバレないように耳打ちして口裏を合わせてもらうことにした。
「アニキ?何そいつとだけ話してんだ?...お前誰だよ?」
ゴンタコは顔を上げ下げメーナーを睨んでいた。
「この人はこの星の主神で俺が世話になってるメーナーさんだ、敬え!...あ!メーナーはさん付けいらないからな」
「メーナーだぁ、ゴンダコよろしぐお願゛いしまんず」
メーナーは若干腰が引けながら頭を下げるとゴンタコを不思議そうに眺めていた。
「弟の邪神のゴンタコです。よろしくなメーナーさん」
ゴンタコも笑顔で頭を下げ返していた。素直は素直なんだよな...馬鹿だけど。
「こんれからどぅおぅずんだゲンタ家゛っこ無ぐなっただよ」
「イ゛エエエゴオオオオ!」
メーナーは残骸を眺めて言い。ゴンタコはその横で楽しそうに叫んでいた。殴りたい。
しばらくして俺はゴンタコにも手伝わせ瓦礫の中から生活道具をいくつか取り出しまとめた。一月しか住んでなかったが最初にギルドの報酬の記念で買った食器類や鍋はまだ残っていてよかった。
しかし家がないのは困るなと考え出した時だった。俺は思いついた、悪党からぶんどれば楽だなと。
「メーナーこの辺に盗賊の隠れ家とかないか?」
「めえ??」
メーナーの頭の中で破壊神と邪神が倫理の天秤でシーソーをしていた。
メーナーはしばらく悩んでいたが悪党ならまあいいかと教えることにした。
「んだしか、ごごどは反対゛の方にあんる家゛が魔王のどざぐざんどきに盗賊が入っだま゛ま゛だんなぁ」
「そうか...それはちょうどいいな...家取りに行くぞ、ゴンタコ!」
俺はゴンタコにやらせれば、もしかしたら楽なんじゃないかと考えていた。
「わかったよアニキ!おりゃりゃりゃりゃああああああああ」
ゴンタコは両腕を振り上げ雄叫びをあげた。不安しかわいてこない。
「滅え〜滅え〜」
メーナーはどちらを見ても何もできることがない事を悟ると開いた目をそっと閉じた。




