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大切

 読んで戴けたら嬉しいです。゜+.゜(´▽`人)゜+.゜

 次の日ボクと夜戯は、ばあちゃんに頼まれて、隣街の一件しかないスーパーへと食料を調達する為にバスに乗った。


 夜戯の隣でバスに揺られていると、ここへ来た時の事を思い出す。


 あの時は追われていて、アイツらに見つかるのではないかと云う不安で緊張感が痛いくらいだった。


 今でも不安要素はあるけど、安定した日常を過ごす今の状態で思い返すと怖い夢でも見ていたような錯覚に捕らわれる。


 あれは本当に現実だったのかと、落ち着いた日常が当たり前のボクには思えた。


 バスを降りて少し歩いた処にスーパーは在った。


 ばあちゃんが書いたメモを頼りに、カートに買うものを入れて行く。


 この作業は殆どボクがこなしていた。


 夜戯は何故か上ばかりを気にしている。


 夜戯の視線を辿ると、その先には防犯カメラが在った。


「防犯カメラがどうかしたの? 」


「いや、何でも無い」


 夜戯が作り笑いしているのが解った。


 何を気にしているのだろう。


 買い物を終えて、バス停のベンチに座ってバスが来るのを待っていると夜戯がそわそわと周りを気にしている。


「どうしたの? 」


 夜戯はハッとしてボクを見る。


 その目がとても哀しそうに歪む。


 ボクは慌てた。


「どうしたの?!

 何処か痛むの?! 」


 夜戯は首を横に振る。


 それから、思い詰めたように地面に視線を落として(おもむろ)に言った。


「紗月、礼を言わせてくれ········」


 ボクは夜戯の整った美しい横顔を凝視した。


「ソレガシをここに連れて来てくれて有り難う

 ソナタは天涯孤独になったソレガシを独りにしないでいてくれた

 ソレガシは間もなく消えなければならない

 束の間だが家族の温もりを感じられたのは、ばあちゃんとソナタのお陰だ」


 夜戯は優しい微笑をボクに向けた。


「ちょっと待って!

 そんな言い方したら今日にもお別れするみたいじゃないか! 」


 夜戯は半ば諦めたような表情を浮かべ言った。


「あんなに冴え渡って何もかもを知る事ができたのに、今はもう目の前に映ることしか解らなくなった

 やがてそれすらも解らなくなるだろう·······

 そうなる前に消えねばならぬ」


「消えると云う使命感は変わらないんだ·······」


「なんとしてもこの身をあ奴らに渡す訳には行かぬ」


 どうすれば夜戯を守る事ができるんだろう·········。


 ボクが科学者なら夜戯の脳の機能が衰退して行く歯止めを見付ける事ができたのかもしれない。


 ボクが権力者なら、沢山の部下を使ってあの連中を夜戯に近付けることさえできなく出来たのかもしれない。


 でもボクは科学者でも権力者でも無いありふれた何処にでも居るただの高校生だ。


 好きな人を心から守りたいと思うのに········。


 もどかしい気持ちをもて余していると、夜戯は真っ直ぐボクを見て言った。


「ソレガシは思ってしまうのだ

 ソナタには死んで欲しくないと強く思う

 せめて、残された時間を力いっぱい生きて欲しい········

 そう思わずにはいられない··········


 ソレガシにはソナタに巣食う病を治す術が無い

 それどころか、最期を迎えるソナタの傍にもいられない

 そんな自分が悔しい···········」


 夜戯は目を伏せる。


「こんなにもソナタが大切なのに、ソレガシはソナタに何もしてあげられない

 そんな自分が疎ましい··········」


「夜戯············」


 夜戯の顔が苦し気で、夜戯も同じ気持ちなんだと思うと、場違いな感情なのかもしれないけど正直嬉しかった。


 ボクも夜戯も互いの為に何もできなくて、もどかしくて自分に腹を立てるほどお互いを大切に想い合っている。


 それはとても絶望的な状態なのに、嬉しい········。


 タイムリミットが迫っている···········。


 ボクは言った。


「夜戯、想い人の谷へ行かない?

 そしたら来世でまた巡り逢えるかもしれない···········

 夜戯は、ボクと今度は普通の人間としてもう一度巡り逢いたいって思わない? 」


 夜戯のグリーンの瞳がボクの目を見詰め震える。


「ソレガシは···················」



 読んで戴き有り難うございます❗(o´▽`o)ノ


 ちょっとホラーな話を。

 うちの旦那、ホラーが大好きなのですが、だからやたらYouTubeでホラー動画観てるのですよお。

 そんな旦那の太ももに歯形の様な痕が最近付いたのです。

 旦那は足が悪いので右向きか、仰向けでないと寝られないんです。

 本人、何処かで太ももぶつけた記憶も無いし、寝ていてそんな痕が付くはずも無く。

 またその歯形のようなものは凄く小さくて、人間の赤ん坊のよりも小さいんです。

 もっと不気味なのは、それが歯形なら付いてる向きがおかしいんです。

 前歯部分と思われる処が下に向かって付いてるんです。

 歯形だとしたら、決して人間には付けられない向き。

 歯形だとしたら、いったい何の歯形❔

 どうやって付けたの❔

 旦那、ホラー好き過ぎて変なもの呼び寄せてるんじゃないかとか思います。

 夜になると、家中でラップ音がやたらするんですけど、何か関係があるのでしょうかね。

 私、怖いの苦手で勘弁して欲しいです。(TДT)

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― 新着の感想 ―
[一言] ヤキの寿命はおわってしまう。一方で自分は医者でもなんでもない高校生だから、何かをしてやることもできない…もう胸が潰されるような辛さですよね…さらに自分も終わってしまうかもしれない…そんな絶望…
2022/12/20 19:31 退会済み
管理
[良い点] いよいよエピローグが近付いていることを予感させる、甘く切ないお話でした。 どんなに頑張っても人に限らず、全ての生き物には命の期限があります。 なんとなく、ここから沙月の活躍が始まりそうな予…
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