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「うりゃああああああああ!みんな、ただいまあ!」
ゴンタコが帰ってくるなり奇声が響き渡った。
「なんだあ!やっと帰ってきたのかあ?おめえ毎回10年ぐらい迷子になってるんじゃねえのか?」
ダメナヘタレはテレビを見ながら相変わらず屁をこいている。
その横でニコンは笑いながらダメナヘタレをつねりあげていた。
「...またバカが増えたねえ、おかえり!」
ニコンは心の声が先に出ていたが、気にせずお茶を啜っている。
「あれ、アニキはどこ行ったのまだ修行してるの?」
ゴンタコは疲れた感んじで座ると机の食べ物に手をつけだした。
「おめえ、先に仕事しろっていつも言ってんだろ!唾飛ばすぞ!」
ダメナヘタレは顔を突き出し唾を飛ばそうとしている。
「わ、わかったよ...めんどいな」
ゴンタコは渋々という感じで部屋の壁際にある黒い円筒形の装置を触ると、装置が紫色に輝き出しゴンタコの体の中の怨念が触った手から吸収されていった。
「よ〜し、よし、これで通販のでかいカニ食えるぞ!」
ダメナヘタレは以前テレビで流れていたカニ通販を思い出すと屁を放った。
「お、俺もでかいカニ食いたい!」
ゴンタコは腹が減っていたのでカニのことしか頭になくなりにやけている。
「おじいさん、この前食べたでしょ!」
ニコンは最近注文して食べたことを覚えていたので呆然としている。
「うるせえ、食ったおぼえなんかねえ、限定なんだぞ!」
ダメナヘタレはムッとした口調で切り返す。
「毎回言ってるでしょ!どんだけ記憶力ないの?」
ニコンは何言ってやがんだこの最臭平気がという目で見ていた。
「ゴンタコの稼ぎで食えるんだ、いいよなゴンタコ!」
ダメナヘタレは相変わらずの下衆さを隠そうともしないどころか大笑いした。
「じいちゃん俺カニより、このステーキ食いたい!」
ゴンタコはもうテレビで映っていたステーキのセットに目が釘付けになっていた。
「あんだとてめえ!うまそうじゃねえか...よし二つ頼め!」
ダメナヘタレは一瞬で確認すると躊躇なく言った...ゴンタコの稼ぎならどうでもいいらしい。
「わかった、じいちゃん!でかいカニとステーキくれええええええええ!」
ゴンタコは嬉しそうに目の前のバカナヘタレに叫んで、やり切った感じで座った。
「馬鹿野郎、俺に頼んでどうすんだ!あれだ、あれ...あの話すやつではなせ!」
ダメナヘタレはテレビを見ながら怒って言ったが、自分でも忘れたので「あれ」しかでてこない。
ゴンタコは「あれ」を探し目についたテレビを片手で持ち上げるとスピーカーに向かって叫び出した。
「でかいカニとステーキよこせえええええ!」
「てめええええ、それはテレビだろおおおがあああああ、あれだって言ってんだろがああああ」ダメナヘタレはさらに怒り出した。
「あれよこせえええええええええええ!」
ゴンタコは頷くとテレビのスピーカーにさらに叫び出した。
「このやろう、あれって言ったらあれだろがああああ...なんだっけ?」
ダメナヘタレは自分の忘れたものが出てこないので悩み出した。
「本っっ当に、このバカどもといると疲れるねえ」
ニコンはテレビに話かけるバカと、思い出せずに屁までこき出したバカを見ながら、明日はどこに行こうか考えていた。
その後、結局ニコンが嫌々ブレスレットで頼んでくれた。
「これいつくるの!ばあちゃん!」
ゴンタコは待ちきれない感じでニコンを見た。
「そうだねえ、4日から10日前後って言ってたねえ」
ニコンはブレスで確認してから言うと息を吐いた。
「じゃあそれまで寝るよ!」
ゴンタコそう言うとすぐに爆睡しだした。もう呆れるしかないが昔の子供の頃の寝顔を思い出しニコンはこいつ誰だよ?と笑い出した。
それから6日後カニとステーキの肉が届けられた。
「かにきたあああ、かに、ステーキ、うりゃああああああああああ」
ゴンタコは机の上に置いてある料理を見て叫びステーキの皿を自分に引き寄せた。
「うるせええええ、てめえええ、まず俺が先だあああ」
バカナヘタレはカニの鍋を自分に引き寄せた。
「はいはい、とりわけますからって....だまれええこの馬鹿どもがああ...食わせねえぞ!」ニコンがブチキレて皿の位置を元に戻した。
「ゴンタコ騒ぐなよ、俺みたいに黙って品よくしなさい」
急に良い姿勢になったダメナヘタレは知らん顔をしているが、ニコンの目は冷たかった。
「ううう、俺だけじゃないのにい」
ゴンタコはムッとした顔をしてゴミをダメナヘタレに投げた。
「てめえこらあ!唾飛ばすぞこらああ!...すいません」
ダメナヘタレは怒ろうとしたが、横を見た途端すぐに正座して謝りゴンタコも続いた。
「うまい...ふまぃい......うりゃああああああああ」
ゴンタコはステーキを口の中に大量にツッコミ噛み締め喉につっかえながら飲み込むと叫び出した。
「...うるせえが、これはうめえな、唾つけとくか」
ダメナヘタレはその様子を見ると、苦笑いしていたが途中からこのままではまずいと箸で触り出した。
「うわああやめろおお、俺も食いたいし、ばあちゃんのものこせえええ」
ゴンタコはカニを他の皿に避難させ始めた。
「てめええ肉食ってればいいだろ、カニはよこせえええええ!...限界じゃああ!表に出ろおおおお!」
「うるせえじいちゃんが悪いんだろおおお」
二人が庭に出て殴り合いが始まった。
「やっと静かになったね...まあ好きなだけ食べようかね」
ニコンはいつものことなので、好き放題食べると殴り合いが終わるとカニとステーキはほぼ消滅していた。
「「ぅああああああああああああああああ!」」
絶叫の後しばらくするとダメナヘタレとゴンタコはカニの消滅したカニ雑炊を食べることにした。
「じいちゃんこの雑炊しょっぱいね、カニの味あんましないね」
「俺もだ、ちくしょお次こそは食う!」
ゴンタコとダメナヘタレは鼻水と涙を流しながら食べていた。
「しょうがないねえカニとステーキはまだあるよ、追加するから大人しく仲良く食べるんだよ」
ニコンは下に隠しておいた物を取り出し二人が大人しく食べ出すと微笑んだ。
その時ダメナヘタレは食いながら思った...まだ食いもんは残ってるのかゴンタコの稼ぎで頼めばいいしな...今までの養育費と思えば安いもんだろ...しかし俺が食うためにはゴンタコが邪魔だな...確かなんかいいのあったよなあ...ああゲンタいたじゃねえかと。
「ゴ、ゴンタコちゃん?お前兄貴に会いたいと言ってたなあ?今は外神契約先を探しに行ってるから、これ食ったらすぐに手伝いに行ってやれよ!喜ぶぞお!」
ダメナヘタレは咳払いしながら言うと最後の方はもう嬉しくてしょうがない顔をしている。
ニコンは冷めた目で見ていたが一周回って笑っていた。
「わかったよ!じいちゃん俺アニキの手伝い行ってくる!うりゃあああああ!」




