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再会

ひかりの家の近くには、大きい池のある公園がある。その公園から、何か嫌な気配を感じた。ひかりは、星宮の巫女と呼ばれていた。星宮の巫女とは、主に妖や、悪霊を払う役目を持つ、星神様の力を使う者である。他にも、いろいろな巫女がいる。巫女は、全国でもよく知られている。だが今は、いろいろとあり、星宮の巫女の名だけはあまり知られていない。

「何だろう…この気配。っ!」

ひかりは、木の影から何かを感じた。

「誰っ!」

ひかりはその木に向かって言った。すると、木の影からひかりと同じくらいの女の子が出てきた。

「久しぶりね、ひかる」

「静音…」

出てきたのは土宮の巫女、土宮静音。土宮家は、主に土の力を使う。そして、ひかりが大喧嘩した相手だ。

「なんで、静音がここに?」

「決まっているでしょ?あんたに勝つためよ。」

「…まさかだけど、あのこと根に持ってる?」

「そうよ!あんたは私の、私の大事な宝物を壊したじゃない!」

「だ、だから、あれはごめんて!っていうか、静音こそ、私のプリン食べてじゃない!」

「そんなの覚えてないっ!」

「理不尽…」

そう、ひかりは静音の宝物である100円ほどの髪飾りを壊し、静音はひかりのプリンを食べたという、大喧嘩をするほどの内容ではないのに大喧嘩したのだ。

「っていうか、なんで静音がここにいるの?」

「こっちは学校休んでまで来てあげたのよ!」

「来てあげた?っていうか、私の質問に無視するし…。」

「そうよ!協会から、星宮に、あんたにこれを持って行けって。」

そうして、静音に渡されたのは、小さな縦長の箱だった。その中には、かつて星宮が使っていた、紙1番先の部分が星の形になっている御幣が入っていた。協会とは、いろいろな巫女をまとめている機関のようなものだ。

「どうしてこれを?それに、星宮は…」

「そんなの、私にもわからないわよ。けど、この町、あんたも気づいているだろうけどだいぶ妖気とか霊気とかで溢れてるわよ。協会は、知っててあんたをこの町に行かしたのじゃない?」

そう、ひかりたち家族は、星宮の名を名乗らずに、この町で過ごせと言われていた。

「それに、力は使うなって言われていないでしょ?」

「ま、まあ、言われてないけど、でも私はっ!」

「あんたが何と言おうと、これは協会からの命令。それに、どちらにしてもあんた、友達できたとしても妖とか悪霊とかに殺されるかもしれないってことも考えることね。」

「っ…!わかったわよ。でも、流石に素顔を晒して行動するのはまずいでしょ。協会はそのことについて何か言ってなかったの?」

ひかりはそう言うと、手に持っていた御幣がどこかに消えた。

「あー、忘れてた。これも渡されていたっけ。」

そうして、静音に渡されたのはお面だった。かつてひかりが使用していた、狐の面だ。

「…ありがと。」

「じゃ、もうあんたには会うことはないでしょうね。あ、

それと、あのことは今でも許していないから。」

静音は、言うことだけいって帰ろうとした。。

「……許してもらおうなんて、思ってないわ。」

静音の言うあのこととは、もう一つの喧嘩のことだろう。だが、まだその時ではない。

「あ、そうそう。最後に一つ、あんたの力を試してこいって言われてたのをわすれてたわ。てことで、ここにいる悪霊を払いなさい。」

静音が急に立ち止まって言った。

「はあ?」

「だから、あんたはここから気配を感じて寄ってきたのだから、何かしらはいるでしょう。私がこの場所でわざわざ人除けの術まで使ってこの話をしたのだから。ちゃんと面もつけなさいよ。」

「分かったわよ。どうせ、そうだろうとは思ってたわ。」

そうして、ひかりは面をつけた。瞬間、ひかりは光に包まれた。そして、巫女が着るような巫女服と面をつけ、髪も下ろしていたのが後ろでくくられていた。

「この感覚、久しぶりだわ。」

「早く終わらせてよね。私は帰らないといけないんだから。あと、私を一般人だと思って行動しなさい。私は術を一切使わないから。」

「分かった。」

一通り会話を終えたひかりは、まず悪霊の気配を辿った。

「あそこね。」

そう言うと、ひかりの手に御幣が握られていた。そして、悪霊の気配がする方向に向かった。

「さっきも思ったけど、体はちゃんと覚えてるのね。じゃあ、やりますか。」

そう言うと、ひかりの目に星が宿った。そして、ひかりの纏う空気がピリついた。

「星よ、散れ」

ひかりは御幣を持っている手を上にあげて術を唱えた。すると、御幣の先から小さな星が現れた。そして、小さな星は悪霊の気配がするところに向かった。すると、さっきまでは何もなかったのに、急に血だらけの女の霊が現れた。そう、今のは気配を隠している悪霊の姿を見えるようにする術だ。そして、ひかりは悪霊に向って走った。そして、また術を唱えた。

「術式 星、展開。」

そう言うと、ひかりの足元が光った。その光は大きい丸の中に星の形が描かれていた。

「星式 星域封印」

そう唱えると、霊はひかりに包まれ、消えていった。そして、ひかりの目は、元に戻っていた。

「これでいいのよね?」

「じゃ、あんたの力も見れたところだし、私は帰るわ。もう会うこともないでしょうから、最後に一言。私はあんたが大っ嫌いだから。」

「…じゃあね。」

そうして、静音は帰って行った。

ひかりの手から御幣が消え、面を取った。すると、ひかりは元の服に戻っていた。

「これから、頑張らないと。もう、友達が死ぬのは嫌だから…」

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