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呼応  作者: はじめ
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欠伸で始まる朝があったそうです、いつものようでいつものでない、うんと大きく口あけて、得体の知れない何かを吸い込むように、おもいきり息を吸い込んで胸を膨れさせたのですって


書き綴ったこともあるそうです、聞こえて見えるものそのままに、苦しみまぎれの嗚咽もろとも吐き出して、煙のように立ち上ってすぐ消えるものども、言葉におとして互い違いに受け渡したのだそうです


さても珍しい仏頂面の道化が歌っております、しょうのないことだけれどもまぁ聞いて頂戴、すれっからしの耳に届くおまえの唄はオペラのよう、せっかく憎んだあれもこれもなぜだか許してしまって、早々何の罪だろうと良し悪しは蚊帳の外、絶えず打ちつけてくる怒涛の節のいくつもが、丁度鳩尾に沈んで膝をつく、月を見ましたか見上げても月は見えず手の中を見る、手の平を見せつけてほら見えるかと、特別に笑ってみせたのでございます


無くなるもの変わるもの、似ているとも思えもしないが同じもの、塗り込めて隠しても浮かび上がるもの、寝ても覚めても忘れていながら、喉元過ぎても忘れないもの


はじめは、ひとりでふらふらしていたのだから、ふたりだなんて思いつきもしなかったのだわ、平気の平左のふりをしたけれど、本当はおもいきり飛び上がってわぁいと叫びたかったのよ


まぁまぁそう嘆きますな落ち着いてと狼狽するその人、見にゆけなかった今年は見にゆけなかった、無数千万の桃の色した花の山にも苔むした狛犬のおわす長階段の上にもゆけなかった! 目にうかべた涙ぽろぽろこぼしてきっともう二度と見られないのだそれならもう死んだらいいのだと嘆くその人、もう一度見にゆきましょう必ずゆきましょうきっとゆけますから私がついていますからと背をさするその人


止まない雨はないとか言うやつは死刑、夢は叶うとか言うやつも死刑、よりにもよってだけれどもよりにもよってでもだけれども結局そんなやつに救われるときもある


らららと歌ってくださいさも面白いように笑い飛ばせるほど強靭なように狂ってるくらいで、理屈に合う合わないもどうでもよいこと、累々連なる昼と夜とをまっぷたつに切って捨ててしまえる鳴りが、連々連なるいつものようでいつものでない欠伸と欠伸、朗々聞こえる唯一物


私は云いたいのですその時ばかりはなぜかウンと、応じる呼びかけに首は横ではなく縦に振られるウウンではなくウンと云うのです、

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