表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明日天気になったら  作者: 頭つきエビフライ
1/1

雨男:竹中聡

 あれは、小学校に上がる前だったのかそれよりもっと前なのか、その時のことをはっきりとは覚えているわけではない。

 だが、確かにあの時誰かに出会ったはずだ。

 それからだ僕の人生が変わったのは。


「おい聡、お前絶対喜ぶんじゃねえぞ。」


「お前のせいでこっちは迷惑してんだよ」

「そうそう、お前がどうしようもないくらいの"雨男"なんだからさ」


 そう僕、竹中聡はいわゆる"雨男" だ。


 それも、出かけたときに雨が多いとかというレベルでは収まらない。ふと、気がついたら喜ぶと雨が降るようになっていた。

 小学生の頃にはそうなっていて入学式は大雨だったと親に言われている。


 高校2年生となった今まで、すべての学校行事は雨、家族旅行も雨、テストの点数が良くても雨、終いには朝の星座占いが一位になるだけでも雨が降る。


 小学生の頃は雨が多い学年ね、と言われるぐらいで済んでいたのだが、中学、高校と同じ学校に通ってる奴らからお前と出かけると大体雨降るよなと言われ、自分が雨男であることを自覚した。


 そこから意識してみると、自分の嬉しい、楽しいっていう気持ちの時によく雨が降る事がわかった。

 その事を知ってる友人は、揶揄うようにイベントがあるごとに楽しむんじゃねえぞと言ってくるのだ。無理があるだろう。


 そもそもなんで僕が喜ぶと雨が降るのかもわかってない。ただ雨男だからという事では説明がつかない。

 きっかけなんてものに心当たりもない。この前一生雨に囲まれた思い出が増えていくんだろうか。

 そう諦めにも似た感情を抱えたまま普段と変わらない日常を過ごしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ