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呼応  作者: はじめ
33/40

33

足が粘っこく地面に引っ付いてなかなか離れない

早く早くと心臓は暴れるのに

持ち上げる足は重く

体ばかりが前のめりになって

上げた足を下ろすにも

力いっぱい踏みつけているのに

ごくゆっくりのんびりとしか地面を踏めない

寝つきの悪い日の嫌な夢に似ているが

夢ではない

とても嫌な現実


どこへも行けない電車と車に乗って

遅刻と遅延

目的地でない方向へ運ばれる

狭い道で出過ぎたスピードに大慌てして

忙しなくハンドルを操る

ブレーキの場所がわからない

きっと少し壊れている


今日は土に埋まっている

案山子のように畑の真ん中に刺さっている

空ばかりは青く晴れて陽気だが

土に埋まっている膝から下が寒い

皮膚と脂肪はぐずぐずに溶けて

赤赤とした筋線維がてらてらして見える

それを蛾や甲虫が齧っている

蛆も徒党を組んでせっせと食っている

それよりずっと小さいバクテリアや線虫も

目には見えないが

肉の中を蠢き回っている


色形で見分けのついていた皮膚や骨も

今は全部土くれと同じ色同じ姿で

周りと少しばかり色の違う畑の土

その頃にはすっかり日も暮れて

空は黒く

空気も黒く

虫が涼しく鳴くばかり


遅すぎるタイムラプス

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