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車通りの音が消えてなくなる夜中ごろ
どうして自分は一人でいるんだろうね と言ってみる
すると おまえが自分で選んだからだろう と返ってくる
ああもっともだ もっともだ と思い当たって
ふうと息を吐く
鼻の奥がきぃんと鳴って体がしぼむ
いつまで自分は一人でいるんだろうね と言ってみる
すると 死んでなくなるその時までだろう と返ってくる
ああもっともだ もっともだ と思い至って
ふふと息を吐く
肺がふるると震えて体に熱を送る
ここまでが一セットの動力源
寝れば明日になって朝に着く
やだねぇやだねぇ
幸福を信じられなくていつでもちょっと不幸を望むのはなぜなのかい
それでもってそれが一番安定して落ち着いていられるのはなぜなのかい
育ちの環境かい遺伝子の特性かい自分自身の性質かい
もう今更どれだって恨み言なんてありやしないんだけど
どれなのかがわかれば別の選択をするようになったりするのかい
動力源が変わって馬力が変化したりするのかい
それはとても知りたい気がするんだよ
白衣の先生はどうやら母親の愛情がうんぬんと教えてくれたけど
つまりは育ちの環境の影響が濃いってことなんだろうけど
だけどだけどそれを知っても自分の動力源は変わらなかった
こんなことをごちゃごちゃ言っているのは
どうも馬力が足りないと考えているからで
欲しいのは今より強い動力源であるからして
ここでこんなことを書くのも
化石燃料様のものなり自然エネルギー様のものなり
何かしらの源を掘り出せやしないかと考えた末の結論でして
やだねぇやだねぇ
何を言っているのかねぇ
もう黙ろう 言わなくてもいいことを言う前に
時間切れ 今日はめずらしく朝のほうからやってきた