表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/16

月の時

 読んで戴けたら嬉しいです。゜+.゜(´▽`人)゜+.゜

 アンドロイドの反乱が無ければ、夜戯の人生は大きく違っていただろう。


 反乱を止める為に力を解放する事が無ければ、夜戯の脳が衰退して行くことも無かった。


 家族と平穏な日常を繰り返していた事だろうと思う。


 でもそうしたら、ボクは夜戯と巡り逢っていなかったかもしれない。

 

 そうゆう意味ではハッカー集団に感謝するべきなのかもしれない。


 とてもそうゆう気持ちにはなれないけれど。


 夜戯は息の上がっているボクの手を引いて山道を登って行く。


 時々ボクを振り返り、ボクを気遣ってくれながら。


 その度にボクは自分が情けなくなる。


「結局ボクは最後まで夜戯に守られてばかり

 もし生まれ変わって夜戯と巡り逢ったら、今度は屈強な男になって夜戯を守れる男になっていて欲しいと思うよ」


 そう言うと夜戯は振り返り言った。


「ソレガシは今のままでも構わぬ

 そのままのソナタが········好·····だから··········」


 言葉尻がよく聞こえなかった。


「え?

 今なんて? 」


 月明かりに照らされた夜戯の顔は怒っているようで、夜戯はまたボクの手を引いて大股で歩き始めた。


「ねえ、今なんて言ったの? 」


「もう二度と言わぬ! 」


「えええーー、言ってよお! 」


「知らぬ! 」


 何を怒っているんだろう?


 とても不思議なのは、ボクが想い人の谷への道筋を知っている事だ。


 ボクには想い人の谷へ行った記憶が無い。


 なのにまるで、何度も行った事が在るみたいに次はどの方向に向かえばいいのかが解った。


 それはもう、気持ち悪いくらいに。


 ボクと夜戯は途中何度か休憩を取りながら歩き続け、おそらくこれが月の時の大木であろう場所に辿り着いた。


 月の時は白い可憐な花を満開に咲かせ、夜戯が閉じ込められていたカプセルの中の液体と同じ匂いを放出させていた。


 確かに百年以上の年輪を重ねているだろう立派な枝を伸ばし、どっしりと根付いて立っている。


 近くで見ていると圧倒されるほど大きい。


 ボクはふと思う。


「なんでこんな処に月の時が生えたんだろう? 」


 夜戯が答える。


「おそらく月の住人依吏(より)が地球に降り立った時、ポットか依吏の着ていた物に種子が付着していたのではないか? 」


 ボクは思わずその木肌に触れた。


 次の瞬間、走馬灯の様に記憶が溢れて来る。


 ボクは直感でそれが依吏の記憶だと解った。


 依吏と侑稀と過ごした幸福な日々が鮮明に脳裏に映像となって蘇る。


 一緒に畑を耕し、共に食事をし、時には村を散策した。


 傍に居る事の喜びに依吏と侑稀はこの上ない幸福を感じていた。

 

 ボクが今夜戯の傍に居られるのと同じ幸福。


 そして解った事がある。


 依吏はボクの前世、侑稀は夜戯の前世の姿だった。


 何故か月に居る時の記憶は霞みがかかったように、ぶれて見えない。


 どうやら記憶にガードが掛かっているみたいだった。


 一気に溢れ出した記憶の情報量の多さに、ボクの脳は堪えきれず眩暈を起こしてその場に倒れ込んだ。

 

 意識が途切れる瞬間、夜戯の叫ぶ声が頭の中で木霊した。





 読んで戴き有り難うございます❗(o´▽`o)ノ


 すみません、また明日朝から病院に行かなくちゃならないので、昼間の更新です。m(_ _)m

 いよいよ明後日は完結です。

 皆様の読み通りのエンディングでしょうか。

 こうご期待下さいね。(o^-^o)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 伝説の二人は二人の過去…!いいですねぇ…。でも、まだまだ不完全な出会いをしてしまっているので、また来世で彼女彼らは出会えたらいいなぁ…と思います…
2022/12/20 19:34 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ