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不通から普通へ  作者: サラニネル


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15/17

15

「ゲンタぁ、あぃい変わらずぅんだなあ」

勝手に玄関から入ってきたメーナーは昼すぎても寝ているゲンタに呆れていた。

「...今日は休みだからいいんだよ」

俺はあくびをしながら言った。

現在、惑星メーナーで俺は魔王を倒した時にメーナーから資金を貰えたので、まずイナナカ村の外れに小さい中古の家を買った。しかし、だらけていたのと資金の遠慮をしすぎたようで金が足りなくなってきていた。


「そんただ、ん寝てるどぅあけで楽゛しいのけ」

相変わらずメーナーはなまりが酷いというか色々混ざりまくっている。

「...楽しくはないけど楽なんだよ」

俺は3度寝するか悩んでいた。

「そうなんけえ?」

メーナーは布団の横で興味深そうにしている。

「そうなんよ...じゃあ、おやすみ!」

俺は眠気が覚める前に寝た。

「めえぇ」メーナーはつまらなそうな顔で鳴いた。

こんな感じでメーナーは暇なのか時々見に来ていた。


俺はイナナカ村の冒険者の仕事も始めていたが、ランクが一番下のDだったのでまだ雑用しかしたことがなかった。

ランクはAが上級者、Bが中級者、Cが初級者、Dが初心者となっている。あとSという国をまたぐ仕事のできる最上級者もいるのだがこの村にはいなかった。

次の日、俺は選んだ雑用の仕事の張り紙を持ってギルドの受付へ行った。カウンターは3つあるが職員がいないのか2つだけだった。そのうちの小さめでぽっちゃりとした若く見える女性の職員を毎回選んでいる。なぜならミソコイさんという名前で俺が最初に相談した人だし同じ人の方が説明するのが楽だからである。

「ゲッゲさん、いらっしゃ〜い」


俺の名前だが久しぶりに普通の人との会話に緊張していたんだ。だから無駄にかみまくっていたら、なぜかゲッゲになっていた。まあ、もしゴンタコが来た時の為に俺は外見を青年ぐらいに若くしたし、名前も変える予定だったんだ。そうすればバカだから他に探しに行くはずだし、ダメでもそう仕向ける予定なのだ。でもまあ名前なあ...もう少しいいのが良かったな。

「あ!ゲッゲさんにお知らせがありま〜す」

ミソコイさんは相変わらずのんびりした声で話を始める。


「たくさん、外壁の修理とか雑用してくれたので初級者にランクが上がりましたあ。これからはランクCの初級者の仕事も受けれますよ。よかったですねえ〜」

ミソコイさんはニコニコしている。

俺は初級者の方が儲かるなと考えてから言った。

「...す、すいません。それじゃあちょっと初級者の張り紙も見てきます」

そう言って頭を下げると初級者の張り紙を探しに行った。


これまでは魔物を倒すのはランクが低くて無理だったので、雑用しかできず安い上にめんどくさかった。次からは魔物とか倒して金もさらに儲かると思うと顔も緩んでしまう。俺は一番報酬が良いのを選んでミソコイさんに渡した。

「ゲ、ゲッゲさん?本当にこれやるんですか?」

ミソコイさんに渡した内容は...ランクC、パーティ推奨...ゴブリンが近くの森から何匹かいるのを発見した、住み着いてるかもしれないからなるべく急いで討伐してほしい...何匹いるかは不明...証明として右耳を切って持ってくることというものだった。


「よく見てください!パーティ推奨ですよゲッゲさん!確か一人でしたよね?」

ミソコイは初めて会った時からあまり常識を知らないと思っていたが、真面目に雑用をしてくれていたので、いきなりこんな無謀なことをするとは思わなかった。

「はい俺一人です。パーティってなんですか?」

俺はランクと倒すことと報酬が良いことしか見てなかった。

「...パ、パーティは仲間のことですよ、複数でやらないと危ないんですよ?」

ミソコイはガクッとした後持ち直し、これで納得してくれると思い安心した。

「ああ、大丈夫です俺多分強いので」

俺はそんなことかと思い、笑顔を返そうとしたが、やり慣れてないのでぎこちなかった。


「...多分じゃダメですよ〜、下手すると死んじゃいます!」

ミソコイはダメそうな笑顔を察し貧乏でこんな賭けに出たと思うと悲しくなった。

俺はなんかやりにくいと思ったが、一応聞いてみた。

「...じゃあ、受けれないんですか?」

「う、受けれますけど〜、いいんですかあ死んじゃうんですよ?」

ミソコイは以前の魔王侵攻時に無謀な若者が命を落としたのを聞いていたので心配そうに見つめていた。

「お願いします!」俺はこれで楽に金が入るなと思うと嬉しかった。

ミソコイはもう一度外見を見直したが、武具を何もつけてない普通の人にしか見えなかった。頭を押さえながら盛大なため息と共にサインを書くのだった。


その後、俺はとりあえず家にあったナイフとズタ袋を取りに戻った。何しろ証明の右耳を下手にちぎると変なふうにちぎれるかもしれないし持って歩くのも嫌だったからだ。そして準備が整うと、その森に向かった。


街沿いに歩くとゴブリンが目撃されたという森の入り口らしき場所に着いた。俺はその近くの何本か木の生えた草むらで隠れていたが、何も起こらないまま時間が過ぎていった。しばらくして俺が眠りそうになっていたところ、ゴブリン2匹が村の方から多分、盗んできた食料を両手に抱え森へと入って行った。


その後をつけると森のひらけた場所にあった洞窟にゴブリン達が入っていった。まず準備をすることにして、中に入る前に現在封印された状態を少しだけ緩め戦うことにした。とりあえず試しに岩に指を入れたらめり込んだ。まあゴブリンの動きを見ると、こんくらいで十分だろうと思った。


早速、中に入ると1匹だけ見張りらしいのがいたが動きも遅く、頭を掴んだら潰れてしまい耳もどっか飛んでった。あとで探すかなあ。

さらに奥に進むと大きい部屋のような空間があり焚き火を囲み5匹が何かを食べていた。逃げられると困るので入り口を塞いで立つと気付いたのか、棍棒や石を持ち奇声を上げながら俺を取り囲もうとするように少しずつにじり寄ってきた。

パッと見ただけで遅いし、ものすごい弱いので首の辺りをチョップしていたら首チョンパで即死した。楽だなこれ。


あとは落ちた頭を回収しようとしたら全て横に飛んで壁のシミになっていた。

このままだと報酬が無いので入り口付近に戻り最初にどっか飛んで行ったゴブリンの頭の破片を探すことにした。念入りに探した結果、右耳に顔が少しついてたのがあったので慎重にナイフで削ごうとしたら、ナイフの持ち手がにぎった形で潰れた。息を吐き落ち着いてから封印を掛け直し普通まで戻すと、やっと壊れたナイフで右耳を一つ削ぐことができた。耳一つでは嫌だったので気を取り直し奥を探すと盗んだ野菜と何かの死骸が置いてあったので食えそうなものをズタ袋に入れた。結局ナイフが壊れてゴブリンが1匹分の右耳と野菜3個しか手に入らなかった。俺はほぼシミにしてしまったが、一つでも少しは金くれるんだろうと足取り重くギルドに向かっていった。なんじゃこれ。


そして俺はギルドを昼ごろ出て行ったのだが戻ってきた時は、夕暮れになるにはだいぶ早い時間だった。

「ゲッゲさん!?...やっぱりやめたんですね、いいと思いますよ〜」

ミソコイはゲッゲを見るとホッと胸を撫で下ろした。

「あ、あのう、一応倒してきました。これなんですけど」

ゲンタは悲しそうな顔で右耳を一つ摘んで差し出すと、ミソコイは一瞬呆然としつつも確認して言った。

「ああ!1匹しかいなかったんですね...運が良かったですね。でも初めてでゴブリン倒すなんてすごいです!...これが報酬です」

ミソコイは安心すると、今度は興奮しながら報酬を机に置いた。

俺は確認すると雑用の4日分の報酬があることがわかった。それを考えるとシミになった5匹分で20日分は余分にもらえたのになあと思うと悲しかったがミソコイは喜んでいるので無理やり笑うことにした。


その何日か過ぎた酒場で変な話が広まった。

腕利きの冒険者テバサが俺の行った洞窟の近くに来て中を確認していた時の話をしていた。

「...その広い空間に入ると、足元に首から下は何も傷がないゴブリンの体が5つあったんだ。そして調べてみると遠くの壁にトマトみたいに潰れたシミと凹んだ窪みも5つあったんだ。!!!!...俺はもう無我夢中で全速で逃げ出しちまった」テバサは震えあがり、周りは引いていた。


俺は雑用の4日分の収入で気が緩み、また3度寝していた。

その時だった。世界が黒く染まり聞いたことがある雄叫びが聞こえてきた。

「兄貴ぃい手伝いに来たぞおおお!うりゃりゃりゃりゃあああああああ!」

ゴンタコは匂いを嗅ぎ俺の家を壊しながら入ってくると、寝ている俺の姿を凝視して言った。

「あれ?兄貴じゃねえな?...でも匂いが同じだなあ?」

そう言いながら歩きまわると俺の家がどんどん壊れ俺も瓦礫に埋まっていた。もう家はほぼ壊れたし、ここで起きると俺とバレるので死んだふりをした。


「動かないな、これ死んでるか?...でも傷もないしなあ?兄貴の匂いだし?」

ゴンタコは俺の足を掴み上げて匂いを嗅いでいる。早く帰れこの変態バカ野郎子。

「ああ?こいつに聞けばいいんだ、起きろこらあああああああああああ!!」

ゴンタコは思いきり俺の耳のそばで叫んだ。すげえうるせえ!もう殴りたいが我慢する。諦めて帰れ!


「あ、あんのう暗ぁくなってんだども?...あ、あんだ誰だあ?」

メーナーが現れゴンタコはそっちに目をやった。

「おめえ誰だあ?...てめえが兄貴隠しやがったなああ、ぶっころおおおおおす!」

ゴンタコはどこまでも見境ないバカだった。しょうがないので急いで俺は封印をときゴンタコをやめろと掴もうとするとゴンタコの半身が弾け飛び、俺は地面に少し減り込みさらに家が壊れた。

それを見てメーナーは一言泣いて気を失った。

「滅ぇえ!」




「りん」と読まない漢字を「りん」と書いてたところを削除しました。

封印する前に野菜取ってるとこ潰れないとおかしいので封印後にずらしました。すいません。

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